俺が魔王の息子ってマジですか!?
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
14話 ベルと高校生 中
ー男鹿辰巳ー
「古市。どうするよ、コレ……」
「どうするもないだろ、警察に言って何とかしてもらうしか……」
「ダ?」
俺は今、非常に困っている。
中学からのダチである、古市と川原でコロッケを食べているとおっさんが
川から這い出てきて、割れたのだ。
そして、ありえない事に中から緑髪の赤ん坊が出て来て現在に至る。
ちなみに、おっさんは転送!!とか言って川にダイブして消えた。
なんなんだよ、まったく。
「それにしても、ふてぶてしい顔してるな。この赤ん坊。まるでちっこい男鹿を
見てるようだ……」
「あん?俺はもっとイケメンだぞ?こんなふてぶてしい顔してねーよ。」
「アウ?」
アホな事を言う古市を軽く睨み、不思議そうにこっちを見ているガキを抱きかかえる。
さっさと、警察に届けて帰るか。
そう思いながら、立ち上がると……。
「ハロー、男鹿ー。ちょっと顔かせや」
「おいおい、アレ見ろよ。」
「赤ん坊?男鹿のガキか?」
不良が三人現れた。
まったく、面倒だな……。
「行くぞゴラーー!!」
「死ねや、男鹿ーー!!
「ぶっ殺してやんよ!!」
襲ってくる三人組。
俺は、素早く近づいて三人の腹に拳を叩き込む。
すると、奴らは膝を折り腹を抱えてうずくまる。
まるで土下座をしているようだ。
「男鹿……ぜってー殺す」
「悪魔め……」
「人でなし……」
ボコ!
「へぶ!!」
ドカ!
「がは!」
バキ!
「だは!!」
土下座をしている三人から幻聴が聞こえたため
頭の上から殴ったり蹴ったりして地面とキスさせてやった。
すると、どうだろう。とても静かになった。
「おまえ、本当に酷いな……」
「何、言ってんだ古市。俺は掃除しただけだぜ?
だいたい「ダブーー!」……ん?」
変な言いがかりをつけてくる古市と会話をしていると、抱えていた赤ん坊が雄たけびを上げて
喜んだ。
あれが面白かったのか?
よし!
ふみふみ
「ダーーー!ダブブー!!」
「何してんだ、お前は!!?」
とりあえず、動かなくなった不良の頭をふみふみ踏んでみると、予想通り赤ん坊は喜びまくった。
本当に何なんだ?このガキは……。
腕の中ではしゃぎまくるガキを見る。
「男鹿!さっさと交番に行くぞ。」
「ああ」
いや、気にする必要はない。
警察に任せばいいんだ。
スタスタと歩いていく古市の横を歩く。
さっさと渡して、家に帰ってゲームでも……。
ん?
「ベルゼ様を放せ、下郎」
「あん?」
突然、目の前に傘を持つ金髪女が現れた。
ベルゼって誰だ?
つーか下郎って何だ?うまいのか?
「おい、聞いているのか?クソ虫」
「何だと、ゴラァ!?」
「さー、坊ちゃま。ヒルダがお迎えにきましたよー。」
女は言うだけ言って、無視してきやがった。
何なんだ、こいつは!?
「アブ」
「ぼ、坊ちゃま?」
女は赤ん坊に腕を伸ばすが拒否される。
ざまぁ。
「ぼ、坊ちゃま。さあ、ヒルダと行きましょう。紅蓮様も待っていますよ」
「ブイ」
「ハハハー、どうやら行きたくなさそうですなー?」
拒否される女を見て愉快な気持ちになる。
無視した罰だ。
俺は、ニヤニヤしながら慌てる女の観賞を続ける。
「男鹿、保護者みたいだからさっさと返したほうが……」
「びえぇぇえええええ!!」
「「「ぎゃぁああああああああ!!!」」」
数十分後。
赤ん坊の電気ショックにより黒こげになった俺達三人は、近くの喫茶店で話し合いを
する事にした。
「私、坊ちゃまの世話をしている侍女悪魔。ヒルデガルダと申します。」
「「悪魔……」」
「そして、そのお方は大魔王様の息子にして、魔界最強である我が主の弟君であらせられる
魔王でございます」
「「魔界最強……魔王!」」
やベーよ、なんだよこの女。ともかくやべーよ。
きっと薬やってるよ。
注文したコーヒーを飲みながら淡々と喋る女を見て、俺と古市はドン引きしていた。
「後、大魔王様は仰いました」
説明中(10話 人間界へ脱走します。参照)
((大魔王適当すぎるだろ……))
「と、言うわけで。貴方はベルゼ様に選ばれた……魔王の親です」
「ふざけんな……」
魔王?親?何言ってんだこの女。
ふざけるのも大概にしろよ!
