八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百八十二話 魔女その一
第二百八十二話 魔女
カレーの食堂を出てだった、僕は詩織さんそして香織さんと一緒に八条荘への帰路についていた。その中で。
ふとだ、詩織さんは博物館の方を指差して僕に言ってきた。
「あそこ見て」
「どうしたのかな」
「ほら、あそこに見える人」
その博物館の方にというのだ。
「まさか」
「あれば」
見れば緑と白の暖かそうな服を着た白いお鬚のお年寄りの人だ、僕はその人を見てから詩織さんに話した。
「サンタさんだよ」
「そうよね」
「何かね」
「何か?」
「あのサンタさん何かね」
その緑の服のサンタさんを見て言うのだった。
「違うわね」
「赤と白のサンタさんもいればね」
僕はその詩織さんに話した。
「ああしたね」
「緑と白のサンタさんもいるのよね」
「国によってはね」
「赤とは限らないのよね」
「うん、他には青のサンタさんもいたね」
確かだ。
「それでね」
「緑のサンタさんもいるのね」
「うん、ただね」
「今度はどうしたの?」
「いや、この学校サンタさんもいたんだ」
僕はこのことについて言った。
「そうだったんだ」
「この学園って妖怪や妖精のお話が多いわね」
香織さんも言ってきた。
「そうよね」
「幽霊も多いよね」
「もう何十もあるわね」
「絶対に百超えてるよ」
俗にこうした話は七不思議と呼ばれるけれどだ。
「保育所から大学まで入れてね」
「それ位あるわね」
「うん、それでもね」
「サンタさんはなのね」
「いるとは聞いてなかったよ」
少なくとも僕は知らなかった。
「けれどいるんだね」
「そうみたいね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「サンタさんがいても不思議じゃないね」
この学園にだ。
「ここは色々な妖怪や妖精、幽霊がいる学園でね」
「いい妖怪がいるのよね」
「妖精でも幽霊でもね」
「悪い妖怪はいないのね」
「一説ではね」
僕が聞いた限りではだ。
「この学園結界があって」
「それでなの」
「悪い妖怪とかが出入りしたり生まれることはね」
「ないのね」
「色々な宗教の結界があるらしいんだ」
これも聞いた限りではだ。
「それでね」
「悪い妖怪とかはいないのね」
「そうみたいだよ」
「だからサンタさんもいるのね」
「うん、ただサンタさんといってもね」
ここで僕はこの人についてさらに話した。
「一人じゃないみたいだね」
「まあ一人で世界中回るとか無理よね」
「それもクリスマスの夜だけで」
香織さんも詩織さんも僕のその言葉に頷いた。
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