ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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チャモチャ星を救え
ブリキン島
「このままだと僕たち、宇宙まで連れていかれちゃうよ!?」
スネ夫は焦りながら叫ぶ。
「みんな、急いでトランクを見つけ出すんだ!」
エックスたちは急いで海岸だった辺りへ急行する。だが、海岸は、海が干上がってしまったことで地形が分かりにくくなっており、見つけ出すのは容易ではなくなっていた。
「まずいねぇ・・・・・・海岸の様子が変わりすぎてどこにあるのかわからなくなっちゃったよ。」
「マンドリラー、こんな時くらいは焦ってくれ。」
「焦ってるよ?」
ビートブードのツッコミに対してマンドリラーは、返事をする。一同は辺りを見回しながら急いでトランクの門を探す。
「あっ!あったわ!」
しずかが指をさした方角を見るとそこには小さくトランクの門が見える。
「助かった。取り敢えず、戻ってハンターベースから応援を呼ぼう!」
エックスたちは門を目指して飛んでいく。
「急げ!宇宙に出たら戻れなくなるかもしれないぞ!」
一同はスピードを上げていく。しかし、その門へエックスたちよりも早く向かっている者がいた。
ブリキンホテルのボーイであるウサギのタップだ。
「あっ!あれ!」
「何か知っているのか玉美?」
「ホテルにいたウサギ!」
「ホテル?でも、あそこには誰もいなかったじゃない?」
タップは、エックスたちより早く門の前に辿り着く。
「何をする気なんだ?あのウサギ。」
「何をするの!?」
アイリスが声をかけた瞬間、タップはトランクを閉じて目の前で口を大きく開いて呑み込んでしまった。
「あ~む。」
「「た、食べたっ!?」」
あまりの光景にビートブードとホーネックは唖然とする。エックスたちはタップを取り押さえて口からトランクを取り出そうとする。
「大人しくしろ!」
「トランクを出せ!!」
「返してよ~!!」
「こら、吐き出さないと口に槍を入れるわよ!!」
「皆さん、やり過ぎです!」
あまりにも勢いよく取り出そうとするのでアイリスが慌てて止めようとするとタップは飛び跳ねながら逃げて行く。
「あっ!待て!!」
「どこへ行くんだ!?」
「お家へ帰してよ~!!」
「こら~!待たんか!!」
エックスたちは威嚇射撃をしながらタップを追いかける。タップはブリキンホテルを目指しながらうまく攻撃を避けて飛び跳ね続ける。
ホテルは明かりがついており、入り口では二つの人影があった。一つは支配人を名乗っていたブリキンだ。
「誰かいる!」
「一体どうなっているんだ?さっき調べたときは無人だったはずだぞ?」
エックスたちは、警戒しながらもホテルの前に降り立つ。タップはブリキンの隣に立っている玉美よりいくつか年上と思われる少年のすぐ横に立つ。
「誰だ君たちは?」
「ようこそ、この星の戦士たち。」
「戦士?」
少年の言葉にエックスはバスターを下げながらも警戒する。
「このような形で会うことになって申し訳ありません。僕の名はサピオ、サピオ・ガリオンと言います。」
「サピオ君か。俺はエックス、イレギュラーハンター第17精鋭部隊の隊長を務めている。」
一応礼儀としてエックスはサピオと名乗る少年に自分の名をあげる。
「・・・・っで、俺たちが戦士とはどういう事なんだ?」
ゼロは、サピオに対して聞く。
「貴方たちにはチャモチャ星の人類を救うために先ほどの反乱軍と戦っていただきたいのです。」
「反乱軍?さっきの飛行機軍団のような輩とですか?」
ホーネックは、驚いた顔で言う。
「反乱軍と戦うって・・・・・あの、私たちならともかく武さんやしずかさん、ケイン博士たちは一般人なんですよ?」
「大丈夫、先ほどの戦いを見せてたあなた方なら戦えます。」
「大丈夫って言われてもよぉ・・・・・・なあ?」
一同は顔を合わせながら言う。
「とにかく一回、帰らせてもらえないか?俺たちはともかくお年寄りや小さい子供まで・・・・・・」
