曇天に哭く修羅
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第四部
課題
前書き
最終の第四部です。
【領域内戦争】の決勝。
【龍帝学園】は【刻名館学園/こくめいかんがくえん】に勝利する。
これにより【全領域戦争】、略して【全領戦】の【団体戦】に出場する権利を得た。
それから一週間───
《立華紫闇》は《黒鋼焔/くろがねほむら》から破門を宣言されていた。
《永遠レイア》は焔の横で佇んでいる。
「君はこの4ヶ月で黒鋼流の技術をほぼ全てものにしてみせた。でも今のままだと黒鋼の劣化した模倣でしかない」
「実を言うと、俺自身も劣化コピーじゃないかなとは思ってたんだ。このままじゃあ焔には追い付けないって」
紫闇が使う特殊能力以外の戦う力は大概が黒鋼流で学んだ技術。
焔の真似みたいなものだ。
焔が頷くとレイアが話し出す。
「紫闇は黒鋼とは別の力が有る。それを伸ばして自分のスタイルを作ってもらう」
紫闇は納得した。
心技体を三つとも全て成長させるなら黒鋼から離れる必要が有ると感じたから。
(黒鋼流は強力なんだが、それに頼り過ぎるのも良くない。俺自身を変えないと)
焔は半月ほど黒鋼の屋敷へ来訪することを禁じ、その間は口も聞かず、顔を合わせたりもしないという縛りを設けた。
「あたしの手を借りずに強くなれ。でも他の人に頼るのは構わないよ」
今回の課題をこなして焔が認める程の力を得られたならば、半月後に黒鋼の【真打】を伝授するつもりなのだという。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「それが免許皆伝になるね。その後でも教えられることは有るんだけど……」
「半月後には【冬季龍帝祭】が有る。それまでは僕が付き合うよ」
冬季龍帝祭は全領戦の【個人戦】に出場する権利を得る為のもの。
【夏期龍帝祭】は一年生のみで行う大会だったがこちらは全学年から希望者が出る。
その熾烈さは夏期と比べ物にならず、出場選手の士気や実力も高い。
全領戦(全領域戦争)・個人戦へ出場出来るのは一つの魔術学園に一人のみ。
立華紫闇
《橘花翔/たちばなしょう》
《クリス・ネバーエンド》
《江神春斗/こうがみはると》
この四人は既に冬季龍帝祭へ参加することを表面してエントリーしている。
「全領戦の個人優勝は国内で最強の学生魔術師という称号だが、今なら【魔神】を除いて世界最強に近いと言っても過言じゃない」
レイアの言うように、今日本に在籍する魔術師のトップ勢は史上最高の戦力を保有している世界四強の魔神を筆頭とする。
魔神でないトップ勢の中にはレイアを含めた【鳳皇学園/ほうおうがくえん】で不動のレギュラー勢や、紫闇の幼馴染みである《的場聖持/まとばせいじ》、レイアの実弟《エンド・プロヴィデンス》の名前も。
「取り敢えず紫闇の目標は、半月後の冬季龍帝祭までにあたしが要求する最低ラインの強さになってもらうことだから頑張ってね」
後書き
第四部は私がイメージしているよりかなり短くなるかもしれません。
_〆(。。)
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