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ドリトル先生の野球

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第九幕その八

「だからね」
「それでだよね」
「スポーツの実況も注意が必要なんだ」
「そうなんだね」
「これがね、しかしね」
 また言う先生でした。
「スポーツの実況も今ではネットで観られるね」
「そうそう」
「野球だったら全球団ね」
「シーズン中はいつも実況してるわ」
「昔の日本はとにかく巨人だけだったけれど」
「それが変わって」
「ネットじゃ全球団だからいいんだ」
「そうだよ、そう出来るのがね」
 実際にというのです。
「ネットのいいところだよ」
「何ていうかね」
「もう日本でテレビは役割を終えているんだ」
「そうなんだね」
「そしてネットがあって」
「それでだね」
「そう、だからね」
 その為にというのです。
「テレビは観なくても充分やっていけるんだ」
「むしろ観たら駄目ね」
「そうしたら」
「むしろ」
「その方がいいね」
「特に酷いのは何といっても」
 それはといいますと。
「平日の夜にやっているニュース番組だね」
「ああ、評判悪い番組があるね」
「昔から風評被害とか起こしてる」
「そうした番組があるね」
「そうだよ、ある農家の人達のダイオキシンの誤報を流したけれど」
 それでもというのです。
「日本や日本人にいつも謝罪しろとか言うのに」
「自分はだね」
「違うんだね」
「そうなんだ」
「何故日本や日本人にいつも謝罪しろと言えるか」
 その理由もお話する先生でした。
「それは自分のことじゃないからだよ」
「あれっ、じゃあその人日本人じゃないんだ」
「国籍日本だよね」
「じゃあその人何者?」
「一体全体」
「地球市民かな、そんなものはまだ存在しないと思うけれど」
 先生は首を傾げさせつつ言いました。
「とにかく自分は謝る話じゃないから」
「そう言えるんだ」
「日本や日本人には」
「それが出来るんだ」
「それで自分がその報道で謝罪することになったら」
 その時はどうかといいますと。
「頬杖を突いて謝罪したんだよ」
「それ謝罪じゃないじゃない」
「報道で農家の人達がどれだけ迷惑したと思ってるの?」
「よくそんな謝罪出来るね」
「酷いなんてものじゃないよ」
「他にはあるニュースを挙げて日本の株価は下がると楽しそうに言ったこともあるよ」
 そうしたこともあったというのです。
「流石にこの人はもう表舞台には殆ど出て来ていないけれど」
「出て来れなくなった?」
「その番組で色々悪いことして」
「そのせいでね」
「そうなったのかな」
「僕もそうだと思うよ、ネットではその発言や行動がいつも槍玉にあげられていたから」
 だからだというのです。 
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