「これ、エックス。何気に儂を年寄り扱いする出ない。」
「そんな時間はありません。この島は既にチャモチャ星に向かっています。」
「「「「「「「「「「「「えぇっ!?」」」」」」」」」」」」
全員、思わず夜空を見上げる。確かに島は既にかなり上空へと上昇していた。
「嫌だぁ!帰りたいよ~!!うわぁぁああああ~!!」
玉美は泣きだしてしまう。
「トランクを出せ!!」
「帰してよ!!」
ジャイアンとスネ夫は、そんな玉美を見てトランクをタップから取り返そうと飛び掛かる。タップはそんな二人から慌てて逃げる。
「ジャイアン、スネ夫!?ちょっと待ってくれ!」
「おい、いくら吐き出させようにも・・・・・・」
エックスとゼロは二人を追いかけようとする。
「あっ!乱暴はしないで!・・・・・うぅ!」
「「!?」」
「あぁ~!!サピオ様!?」
倒れたサピオを見てエックスは思わず足を止め、ジャイアンとスネ夫もタップを追いかけるのをやめる。
「大丈夫ですか!?無理をなさるからです。早くカプセルにお入りください。」
「・・・・・あの、サピオ君は病気か何かなんですか?」
サピオを抱えて移動用のカプセルに収納させるブリキンに対してアイリスは聞いた。高齢であるケインですら杖を付いて歩けるほどなのにこれほどのカプセルに入らなければならないとなると体が弱いのかそれともかなり重い病気なのかと疑ってしまう。
「いいえ。僕は健康体です。・・・・・ですがチャモチャ星人は、カプセルに入らないと何もできないのです。」
「なんとぉ・・・・・・・」
ケインは驚きのあまりに杖を落としてしまう。こんなに若い少年がカプセルに入っていなければならないほどひ弱な体になってしまうというのは危険な作業をほとんどレプリロイドに任せている自分たちの世界とて到底信じられないことだった。
「自分の足で自由に動き回れるあなた方が羨ましい・・・・・。」
「・・・・・」
エックスはアーマーを解除してサピオの方へと戻る。すでにブリキン島は地球の外に出ている。
「・・・・・じゃが、どうして儂等を選んだんじゃ?」
「えぇ、実はこの宇宙に人間の住んでいる星がたくさんありました。・・・・・しかし、我々の味方になってくれるような人間はいませんでした。そして、最後に見つけたのがあなた方だったのです。」
「「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」」
「そうじゃったのか・・・・・・」
「お願いです。僕たちとチャモチャ星の人々を助けてください!」
「私たちからもお願い申し上げます!」
「申し上げます!」
ブリキンとタップの二人も頭を下げてエックスたちに頼み込む。その姿を見てエックスたちは断るわけにはいかないと思いながらもどうするか悩んだ。
「・・・・・」
「お兄ちゃん。」
「ん?」
今まで泣いていた玉美は涙を拭きとりながらエックスの手を引っ張る。
「この人たちのこと助けてあげよう。」
「えっ?」
「だって可哀そうなんだもん。この人たち。」
「・・・・玉美。」
エックスは玉美の頭を撫でながら抱き抱える。
「それにドラえもんも助けないと。」
「・・・・・・そうだな。ほっとけないもんな。玉美は優しい子だな。」
「さっきまで泣いてたのに言うじゃない!」
「う、うん。」
マーティにからかわれながらも玉美は言う。
「・・・・・・・確かにこんな話を聞いて、無視するわけにはいかんな。」
「ゼロ。」
「それに連れ去った連中は何者であれ、星を支配しようとしている段階ですでにシグマと同じ・・・・・いや、それ以上のイレギュラーだ。十分動く理由になるだろ?」
「あぁ。」
ゼロの言葉を聞いてエックスは安心する。
「よぉおし!俺たちもいっちょやってやるぜ!!」
「ジャイアン本気で言っているの!?」
「おやおや?儂もやる気満々なのに怖くなったのか?」
「そ、そんなわけじゃないけど・・・・・」
「どのみち二人を助けに行くにはこれしか方法がありませんからね。やれるところまでやってみましょう。」
