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SAO<風を操る剣士>

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第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第三章 成長
  第19話 控え室にて

 
前書き
二週間ほど、更新できずにすいませんでした!
自分の小説の書き方を変えようとしていたら、いつの間にかこんなに時間が…
あと、これは前話の前書きを読んでいない人がいた時の為に書いておきます。
『自分で、どの話がどれだったのか分からなくなってきたので、各話にタイトルを付けました。
タイトルには自信がまったくありませんが、頑張って考えたいと思います。』
↑『』は前話のコピーです。

※現在1話から順々に話の書き方を修正中です。
修正といっても話の内容を変えるわけではないのでそのまま読み進めても大丈夫です。
前書きに『■』←このマークがあれば修正完了で、『□』←このマークがある場合修正中、なければ修正前ということでよろしくお願いします。 

 



「あの~あたしたち、トーナメントに出たいんですけど、いいですか?」
 予選受付のNPCの女性に、トーナメントに出るためにシリカが聞いた。
「はい。ではお二人とも、こちらに手を置いて下さい」
 俺はNPCが出してきた、手の平のマークの付いた板らしき物に、シリカと一緒に手を置く。
 多分これで、俺やシリカのレベルや《筋力値》などを調べているのだろう。

「もういいですよ。では、こちらをお持ち下さい」
 そう言ってNPCが俺達の前に、番号の書かれた首にかけるプレートを出してきた。
「ありがとうございます」
「あと15分ほどしましたら、受付を終わりにして番号を呼び始めますので、その番号が呼ばれるまで控え室で待っていて下さい……あと、こちらがルールとなります。始まるまでに、お読みになって下さい」
「はい、分かりました」
 俺がシリカの分を含めて二人分のプレートを受け取ると、受付の人がさらに詳しい説明と、このトーナメントのルールが書かれている(であろう)紙を出してきたので、それも俺は受け取っておく。
 そして俺とシリカは、NPCが控え室だという方へ向かって行った。



「ほらシリカ、これシリカのプレートだ」
 NPCに言われた入り口を入ると長い廊下になっていて、奥に控え室の入り口らしきドアが見えた。
 なので、俺は控え室に向かって歩いている間にシリカにプレートを渡す事にした。
「ありがとうございます。えっとあたしは…75番ですか」
「ああ、ちなみに俺は76番な」
「同じ時間に受付したらそうなりますよ……というか、あたしが75番ということは、シュウさんとあたしの他にも少なくとも74人はいる、って事ですよね?」
「普通に考えれば、そういうことだな」
「はぁ~…あたし、こんな大勢の中で勝てるのかな…」
 シリカが俺の隣を歩きながらため息をこぼし、不安そうな声で(ひと)(ごと)を言った。
 その独り言は、俺に聞こえないに言ったのだろうが……残念だけど聞こえちゃったぞ、シリカ…

「…シリカ、そんな心配するなよ」
「え!? も、もしかして聞こえました!?」
 俺はさっきのシリカの独り言を聞いてないフリをしようとも考えた………のだか、不安そうなシリカを見ていたら、自分でも驚くほど無意識にそんな台詞(せりふ)が口から出てしまっていた。
 シリカも、俺の突然の言葉に驚いている。
 そりゃ、聞こえないように言った言葉に返事が返ってきたら、誰だって驚くよな…
 でもまぁ無意識とはいえ、返事をしたんだから最後まで言葉は続けなきゃ、シリカに悪いよな…

「その…ごめん、聞こえた……でもさ、もう一回言うけどシリカのレベルと《筋力値》なら、大抵(たいてい)のプレイヤーになんて負けないって」
「…そうでしょうか」
「ああ、今まで上層プレイヤーとしか戦ってないから分からないかもだけど…『シリカは簡単には負けない』…この事に関しては、俺が保障(ほしょう)するよ。だから頑張れろうぜ!」
「…ありがとうございます、シュウさん。そうですよね、頑張ってみないと分かりませんよね! あたし、頑張ってみます!」
「ああ、その意気(いき)だ! まぁ、シリカは優勝しなくても大丈夫だけどな…」

 どうやら、シリカはやる気になってくれたらしい…
 でも、リズ…だっけ?
 あの子にお金返すのに、冷静(れいせい)になってみれば俺が最後にシリカに言ったように、シリカがこのトーナメントに出る必要は無かった。
 でも、シリカは俺の言葉を聞いて、
「そりゃあ、()()きで出ることになりましたけど、出るからには勝ちたいじゃないですか!」
 と、こんな風にやる気いっぱいで返事を返してくれた。
「…そうだよな。やる気を(うしな)わせるような事言って、悪かったな」
「いえ、大丈夫ですよ」
「そうか? まぁ、いいなら良かったよ……そ、それより、そろそろ入るか」
「そ、そうですね」
 シリカに『大丈夫』と言われて安心した為か話が終わった為か分からないが、さっきから俺達は扉の前にずいぶん前から着いていた事に今、気が付いた。
 よくよく考えたらドアの前で入らずにずっと話してる俺たちって、かなりの変人に見えるよな…
 シリカも同じ事を思ったのか、少し顔を赤くして(うつむ)いて、ドアを開けて入る俺に付いてきた。

