仮想空間の歌う少年
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14ー涙
前書き
最終話!
相変わらずの駄文ですが。
それでも問題ないぜ?という方はどうぞ!
ログインするとすでにアスナがコンコンを抱えて、泣き笑いの顔をしていた。
僕はアスナに近寄り、話しかける。
「アスナ…。」
「私は大丈夫…。話すことあるでしょ?」
アスナはそう言って泣き笑いのまま倒れているコンコンから離れる。そして僕はコンコンに近づくとコンコンの頭を僕の膝に乗せる。
「膝枕ってやつですな〜?コンコン?」
「ユキ…。」
今にも消えそうなコンコンの命の炎を消さないため、必死に笑顔を作り軽口を叩きまくる。
「いやはや。彼女いる僕が違う女の子…。彼女でもない女の子に膝枕をしているなんて言ったらシノンさんが後で怖いですな?どう思います?膝枕されているコンコンさん?」
「ふふ…。自業自得…。」
「納得しちゃう僕がいるな。」
僕はははっと乾いた笑いを取ると本題に入る。
「ねえ。コンコン。一つだけ教えて?」
「これからもユキと詩乃さん2人とも仲良くしてくれますか?って詩乃さんに聞いた時の事?」
「先に質問の答えを教えてくれてありがとうございます。」
僕は僕の考えを先読みしたコンコンに感謝しつつ笑う。するとコンコンはニコッとして。
「それはね…。僕は決めていたんだ。」
「え?」
決めていた?いったい何を決めていたんだろう…?僕は不思議に思いながらコンコンの話を聞く。
「僕はね、なんかの奇跡が起きて病気が治ったら絶対にユキに会いに行こうと決めていたんだ。だからVRの世界でも会えた事は本当に嬉しかった。」
「…。」
「だけど。」
そう言ってコンコンは話を続けていく。
「だけど。そんな事をしてしまったらユキにも悲しい思い出を作っちゃうなって。」
「そんな事ない‼︎」
僕は膝枕されているコンコンに叫ぶ。今まで言えなかった本当の僕の思いを。
「楽しかったよ‼︎待合室でトランプした事も‼︎再開した事も‼︎大きな樹の下で話したり戦ったりした事も‼︎みんな楽しかったよ‼︎」
「ユキ…。」
「だから‼︎」
僕は膝枕されているコンコンの手を握って訴えかける。
「そんな悲しい事言わないで‼︎」
その言葉を聞いてコンコンは少しだけ驚いて、僕の目元に手を伸ばす。
「ふふ…。ユキ泣いちゃダメだよ?」
「…泣いてないし。きっとアスナが目元に水を出す魔法をかけてるんだよ。」
「そんな泣き虫ユキに質問…!」
コンコンは笑いながら。僕の訳のわからない言い訳を華麗にスルーして、僕の口元に人差し指を立てると。
「僕の事今でも好き?」
僕はその言葉を聞いてニコッと笑い返すと。今まで溜めていた答えを出す。
「詩乃の次に大好きだよ。」
「そっか…。結局彼女に勝てなかったか…。」
「でも…。」
悲しそうに負けたぜ!という顔をするコンコンに対して僕は言葉を繋げる。
「もし、生まれ変わってまたあったら…恋人になろう?」
そうやって僕は最後にコンコンに静かに唇を合わせる。するとコンコンは驚いた顔をする。
「…詩乃には秘密ね♪」
「化けて出ようかな?『ユキに最期にキスされました』って…。」
僕は肩をすくめて、笑い飛ばす。
「それは怖いですな♪」
コンコンはそれを聞いてニコッとまた笑うと目を閉じる。
「眠くなってきたな…。
おやすみユキ。また会おうね。」
「そうだね。また会おう?コンコン…。
…おやすみ。」
そうして『絶剣』と呼ばれ、ALOの世界を駆け巡ったユウキは僕達とは違う世界へと旅に出た。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そうして紺野木綿季の葬式が行われ、ALO関係者がたくさん集まるというコンコンらしい騒がしい最後になったのだが。
式が終わると担当医だった倉橋先生が僕に手紙を渡してきた。
「…これは?」
「メディキュボイドに入る前に書いて、木綿季君が言っていたんだ。『もし、僕がいなくなったら渡して下さい』っと。
…そして一人で読んで下さいらしいです。」
僕はその手紙を受け取り、今日は内科が休診だという事でバイクで飛ばして雪宮病院の待合室に着くと静かに手紙を開く。
拝啓、ユキ様。
…と硬く書いてみましたが中々僕らしくないので普通に書くね?「最初から書けやーい!」
えっとこれを読んでいるという事は僕はこの世界にはいないだろうね。そして一人寂しく泣いているユキが思い浮かびます。「な、泣いてないし…。目から汗だし。」
さて、これを残したという事はユキに伝えたい事があるんだ。
ユキ、僕はユキの事が大好きです。「…。」
でも、もし僕に再開している時に君に大切な人がもういるかもしれない。その時はおとなしく身を引こう!
だけどユキに再会したら聞きます!『僕の事が好き?』って。その時にいい返事を期待するよ?
まあ、おそらくこれを読んでる頃はその答えが返っていると思うけど。
まあ、いい返事を期待してます!大事な事なので2回言いました!
…また会おうね。ユキ。
親愛なる君の理解者。コンコンより。
「…。」
その手紙の上に僕の涙が落ちる。
「…そっか。この手紙を書いていたという事は…。」
僕に彼女がいる。って言った時にはもう決意していたんだな。
僕は堪えきれなくなって嗚咽が滲み出す。
「本当に…最後まで…読めなかったよ。流石コンコン。」
まあね?
そんなコンコンの愉快そうな声が聞こえた気がした。
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後書き
さあさあ!
次回はなんとオーディナル・スケール編!
アリシゼーションはまだ入りませんw
ではスノーくんの活躍をお見逃しなく!
では次回もよろしくお願いします
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