新オズのつぎはぎ娘
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第六幕その五
「是非会いたいよ」
「野球場に行けば会えるからね」
「子供達のヒーローは死んだらオズの国に来ることが出来るのよ」
ドロシーがこのことを言ってきました。
「無事にね」
「そういえばボームさんも」
「そうでしょ、あの人もね」
「一度お亡くなりになって」
「そうしてね」
「オズの国に来られましたね」
ジョージも頷きました。
「そういえば」
「そうでしょ、だからね」
「ルースさもですか」
「今はオズの国におられるの」
「そうなんですね」
「私はお会いしたことがあるわ」
そのベーブ=ルースさんとです。
「とても素敵な人よ」
「それで野球選手として」
「そう、いつもとても大きなホームランを打つわ」
「見たいですね、あの人を」
「あとね」
つぎはぎ娘はさらにお話しました。
「ゲーリックさんやヤングさんもいるわよ」
「ルー=ゲーリックにサイ=ヤングも」
「あとサチェル=ペイジやジャッキー=ロビンソンも」
「うわ、伝説の人ばかりだよ」
「皆がいるから」
「野球場に行けば」
「その人達にも会ってね」
つぎはぎ娘はジョージに言いました。
「そうしてね」
「それじゃあ」
「勿論バスケットボールでもアメリカンフットボールでもホッケーでもね」
こうしたスポーツでもというのです。
「オズの国は子供達のヒーローが勢揃いよ」
「そういえばエジソンさんもいるって言ったけれど」
「ええ、それで今もね」
「発明を続けているんだ」
「そうよ、モーツァルトさんもね」
この人もというのです。
「作曲を続けているわ」
「そうしているんだ」
「素敵な曲を沢山作曲しているわ」
「オズの国でもだね」
「そう、プレスリーさんやジャクソンさんもいるし」
「夢みたいだよ」
ジョージは遂に息を飲みました。
「本当に凄い国だよ」
「だからお伽の国なのよ」
笑って言うつぎはぎ娘でした、そうして。
皆でステーキやお野菜、アルコールのないワインを楽しんでそれからデザートにアイスクリームを食べてです。近くの川で身体を洗ってから。
皆でテントの中に入って寝ます、翌朝は日の出と一緒に起きてクロワッサンとオニオンスープとスクランブルエッグ、牛乳の朝ご飯を食べて。
それから出発しましたが少し歩きますと。
前からコヨーテが来ました、見ればそのコヨーテは。
二本足で歩いてです、黒いタキシードにズボン、ぴかぴかに磨いた黒い革靴にステッキ、白のブラウスに赤の蝶ネクタイにです。
黒いシルクハットという恰好です、ジョージはそのコヨーテを見てそのうえで言いました。
「またお洒落なコヨーテだね」
「そうだね」
トトが応えました。
「タキシードにシルクハットでね」
「紳士でね」
「お洒落だよね」
「本当にそうだね」
また言うジョージでした。
「ああした格好も」
「それで隣のクロアシイタチは」
見ればコヨーテは一匹ではありません、その隣にはクロアシイタチもいますが。
このイタチは全身青のスーツです、ネクタイは黄色でブラウスはやっぱり白で黒の革靴はやっぱりピカピカです。帽子は青のボルサリーノです。
そのクロアシイタチも見てです、ジョージは言いました。
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