SAO<風を操る剣士>
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第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第三章 成長
第20話 トーナメント開始…そして終了
前書き
もう少し早く投稿しようと思ったら、書き終わった後に間違えて消してしまい、凄くショックでした…
なので少しザツかも? です。
※現在1話から順々に話の書き方を修正中です。
修正といっても話の内容を変えるわけではないのでそのまま読み進めても大丈夫です。
前書きに『■』←このマークがあれば修正完了で、『□』←このマークがある場合修正中、なければ修正前ということでよろしくお願いします。
まず始めに、これだけは言っておこう。今、外に向かって歩いている俺の隣にいるシリカは、かなりの人気者だ。
前にアルゴに聞いた話だと《竜使いシリカ》って呼ばれて、かなりのファンもいるらしい。
シリカは知らないだろうけどな…
なので前にそのファンが、急に『お兄さん! あなたに勝ったらシリカちゃんを僕のパーティーに入れさせて下さい!』と言わて、俺に突然試合を申し込まれたことがある。
もちろん圧勝だったのだが…
しかし、そのお陰で元から流れていた『《竜使いシリカ》には《ビーター》の兄がいる!』という噂に、『その兄はシスコンで、竜使いを他のパーティーには入れない!』なんて噂が、アルゴに聞く限り追加されてしまったらしい…
そりゃ、『兄がいる!』なんて噂の発端は、俺が自分で第一層で作ったのだか…
シスコンっていうのは、いくらなんでも酷いぞ!
…まぁそんなわけで、シリカには今回あまり《竜使いシリカ》だとバレて欲しくない。
なぜなら俺がリズに返すお金は、リズが俺に賭けて増えたお金らしいからだ。
なにもそんな、めんどくさい事し無くてもいいのに……
と思うが、乗りかかった船だしょうがない。賞金もあるしな。
なのでシリカには、使い魔であるピナにお願いしてもらう為に『ピナにこのカジノの天井近くに飛んでいるようにいってくれないかな?』と、シリカにお願いした。
この天井の高いカジノなら、何かない限りバレないだろう。
もしシリカが《竜使いシリカ》だとバレて、そのオマケとして俺もバレるかもしれないからな。
俺も一応、未だに使っていて凄く目立つ《レッサーコート+10》を脱いだ。
そしてピナが観客にバレないように飛び上がるのを見ながら、外に出た俺はその違いように驚いた。
なにが違うかというと、まず真ん中にデカイ階段付きの円柱がある。
他にも、他の賭け事に使う台などが退かされて、客席が出来ている。
そんな違いを見ながら階段を登り、他の参加者と一緒に円を囲うように並ぶ……どうやら俺達が最後だったみたいだ。
……という事は、参加者は全部で俺を含めて76人か…
そしてそのまま立って数分が経ち、賭ける為の受付が終了したらしい。
…でもまぁ、さっき外に出る時に『子供だ…』『あの子達に賭けるのはちょっと』とかそんな声が聞こえたので、俺とシリカに賭けた人はほとんどいないだろう。
そして受付が終わったので、いよいよ番号の1番から二人ずつ前に円の中央にある向かい合った台に向かい始める。台は向かい合ってるので、参加者は1mくらいの間隔で背中を向け合っている。
しばらく見ていて、やっと俺とシリカの番が回ってきた。
なので俺達は台の前に向かい立つと、観客達が、
「速く終わらせろ~」「せいぜい頑張れよ~」
などと、言ってきた。
「…シュウさん」
台の間隔を少し狭くして話しかけてきたシリカの声には、明らかに苛立ちが混じっている。……流石にシリカも腹が立ったらしい…
「シリカ、優勝してあいつらギャフンと言わせるぞ」
「分かりました!」
そんな話し合いをして、やる気十分! という状態になった俺達は、ウインドウからこのトーナメント用のストレージに入っている武器を出そうとした……のだか…
………は?
