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ジョジョの奇みょんな幻想郷

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第一部 ケイオスクルセイダーズ
第二章 春雪異変~神浄刀矢さんとコラボ企画~
  33.偽りのU/飲んでも呑まれるな

 あの春雪異変から四日がたった。幽々子たちがため込んだ春を解放したことによって、幻想郷中に春があふれた。桜はこれでもかというほどに咲き誇り草花たちもよく咲き、人里では畑の雑草に悩まされ芋堀大会ならぬ雑草取り大会がなされたそうな。さらには春告精が密度の高い春に当てられてヘッドバンキングを刻みさらにそれを聞きつけた騒霊たちが煽ったことによって起こった騒音被害が異変一歩手前にまで行ったことはひとまず置いといて、和真が異変で受けた傷もあらかた治り日常生活に支障もないために例のごとく『あれ』が今日開かれるのだ。そう、異変解決の祝杯という名の宴会だ。








 いつもとは違い人妖であふれかえる博麗神社の境内。宴会のこの日ならばまあいつものことかとなるところだが今日の宴会はいつもより多くの人が集まっていいた。今回宴会はいつもとは異なり今年初のお花見会もかねて行われるのだ。それによって昼真っただ中にもかかわらず、普段中々姿を現さない奴らや吸血鬼もいる始末なのだ。前例類稀ない大宴会が今始まろうとしていた。
「おい丞一」
「なんだよ和真。飲みもんなら既に渡したろ」
「いや、これって」
「ん?ああ、日本酒の方が良かったか?悪いな。一応外の世界から来たってことを考慮して定番な発泡酒だと思ったんだが。いらない世話だったか?」
「いやそうじゃねぇよ!?」
「じゃあ何なんだよ」
「いや、なに自然に酒飲もうとしてんだよ!?」
 今日もキレキレの和真である。そして丞一のあまりに自然な未成年飲酒。地の文じゃなきゃ見逃しちゃうね。そして、ついこの間同じツッコミをしたはずの丞一がされる立場になるとは。いくらなんでもなれるのが早すぎでなかろうか。
「お前まだ18だろうが!それに俺もまだじゅうきゅ」
「まあまあ、そこをなんとか!」
「減るもんじゃないし」
 まさかの魔理沙からの援護射撃である。だが和真からは十分に予想できたことだった。
「断る!いくら幻想郷(ここ)で大丈夫でも俺は外の世界の人間なんだからな!」
 和真の意志は固かった。もし、ここではまってしまったら外の世界の父母に顔向けができないというのが一番の理由だろう。
「わかったよ。じゃあ代わりに何飲む?」
「……じゃあ烏龍茶で」
「オッケー」
 嫌にあきらめがいいなと思いつつも素直にご厚意に甘えることにし新しい飲み物を頼んだ。
「…………」トクトクトク ウォッカ・・・9
「…」チャポン ウィスキー…1
「ほれ、烏龍茶」
「これは俺の知ってる烏龍茶じゃない!」
 無言で渡された烏龍茶といわれた何かに対し和真は絶叫する。そりゃ誰だって叫ぶかキレる。
「何を言う。烏龍茶の色がついているだろ」
「しかも色だけじゃないぞ」
 そういって。魔理沙は簡単な火の魔法を烏龍茶にかける。なんということだろうか。烏龍茶が入っているはずである容器からボウ!っと火が付いた。
「火が付く時点で大部分がアルコールだろうが!」
「なら水ならどうです?」
 そういって透き通ったな液体が入ったコップを持ってきたのは慈愛に満ちた笑みを浮かべた早苗である。
     火
「…………Uボウッ!」
「「「……………………」」」
「…………どうして火が付くんだ?」
「可燃性なんですよ」
「色は水だから気にすんな」
「お前らは色でしか飲み物を判別できねぇのか!さては酔ってんな?酔ってんだろ!もういい!こんなところにいられるか!帰らせてもらう!」
「そんなフラグたっぷりなことを。それはいいとして、逃げられるのか?」
 そう。魔理沙に言う通りここには触れた瞬間に地面のちょっとした傷などを治し自分との距離を潰せる早苗。そして何より。
「ダークワン・ザ・ワールド!」ドォォーーーン!カチコチ…
 時間を止められる丞一がいるのだ。どうやら和真のフラグはトッポでできていたようだ。
 逃げようとしていた和真の進行方向にフォークを投げる。
「そして時は動き出す」
「———っうお!丞一!お前時間止めやがったな!しかも父さんみたいなことを」
 そして止まったところを早苗がハンマーロックで取り押さえる。
「おいおい、そんなにはしゃぐなよ和真。―――――――さあ、始めようか」