 多分シリカもだろうが…俺はこの時ほど『ドアをノックしなきゃ外の声が聞こえない』という、SAOのシステムに感謝した事はなかった。



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 このトーナメントのルールは(いた)って簡単だ。
 まず、1番から順番に一人ずつ外に出る。そこで観客が、出てきた出場者の誰が勝つかを当てるために、選手の見た目などで判断して『こいつなら優勝できそうだな…』っていうプレイヤーを決める。
 この俺たちが外に出る時に観客は、出場者のレベルや《筋力値》は知らせていないし、俺たち出場者も武器を持たずに出なければならない。
 なので観客は、本当に感や見た目だけで決める事になる。っと、いう事だ。
 まぁ、大抵《筋力値》をあげてるのは、壁役(タンク)や鍛冶屋なので、見た目で分かるのだが…

 そして、観客のみんなが賭けを終わった後、俺たちはすぐにその場でレベルなどに合った武器が渡される。
 もうこの時点で賭けられなくなってるので、出場者に渡された武器を見てから賭けている出場者を、他の出場者に替えることは出来ないらしい…
 で、武器を渡された俺たちは、また1番から順番に二人ずつ攻撃を(おこな)い、上位8人が予選を突破(とっぱ)できる。


「はい。以上(いじょう)、簡単なルール説明な」
 と、シリカにNPCから渡された紙を見て、控え室で待っている間、簡単なルール説明をしたのだが……もちろん、他にも出場するプレイヤーはいるので、部屋の奥の邪魔(じゃま)にならない所で小声で話している。
「ちょっと、簡単で省略(しょうりゃく)しすぎじゃないですか!?」
 などと、小声ながらも分かるくらいに、驚かれてしまった。
 そんな事言われてもな~、本当に書かれてるの大体こんなもんだし…
「いや、本当にこんな感じだって。ほら、シリカも読んでみなよ」
「え~と、なになに…」
 シリカは、俺がシリカの前に出された紙を受け取り、少しその紙を見た後…
「……本当だ…」
 と、まだ信じられないのか、紙を(いま)だに見つめながら呟いた。

「ほら、説明した通りだろ」
「そうですね。……あ! でも、賞金についての説明はしてくれてませんよ?」
「は? そんな事、書いてあった?」
「はい。ここに」
 シリカに言われて、シリカが指で教えてくれている場所を読むと……確かに書かれていた。
 ……気づかなかった。
「本当に書いてあったな…」
「気づかなかったんですか!?」
「…はい。…ちゃんと読まないで説明して、すいませんでした!」
「いや、全然気にしてないから謝らないで下さい! あと読んでないなら、紙返(かみかえ)します!」
 俺はシリカの返してくれた紙を取り、再度読むことにした。
 え~と……なに! [優勝賞金:2万コル]…だと!!
 ………いかん、少し興奮してしまった…

 2万コル…それは、結構な額のお金だ。例えるなら、攻略組が一人で死ぬ気でモンスターを倒しても、一週間以上かかるほどだ。
 俺も何度かクエスト(主に緊急クエスト)で手に入れたこともあるが、生きた心地がしなかったしな…
 ちなみに、クエストで稼いだコルは(ほとん)ど、武器の強化やなどに使ってしまった為、食べ物を買ったりなど、このSAOでの数少ない娯楽(ごらく)に、ぜんぜん使ったことが無かった。 
 まぁ、俺はお金は困っていない……だけど! ヘソクリや食べ物、その他色々に出来るのは事実!
 それが命のかからないカジノで手に入るんだから、他のプレイヤーも参加するわな。
 こりゃ、リズの謝罪(しゃざい)の為だけじゃなく、本気で優勝狙うとするか。

「シュウさん? どうしたんですか、ボーとして?」
「ん~…いや、この賞金はすごいな~、って思ってね」
「ええ、確かにこの額は凄いですよね」
「これだけの額じゃ、この出場者の数も納得だな………ん?」
 あれ? 今、シリカと話をしていて、ふと思ったんだが…
「なぁ、シリカ」
「なんですか?」
「リズって、鍛冶屋だろ? って事は《筋力値》が高くてもいいはずなのに、なんであいつ自分でトーナメントに出ないんだ?」
 そりゃあ、《筋力値》をあまり上げない鍛冶屋もいるが…

「う~ん、賞金が多く貰える…とかですかね?」
「いや、それは無いだろ。[2位:1万コル 3位:5000コル]だからな」
 賭けの方の貰えるコルも、一人選んだ選手が当たった場合[賭けられた金額÷賭けた人数]との事だ。
 例にするなら、
『賭ける人:5人 一人の賭けた平均:1000コル 優勝者に賭けていた人数:2人 では、
 1000×5÷2=2500コルとなり、2500コルを二人が貰える』
 と、なるわけだ。

 だから、いくら何でも2万コルを越えるとは思えないんだよな……当てる方が自信あったのかな?
「う~ん、考えるだけ分からないし…とりあえず終わったら聞いてみるか」
「そうですね」
『それでは選手の皆さん、そろそろ呼ばれますので準備をして下さい』
 俺が考えるのをやめて、シリカが俺の言葉に返事をしてすぐに、さっきのNPCの声が聞こえた。

 俺たちは、その後しばらくまた呼ばれるまで、少し話などをいた。……そして、
『では、75番、76番の(かた)…出てきてください』
 と、俺たちがついに呼ばれた。

 さてと……いっちょ頑張りますか!






 
 

 
後書き
この話から、書き方を少し変えたのですがどうですか?
まぁ、(あま)()からないと思いますが…
その事に関してや、間違えなどあったらよろしくお願いします!
追伸:計算の部分が間違っていたので直しました。 
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