新オズのつぎはぎ娘
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第六幕その四
「多分ね」
「そうなのね」
「大草原の生きものは数も種類も多いから」
それでというのです。
「バイソンやプレーリードッグや兎以外にもね」
「生きものがいて」
「会えるわ」
「鷹や鷲が飛んでるわね」
つぎはぎ娘はお空を見上げて言いました。
「そういえば」
「そうでしょ」
「ええ、実際にね」
「それで明日もなのね」
「大草原の生きものに出会えるから」
それでというのです。
「明日もね」
「楽しみにしていていいのね」
「そうよ」
「ううん、それであたしの幸運は」
ここでこうも言うつぎはぎ娘でした。
「そして皆の幸運は」
「何時かね」
「やって来るのね」
「バイソンの背中に乗って貰ったそれはね」
「そうなのね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「今はね」
「待っていればいいのね」
「そう、別にね」
これといってとです、ドロシーはスパムのステーキを食べつつつぎはぎ娘に答えます。こちらのステーキの味も楽しんでいます。
「焦ることはないわ」
「そう言われるとあたしはね」
「焦らないわね」
「あたし焦るよりもね」
「他の楽しみを楽しんで」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「その幸せが来るのを待っているわ」
「そうよね」
「だから今もそうするわね」
「そうしてね」
つぎはぎ娘はさらに言いました。
「歌も踊りもね」
「今もそうするの」
「あたしステーキは食べないけれど」
それでもというのです。
「皆が食べているのを見て歌いたくなったわ」
「ステーキの歌を?」
「踊りつきでね、そういえば」
こうも言うつぎはぎ娘でした。
「ルースさんも好きね」
「えっ、ルースさんってまさか」
「あのベーブ=ルースさん!?」
「野球の神様って言われた」
「物凄く沢山のホームランを打った」
「あの人のことなの」
「そうよ、野球選手のベーブ=ルースさんよ」
まさにその人だとです、つぎはぎ娘はそのお名前を聞いて驚くジョージ達五人の子供達に対して答えました。
「あの人もオズの国に来ているの」
「そうだったんだ」
ジョージはつぎはぎ娘の返事に驚きつつ応えました。
「あの人も」
「エジソンさんもモーツァルトさんも来ていて」
「そしてだね」
「関羽さんも来ているから」
「凄い人達が揃っているんだ」
「宮沢賢治さんもいるわよ」
この人もというのです。
「オズの国には」
「凄いね」
「だからね」
「ベーブ=ルースさんもいるから」
「機会があれば会いたいでしょ」
「絶対に、あんな凄い人に会えるなら」
それならというのです。
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