「うん・・・・」
全員の意見がまとまり、チャモチャ星に行くことを決断する。
「サピオ、俺たちは君たちの星へ行くよ。」
「ありがとう!」
「やった!やった!」
「よかった!」
その返事を聞いてサピオたちは喜ぶ。
グウゥ~
「あっ。」
少し安心したのかエックスの隣で玉美の空腹音があった。
「・・・・・・お腹空いた。」
「あっ・・・・・そう言えば儂も。さっきは安心して食えんかったからのう。」
ケインは腹をスリスリしながら言う。それを察してブリキンは一同をホテルの中へと招く。
「さあさあ、皆さん。お疲れでしょう、今夜は中でゆっくりお休みください。」
ホテルの中に入るとケインは首をかしげていた。
「・・・・不思議じゃのう。」
「何がです?ケイン氏。」
「宇宙に飛び出したのにもかかわらず空気も重力も地上と変わらん。儂等の所でさえ、最近になってやっと重力装置が完成したばかりじゃ。それでもこの島全体ほどにも及ばんコロニーでじゃぞ?」
「それについては説明いたします。」
「でも、そのカプセルだと階段上れないんじゃ・・・・・・」
ホーネックが言いかけたときサピオのカプセルからプロペラが出現し、低空飛行をしながら階段を上って行った。
「あらら・・・・・・・・」
「飛行用メカニロイドでもそんな小さなプロペラにはできないわ。」
「作った奴は相当な技術者かもしれんのう。それにしても便利なカプセルじゃわい。儂も一つ欲しいところじゃ。」
「いえ、でもやはり自分の足で歩きたい。」
「そうか?儂なんかもう歳だからあちこち言うこと聞かなくなって困っておるが・・・・・」
「安心しろ爺、俺の目から見てもアンタは、少なくとも後10年以上は自分の足で歩ける。」
「あんまり嬉しくないのう・・・・(汗)」
羨ましそうに言うケインに対してゼロはさりげなく言った。階段を上り終えるとブリキンがある一部屋に全員を入れる。
「こちらへどうぞ~。」
全員、部屋に入ったのを確認するとドアを閉め、ブリキンは部屋の隅に飾られている作り物の花に手を触れる。
「それでは屋根裏の隠し部屋をご覧ください。」
花の先端にあるボダンを押すと床が上昇し、しばらく上って行くと精密機械が並べられた制御室へと到着した。
「わあぁ・・・・・」
「こりゃあ、すごい。」
「この制御室から島全体を操作しています。人工重力や空気を作っているのです。」
「この一部屋ですべてをまかなっているのか!?」
「すごい・・・・・・・私たちの世界じゃまだそこまで行っていないのに。」
「こんなもの見たら、儂もそうじゃがドップラーやエイリアも涙目じゃのう、グスッ。」
「この島全体をバリアで囲んであります。」
ブリキンから説明を聞く中、ケインは一人涙目で言う。
「でも、一体誰が作ったんです?」
「これは僕の父が作ったものなんです。」
「あなたのお父さんが!?」
サピオの言葉にホーネックは驚く。
「それで・・・・・・サピオ君のお父さんは?」
「それが・・・・・・」
アイリスの質問に答えようとしたところでモニターが作動し、画面に今まで姿を見せていなかったピエロが映る。
『皆さん、歓迎パーティの用意ができました!!』
大食堂
大食堂では料理が並べられ、演奏ロボットたちの演奏に合わせて、ピエロは得意の曲芸を全員の前で披露する。
「これはうまいもんだな。」
「あぁ、こんな曲芸見る機会はそうそうないからな。」
「儂は子供の時両親に連れてってもらったサーカスを思い出すのう。」
「アタシはあぁ言うの初めて見るわ。」
「みんな副隊長と同じだと思いますよ。」
ピエロの披露が終わると全員で拍手を送る。
「素晴らしい曲芸ありがとう。」
「上手上手!」
「よぉおし!それじゃあ、お礼に俺の歌を!」
「「「「「「「「ブッ!?」」」」」」」」
ジャイアンの言葉にエックスたちは思わず飲み物を吹き出す。
(まずい!ジャイアンをここで歌わせたら・・・・・・)
(フクロウルの艦隊みたいにこの島を宇宙の藻屑にしかねない!)
(って言うか、誰か止める者はいないわけっ!?)
