レーヴァティン
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第百六十四話 幕臣その四
「造らせる、米から造る酒ばかりだけでなくな」
「葡萄等からもですね」
「造らせて民達にな」
「広く飲ませますか」
「そうして銭を動かして酒からも産業をな」
これをというのだ。
「興す」
「とかく国を豊かにすることですね」
「それが大事だ」
今はというのだ。
「だからお前達にもな」
「その為の政をですね」
「してもらう」
是非にという言葉だった。
「いいな」
「それでは」
吹石も頷いた、そしてだった。
英雄は今度は寺社奉行の御坂に対して言った。
「寺社のことだが」
「はい、檀家をもうけ」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「いいな」
「そこからですね」
「人の数もな」
「把握していきますね」
「そして寺社に兵はな」
「持たせない様にする」
「また荘園もな」
これもというのだ。
「ない様にする、領地は全てだ」
「幕府のものにしますね」
「そうしていく、この政をな」
「進めていきますか」
「これからもな、そしてだ」
「寺社も統制していきますか」
「あらゆる教えもな、あと耶蘇教も入ってきているが」
英雄はこの宗教の話もした。
「信仰は認めているが」
「あの教えの者達も」
「この浮島にある限りはな」
それならばというのだ。
「幕府に従ってもらう」
「そのことは絶対ですね」
「そうだ、幕府に従わず教会に従うなら」
「信仰は許せない」
「絶対にな」
「幕府に従わないなら」
「信仰は認められない」
こう言うのだった。
「勝手をされては困る」
「例え他の場所からの教えでも」
「幕府の法に従ってもらう」
「その中での信仰ですね」
「西の浮島には奴隷もあって耶蘇教でも使う場合があるそうだが」
「この浮島の民は奴隷にはさせない」
「絶対にだ」
そこは何としてもというのだ。
「この浮島に奴隷はいないしな」
「制としてもありませぬ」
「ならば」
何があってもというのだ。
「それはさせない」
「若し耶蘇教の坊主がそれをしていれば」
「その坊主は罰する」
「法に逆らったということで」
「そうする」
「そのこともですな」
「守らせる、とかく法はだ」
それはというのだ。
「他の浮島から来た者もな」
「守らせますか」
「耶蘇教の者達もな」
今話している彼等もというのだ。
「そうしていく、耶蘇教の者が罪を犯せば」
「容赦なく」
「仏教や神道の者と同じだ」
「罰するのですね」
「法は法だ」
絶対、そうした言葉だった。
「だからな」
「この浮島で起こったことなら」
「教会、バチカンが何を言ってもな」
「こちらでしますか」
「そうだ、そもそも文句を言ってきてもな」
バチカンの方がというのだ。
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