 それから少し時間がたち開始の時間がやってきた。今回は今回の異変か帰結の立役者ということで暴走状態の和真を一人———実質早苗と二人だったうえにもう二人いたわけだが———で抑えるという大立ち回りを繰り広げた丞一と西行妖にとどめの一撃を見舞った、そして博麗神社(ここ)の巫女として乾杯の音頭を取ることと相成った。
「「それじゃあ、ご唱和ください!我の名、じゃなくて!」」
「「杯を乾かすと書いてぇ!乾杯ぃぃ!!」」
『乾杯ぃぃぃぃぃぃ!!!!!!』




「へい!和真!イッキ!イッキ!(p゚▽゚)p 」
 宴が始まりあるものは酒を煽りあるものは暴食しているだが祭りはまだ始まったばかりなのだ。丞一は和真にコップ並々まで注いだウォッカを一気飲みさせようとしている。もはやどっちが年上なのかわからいものだ。
「(/◎\)ゴクゴクッ・・・。プハー!濃い"な"あ"」
「水も飲まないと倒れんぞ」
「あ、どうも」
 そい言って渡されたコップを受け取る和真。しかし和真はこの時誰に渡されたかも確認しなかったのが失策だった。これを渡した彼女がこの中でも有数の下種であることをまだこのときの和真は知らない。             火
「(/◎\)ゴクゴクッ・・・。…………Uボウッ!」
「ウォッカァァァァァァァァッ!」(#゜д゚)ミ:∴パリーン
「いい飲みっぷりでしたね。八坂和真」
 そういって下種な笑みを浮かべていたのは先日咲夜と戦いそして共闘して西行妖を足止めしていた魂魄妖夢だった。なぜこうも腐った正確になったのか。なぜこうも本来の性格と離れてしまったのか。それは天のみぞ知る。
「妖夢ぅ!なんだこれは!悪質ないたずらか!」
「別にそうじゃねーですよ」
 いたずらじゃないとなるともっとたちが悪いだろう。
「ただ、一人くらい酔い潰さないと逃げきれない気がしてな」
 そう妖夢がここまで必死な理由。それは主である幽々子による暴露が関係していた。

「妖夢は実は下戸なのよ~」

 その話を聞きつけていた酒飲みどもが妖夢もターゲットにしたのは言うまでもない。自分の醜態をさらすのが嫌だった妖夢は和真を潰し自分は逃げおうせようという算段なのだ。ちなみに前回と同じく咲夜は人知れず空いた料理に皿などを片しているのだが、自分もそれを手伝えば従者の仕事を盾にして逃げられたことを妖夢は一生気づくことはない。
「そうだよな誰かが犠牲になればいいんだよな」
「っ!わかってくれましたか」
「ああ。俺が酒を飲むからお前は烏龍茶でも飲んどいてくれ」       火
「おお!なんて美しい自己犠牲の精神なんだ!(/◎\)ゴクゴクッ・・・。…………Uボウッ!」