俺は女を睨みつけながら怒りをぶつけた。
「誰が親なんかやるか!さっさと帰りやがれ!!」
「つまり、親にはならないと?」
「当たり前だ、クソ女!!」
「……そうですか」
ゾワ!!
俺が悪口を言った瞬間。
女は笑顔になって、漫画なんかに出てきそうな黒いオーラを放出しはじめた。
あれ?もしかしてかなりヤバイ?
軽く後悔していると、女は傘から剣?を取り出した。
「え?なんかの撮影?」
「でもやばくない?」
「ママ、オーラが出てるよ!」
俺達以外の客が女を見て、騒ぎ始めたがそれどころじゃない。
これは本当に……。
「では……死ね」
ドッカァアアアアン!!
「ギャァァァアァアアアアア!!!」
「だぁあああああああ!!」
ヤバイ。
オーラを出しながら喫茶店を破壊しながら襲ってくる女に恐怖を覚えた俺達は
近くにある割れた窓から脱出を試みた。
十分後。
「もう、逃げ場はない。悪魔から逃げきるなんて思うなよ」
「ふざけんな!誰がお前なんかに殺されるか!!」
喫茶店から逃走する事に成功した俺と古市だったか、ついに女の追い詰められてしまう。
強がりを言ってみたが、やべぇなこりゃ。
冷や汗をかいていると、頬から何か垂れるのを感じた。
なんだ?
手で頬を触ってみると、血が付いていた。
おそらく、逃走中に切ったのだろう。
って!そんなこと気にしている場合じゃねぇ!!
「死ね!」
「びえぇぇぇええええええええ!!」
飛び掛ってくる女から逃げようとするが、逃走中から背中に張り付いていた
魔王のガキが泣き出し、俺は意識を失った。
ー古市ー
赤ん坊の泣き声と共に吹き飛ばされた、俺と悪魔の女性。
一体何があったんだ!?
「びぇええええええええ!!」
バチバチ!
泣き声のする方向に顔を向けると、大量の電気が赤ん坊を中心に発生していた……
電撃で気絶している、男鹿の背中に張り付いて。
「ちょっと!やばくないっスか!?保護者なら止めてくださいよ!!」
隣に近くに突っ立っていた悪魔の女性に止めるよう懇願する俺。
このままだと確実に男鹿が死ぬ!つーか最悪場合もう死んでるーー!
しかし……。
「無理です。あのような大泣き、大魔王様か紅蓮様にしか……」
「マジですか!?」
どうやら、この人でも無理らしい。
やべーよ!このままだと男鹿死ぬよ!
悪魔の女性から男鹿へ視線を移す。
すると……。
「男がそう簡単に泣くんじゃねーよ。バカにされるぞ」
「アウ」
男鹿が赤ん坊をあやし、見事に泣き止んだ。
やるじゃん、男鹿!
普段バカであんぽんたんのアイツの事を素直に見直した俺だった。
赤ん坊を泣き止ませた男鹿は赤ん坊の頭を一撫ですると、立ち上がってスタスタと歩き始めた。
たぶん家に帰るのだろう。
俺も帰るか。
そう思って、俺も歩き出すと……
バギン!!
金属の破砕音が聞こえ、音のした方を見ると鉄塔が赤ん坊に向かって倒れ始めた。
「ベルゼ様ーーー!!!」
悪魔の女性のが叫ぶ。
すると、帰ろうと歩いていた男鹿が赤ん坊に駆け寄り、抱きかかえる。
やばい!このままだと赤ん坊と一緒に……。
「男鹿ーーーー!!!」
今にも潰されそうな男鹿を見ながら、叫ぶ俺。
しかし……
ここで奇跡が起こった。
「やるな人間」
長髪のイケメンが男鹿の前に現れ、鉄塔を消し飛ばしたのだ。
つーか、誰?
後書き
頂いた感想に思うところがありまして、GS美神の二次で練習しながら書いてみました。
※感想・評価などをお待ちしております。
ページ上へ戻る