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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十七話 張遼、関羽に諭されるのことその六

「少しはですね」
「ああ、わかったわかった」
 弟の小言にだ。たまりかねて返すのだった。
「それじゃあな」
「おわかりですか」
「ああ、わかってるよ」
 また言うドンファンだった。
「だからな。もうな」
「わかってるんですか、本当に」
「わかってるよ。まあ俺達の他にもな」
「そうですね。チャンさんとチョイさんもおられますし」
 場にhだ。二人もいた。二人は浮かない顔で焼肉を食べ酒を飲んでいる。
 そうしてだ。張遼にこんなことを話した。
「実は俺達ってこの二人とはな」
「長い付き合いでやんすよ」
「ああ、キムの子供やさかいな」
「そうなんだよ。それこそな」
「子供の頃から知ってるでやんすよ」
「いい人達だぜ」
「とても親切ですよ」
 ドンファンもジェイフンも二人については明るい顔で話す。
「いつも俺達と遊んでくれるしな」
「一緒に修業もしています」
「現在進行形なのだな」
 ここで言ったのはだ。右京だった。彼も同席しているのだ。
 それで酒を静かに飲みながらだ。こんなことを話した。
「貴殿等の絆は」
「絆、なあ。そういえばそうなんだよな」
「チャンさんとチョイさんの関係も」
 二人もだ。そのことにも気付いた。
「俺達が会ったのも縁でな」
「それでできるのですね」
「縁は絆になる」
 右京は言った。
「そういうものなのだ」
「そやな。右京ちゃんっていうたな」
「うむ」
 そうだとだ。右京は張遼の言葉に頷く。
 そのうえでだ。彼女にこう返した。
「しかし私をちゃん付けか」
「あかんか?あかんかったら止めるで」
「いや、別にいい」
 こう張遼に返す右京だった。
「中々面白い」
「気に入ってくれたんやな」
「悪い気はしない。しかし絆だな」
「そや、絆や」
 まさにその絆だとだ。張遼も話す。
「それってやっぱり大事やで」
「そうだな。私も絆を築いていっているな」
「あんたも絆があるんやな」
「桂殿に。言うべきだな」
 静かに話すのだった。
「私の想いを」
「ああ、あんた好きなんやな」
 張遼は彼のその言葉からだ。そのことを察したのだった。
「その桂さんって人のこと」
「言えないでいた」
「身分かいな」
「病故だ」
 彼のだ。その病故だというのだ。
「私は長い間胸の病を患っていた」
「労咳やな」
「その病で長い間苦しんでいた」
 そうだったとだ。右京は話す。張遼だけでなくだ。ドンファン達にも話す。
「だが。この世界でそれが癒された」
「ええ医者に出会えたんやな」
「それも縁やな」
「そうなるな」
 右京は張遼の言葉に静かに頷く。酒を飲みながらだ。
「私はその縁からだ」
「その人との絆を作るんやな」
「長く。生きられるようになった」
 それならばだというのだ。
「そうしたい」
「頑張りや。ほなうちもや」
「貴殿もか」
「少しやることあるわ」
 こんなことをだ。急に言い出す張遼だった。
 
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