と、思うの当然、だってストレージから出てきたのは…
………一枚の…『紙』だった…
「おい、マジかよ…」
俺は『なんかのバグか?』とも思ったが、念のため出てきた紙を読んで見ると
『あなたはレベルが高すぎる為、武器をお渡しする事が出来ません』と、書かれていた。
「シュ、シュウさん、どうしましょう…武器がありません」
後ろからシリカの慌てた声が聞こえる。観客達も、
「なんだ?」「武器が無いのか?」
なんて言って、どうしたのかと騒いでいた。
……落ち着け、落ち着いて考えろ俺…確かに予想外の事で驚きはしたが良く考えてみろ……武器が無いって事は、素手で攻撃しなくちゃいけない…そんな事、できる訳……あれ? もしかして……これチャンスかも!
「落ち着けシリカ、これはチャンスだ!」
「へ!? チャンス?」
「ああ。もしこれで俺達の熟練度の上げていない武器がきたら最悪だったが、素手なら《体術》のスキルが使える!」
「!!」
俺の言葉を聞き、シリカが『忘れてた…』みたいな顔になる。
実際、俺も少しの間忘れてたよ。もう何回も使ってるのにな…
そして俺達は、気を取り直して再度、台に攻撃をした。
「………ッフ!!」
俺は《体術》スキルの《閃打》を、《体重移動》の3割程乗せて放った。
《体重移動》を使うのは大人気ないと思うが、俺は《ビーター》なのだ。
ずるいだとか、ずるくないとか、そういう事を言ってられない。
他にも壁役達には、《筋力値》がまだ負けている、という理由もある…
『まだ』というのは、…最近、俺の戦闘スタイルが変わって、ステータスが《筋力値》の方が高くなってきたからだ。
なぜかというと、《値移行》を使いこなせるようになってきて、《敏捷力》を上げなくても速く動けるようになってきたたから……と、いうのが理由だ。
なので攻撃力を増やす為、最近は《筋力値》の方が6割ほどとなっている。いずれは8割くらいになっているかもな…
シリカも慣れてきた為か、《筋力値》を上げ始めている。……まだ5割程度だけどな…
そして攻撃が終わり、観客に見やすいようにある大型空中ディスプレイに、俺のスコアが表示される。……『679』か…
隣にシリカの表示も現れスコアは……『628』…どうやらシリカも《体重移動》を使ったようだ。
現在のトップのスコアが『518』なので、俺とシリカが1位と2位という事だ。
「やったな!」
「はい!」
俺とシリカは、『なんだ、あのスコア!? 』『何者だ!? あいつら!』と言って驚く観客を見て、思わずハイタッチをして喜んでしまった。……流石に観客に失礼だったかな?
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トーナメントは、公平にするために予選で順位の低いプレイヤーから、1位と2位は1回、3~5位が2回、6位~8位が3回、といった攻撃の回数の合計で勝負が決まる。
まぁ、こんな説明をした所で《体重移動》を使う俺達に敵う者は居らず、結局俺とシリカでの決勝戦となった。
お金を賭けていた人達は勝負に負けて、ほとんどが本当の観客になっている。
俺とシリカは、多くの観客となった人達に見られながら、お互いに背中を向け合っていた。
「そういえば、シュウさんと戦うのって、これが初めてですね」
「そういえばそうだな。今度、試合でもするか?」
「…考えておきます。まぁ戦ったら絶対にあたしの負けでしょうけど…」
「分からないぞ。けど、一応プライドがあるから簡単には負けないけどな」
シリカに負けない、っていうプライドな。シリカには悪いけど俺も男だから、女の子に負けたくわないんだよ。…ごめんな。
だから、この戦いも全力のシリカに勝つ!
「シリカ、手加減なんてしなくていいからな」
「…それなら大丈夫です。あたしも今、『手加減しないで下さい』って言うところでしたから」
そりゃあ、気の合うな…
俺とシリカはその会話を最後にして、攻撃の為に集中し始めた。……そして俺は、
「うぉーー!!」
《体術》スキル、重攻撃の単発突き《メテオ・ストライク》のモーションに入った。
モーションに入った俺は、前に向かって蹴ろうとする左足に《ソードスキルのブ-スト》と同じ原理で、《値移行》を加える。そして、その速さを残したまま、突きを出す右腕に全力の《体重移動》を乗せる。これによって俺のとんでもない速さ+重さ=力となり、台にダメージを与える。
この俺のダメージがスコアとなって、ディスプレイに現れた……見てみると『1342』だった。
そして、少し後に出たシリカのスコアを見ると……『1269』…なんとか勝った!
