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レーヴァティン

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第百六十九話 異形の武家その八

「要地であり是非城を築きたかったが」
「野田家ならであります」
「やってくれるか」
「必ず」
「それならいい、しかし野田家は傑物揃いか」
「知略それも奇計に秀でた者が多くであります」
 峰夫は英雄に話した。
「さらにであります」
「それに加えてだな」
「はい」 
 さらにというのだ。
「武勇も持ち忍の術もであります」
「備えたか」
「まさに異能の家であります」
「その家が入ったか」
「そうであります」
「有り難い、ならだ」
「これよりも」
「あの家には働いてもらい」
 そしてというのだ。
「力を貸してもらう」
「そうしていくでありますな」
「有能な人材はだ」
「誰でも使う」
「それが俺の考えだからな」
「身分等についても」
「問わない」
 一切というのだ。
「そしてかつて敵でもな」
「同じでありますな」
「優れているならだ」
 それならというのだ。
「その能力を活かせる場所に置き」
「用いて」
「そして働いてもらってな」
「世界を救うことに役立ってもらうでありますな」
「そうしてもらう、しかし」
「しかしとは」
「野田家は戦は強い様だが」
 それでもというのだ。
「不得手もあるな」
「得手不得手は誰にもあるぜよ」
 当季が笑って言ってきた。
「それは誰でもぜよ」
「そうだな」
「例えばわしに隠密は出来んぜよ」
「お前は目立つからな」
「身体も大きいし隠れるのは大の苦手じゃ」
 それでというのだ。
「それで声も大きい、身なりもぜよ」
「目立つな」
「これだけ目立つんじゃ」
 だからだというのだ。
「それでぜよ」
「確かにお前に隠密は出来ない」
「そうぜよ、まっことじゃ」
「人には向き不向きがあってな」
「得手不得手があるぜよ」
 どうしてもというのだ、人は完璧な存在ではなくどうしても得手不得手が存在しているというのだ。
「それでぜよ」
「野田家の者達もな」
「それぞれじゃ」
「得手不得手がある」
「そうぜよ」
 まさにというのだ。
「そこはわかっておくことぜよ」
「その通りだな」
「それぞれ武略、知略とじゃ」
「奇略を得手としててな」
「縄張りもぜよ」
 城のそれもというのだ。
「得意な人がいてじゃ」
「そうしてだな」
「こっちもそのことを理解して」
 そうしてというのだ。 
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