クサ(貴様)ァァ!」
「別に犠牲になるのが俺である必要はないよなぁ!」
 どちらとも外道であった。さすがは邪神の息子。俺らがやらないことを平然とやってのける!
 二人はそこからもみ合いが始まった。まあ酒の席で軽い喧嘩程度はいえあまりいい元は言えないため主催元が仲裁に入る。
「おいおい、喧嘩はやめなさい。どうしても飲めないなら勝負しなさい」
「「勝負?」」
「代々伝わる幻想郷流にらめっこよ!」
 説明は不要!そしてルールも簡単!口内の酒を先に吹いたら負け。それだけである!
「に~らめっこし~ましょ!幻!想!郷!」
「( ´ิ(ꈊ) ´ิ)」
「(。・ε・。)ムー」
 和真は変顔を放った。しかし何も起きなかった!
「(´◉◞౪◟◉)」
「(。・ε・。)ムー」
 和真は変顔を放った。しかし何も起きなかった!
「和真。まじめな話をするのも一つの手だぜ?」
「まじめな話?普通逆効果名じゃねーの?」
「いや、案外と笑っちゃいけないときに振られると笑っちまうもんだ」
「なるほど。じゃあ、俺の悩みでも一つ。――――――ここだけの話なんだが…………俺、昔はロリコンだったんだ!」
「`;:゙;`;・(゚c。゚ )ブッ」
「ふっ。驚きを隠しきれなかったそうだな」
「ざけんな!隠しきれてねーのはお前の犯罪臭の方だろ!」
「んだと!おい!」
「妖夢、粗相だな」
 *粗相とは軽率さや不注意によって起こった過ちや飲み会においての失敗などの意味があるぞ!
「ち、ちくしょう!」
「ふっ」
 妖夢はコップ一杯を一気に煽り和真は余裕の笑みを浮かべ口に含んだ。
「に~らめっこし~ましょ!幻!想!郷!」
 しかし、もともと下戸であった妖夢はすでにキていたようで千鳥足で足元がおぼつかない様子であった。心配したのか幽々子が妖夢に一声かけた。
「妖夢、大丈夫?」
「_| ̄|○バスケがしたいです……」
「`;:゙;`;・(゚c。゚ )ブホッ!ゲホッ!ゲホッ!」
「はっ!てめーにも呑んでもらうぞ!」
「また粗相ね、妖夢(#^ω^)」
 妖夢が後ろを振り返るとそこには般若のごとき凄絶な笑みを浮かべた主がコップ片手に立っていた。妖夢から言わせれば、言われたくないなら食費減らしやがれと小言の一つでも言いたいところだろうが今回に限っては全面的に自分が悪いことを自覚しているのかそれを飲み込んだ。
 そして二人は仲よくコップを一気に煽った。
「「(/◎\)ゴクゴクゴクゴクゴクッ」」
「プハー!やるじゃねぇか。こうなったらとことんやってやらぁ!」
「上等!白黒はっきりさてやらぁ!」




 
 


 少年少女変顔中








 ~三十分後~
「「オロロロロロロロロrrrrrrr」」
 盛大にぶちまけるものを出していた。一デシリットルも残さず出し切っていた。
「まったくお前らは。……トクトクトク。ほれ」
 丞一は『透明な液体』をコップにすすいで二人に渡した。
「み、水ぅ」
「さ、サンキュウ」
 この時、水だと思い何のラベル化を確認していればあんなことにはならなかったかもしれない。
「それにしても意外だった。お前らがそんなに飲みたがりだったとは。特に妖夢は下戸と聞いてたんだが」
「「(/◎\)ゴクゴクッ…………ん?」」
 そこで初めて二人は丞一が注いだ瓶のラベルを見た。そこには『SPIRYTU alc.96%』と書かれていた。
「その酒ならお前らも満足できるだろ」




「「水じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっぇぇぇぇぇぇ!」」
 


















「…………さて、これでお前のこの世界での役割も終わりだろう。次の世界に行く前に説明しなきゃいけないことがあるんだが、まだベロンベロンだな。まったくあんなにはしゃぐからだ」
「本当なら紫さんか霊夢から説明するところなんだが今回あれと戦ったのが俺ということで俺が説明する。単刀直入に言うとこの世界でのお前の記憶を封印する。これは今回の暴走がイップスの原因になることを避けるためだ。これからもその力は必要になってくるはずだ。必要な時に使えないんじゃ意味がない」
「それとこれは早苗からなんだが、お前の暴走前に戻したといっても完全に戻しきれたわけではなかったらしい。良くて半減らしい。これに関してはすまん。だが、そういうのは大概自分次第っていうのが相場だからな。頑張れよ」
「…………こんなところか。さて、あとは紫さんに任せるよ。まあでもその分だとよって記憶ぶっとんでそうだし何とかなるか。じゃあ、()()な」 
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