「あ~あ、負けちゃいましいたね」
「いや、ここまで接戦になるとは思ってなかったよ。奥の手を使ったんだけどな~」
シリカの悔しそうなが聞こえたので、俺は振り返りシリカに言った。
…そしたらシリカは、
「それは、ずるいかもしれないですけど、シュウさんのを見た後に攻撃を始めたんです。『シュウさんなら何かあるんじゃないかな?』って思って」
「え!? もしかして見ただけであれを使えたのか!?」
「へ? やってみると以外に簡単だったじゃないですか」
…まぁ確かにこの方法は俺も一回で出来たが、やり方を見ただけで分かったシリカは十分凄いよ…
そんな、シリカの凄さに驚いたりしたトーナメントは、俺の優勝で終わった。
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「いや~凄かったわね。あんた達」
「あ! リズさん!」
俺とシリカが、やっと賞金のコルの受け渡しが終わり、受け渡された部屋から出たらリズがいた。
「約束通り、優勝したぞ」
「そのことなんだけど……ごめん!」
「は?」
俺が嫌味を一つでも言ってやろうと思い、言ったら突然、リズが俺達に向かって謝ってきた。
「あたし、あんた達を利用した!」
「……どういう事だ?」
その後リズの理由を聞くと、
お客の剣を失敗で壊してしまったらしい。しかもそれは、結構価値のある剣だった。
なので、その剣の弁償の求めてきたお客の為に、今まで貯めてきたコルを払った。
そして払ってしまったコルを、また貯め始める前に気分転換も兼ねてこのカジノに来た。
そこのカジノで偶然、トーナメントの事を知った後に<竜使いシリカ>を見つけて、一緒にいた俺を見て第一層の時の事を思い出した。
あとは、自分で出るよりも俺達が出た方が優勝しやすいと思い、俺達に声をかけた。
でもやっぱり悪いと思い、今にいたる…
「…っと、そういうことだな」
「………ゴメン……なんでこんな事したのか自分でも分からない…」
…本当に落ち込んでるな……俺、女の子のこういう顔に弱いのかな?
「……はぁ~、すんでしまった事は仕方ない。許すよ、な? シリカ」
「そうですよ。リズさんも反省してますし」
「あんた達……ありがとう!」
俺達の言葉に嬉しそうに喜ぶリズ……こんなリズに言うのはイヤだけど…
「ただし!」
「な、なによ」
「武器の強化をちゃんとしてくれ。…それだけだ」
「な、なんだぁ。そんな事ならあんた達には、毎回サービスしてやってあげるわよ。今回の賭けで凄く儲かっちゃったしね」
毎回サービスか~、それは助かるが……いったい、いくら稼いだのだろう…?
「あ! リズさん。あたしからも良いですか?」
「ん? なに?」
俺がリズがいくら稼いだのが聞こうと思って、『いくら稼いだんだ?』と、言おうとする少し前に、シリカがリズに聞いた。
「あの…あたしと友達になってくれませんか?」
「え!? そんなことで良いの!?」
「はい。このSAOに入ってから、同姓の友達が少なくて…」
「…そんなんだったら、いつでもOKよ」
こうしてリズとシリカはフレンド登録をした。(ついでに俺もした)
新しい友達が出来たシリカは、本当に嬉しそうだった…
ちなみに、宿に帰った後でリズから『あんた達兄妹、今日は本当に凄かったわよ』とメッセージが届いた。
どうやら、アスナ同様にリズも勘違いをしているらしいな…
でもまぁ、シリカの事を見て俺達にトーナメントを参加させるよう考えたんなら、噂を知ってても可笑しくは無い。むしろ、シリカの事を知らないでお願いする方が可笑しい。
しかし噂を知っていたという事は、あの追加された噂も知っている可能性があるわけで…知っていたらどう説明すれば……
と色々考えた結果、俺は『暫くはこのままでも良いかな』とシリカに聞いて、『大丈夫ですよ』とシリカが返事を返してくれたので、
(その内誤解が解ける時が来るだろう)と、前向きに考えることにした。
その後、『ありがとう』とメッセージをリズに送り返し、今日は疲れたので早めに眠りについた。
後書き
感想や間違いがあったら、言ってください。
来年もよろしくお願いします!
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