「あっ!おっきいお星さま!」
エックスたちが困惑しかけた直後に玉美は窓の外に映った土星を見に行く。
「おっきいよ!」
「あ、あっ!?本当だ!」
「目の前で見るのは初めてね!?」
それに応じてエックスたちもわざとジャイアンをスルーする。
「よかった・・・・・・・」
スネ夫もさりげなく窓の方へと行く。
「なんだい、せっかく歌ってあげようと思ったのによぉ・・・・・・・」
ジャイアンは寂しそうな顔で言う。もしここにいないナマズロスまで来ていたらおそらくブリキン島は本当に宇宙の藻屑になっていたのかもしれない。
「皆さん、そろそろ一回目のワープに入ります。」
「ワープ?この島にはそんなものまで積んであるんですか!?」
そう言っている間にブリキン島はワープ空間へと入って行く。
そして、歓迎パーティが終わるとエックスたちはそれぞれの部屋で休むことになった。
「お部屋はたくさんございます。ごゆっくりお休みください。」
「じゃあ、ゼロ。また明日。」
「あぁ、行こうかアイリス。」
「えぇ。」
「では俺たちも寝ます。」
「今度は絶対に歌うからな!」
エックスとマーティも選んだ部屋へ行き、ベッドで寄り添い合いながら寝る。
「・・・・・・ドラえもん、絶対助けるから無事でいてくれ。」
以前のドップラーの反乱時のこともあるため、エックスは、ドラえもんの無事を祈りながら眠りへとついた。
???
「う、うん・・・・・・」
「ムニャムニャ・・・・・」
電撃を浴びてドラえもんとマイマインは意識を取り戻す。
「ん!?ここはどこだろう!?」
『目が覚めたかね?ポンコツタヌキと出来損ないナメクジ。』
「な、ナメクジッ!?」
ナメクジと言われてマイマインはショックを受ける。
「誰だ!?」
『これからお前たちの取り調べを行う。』
「隠れてないで出てこい!」
『黙れい!!』
「「わあっ!?」」
『聞かれたことに答えればいいんじゃ!!』
「「いやだ、べ~!!」」
二人は揃いに揃ってあっかんべーをする。
『えぇい・・・・・体が青いだけでムカムカするわぁ!!』
二人に向かって雷撃が降り注ぐ。
「「ぎゃああああああああ!?」」
二人は体が痺れてその場に倒れる。
『サピオとその仲間たちはあのちっぽけな島で一体何を企んでおる?』
「サピオ?誰!?」
「知らないよ!僕らはただ・・・・・・」
二人が知らないと言い切ろうとした瞬間、また雷撃を落とされる。
「「うわあぁあぁああ!?」」
『しらばっくれる出ない!ホテルの地下に大迷宮の入り口がある筈、そのラビリンスの鍵を教えろ!』
「知らないってば・・・・・」
「僕も何が何だが・・・・」
「「本当に何も知りません・・・・・」」
しかし、それでも雷撃による拷問は続く。
「「うわああああ!」」
『ええい、強情者めが!』
「うぅ・・・・・」
『これでもか!!』
「「うわあぁあああああ!!」」
知らないと言っても信じてもらえず、二人はひたすら雷撃を浴び続ける。
『もう構わん!最大出力でやれ!!』
最大出力にされた雷撃がとどめとばかりに二人を襲う。
「「ぎゃああああああああああああ!!!」」
二人は体中から煙を吹き出し、動かなくなった。それを確認すると研究員と思われるロボットが二人中に入ってきた。
「コンピュータが焼けちゃったみたいですな。」
「これではもうどうにもならんな。スクラップとして海に捨てちまえ。」
「分かりました。」
そう言うと早速二人を運び出そうとする。
「ちょっと待たんか。」
そこへ別の第三者の声が引き留める。
「・・・・・ミスター。」
「そのスクラップ共を捨てる前にワシに確認させろ。」
ミスターと呼ばれた第三者は、機能停止してしまったドラえもんとマイマインをマジックハンドのスキャニングで確認し始める。
「ふむ・・・・・こっちのロボットは残しておけ。後で儂が改造してやるからのう。」
「「分かりました。」」
二人の研究員ロボットはドラえもんのみを運び出し、マイマインをその場に残していく。
「ヌフッフッフッフッフッフッ・・・・・・ちょうどいい駒が手に入りおったわ。この間のリベンジも兼ねてワシの配下に加えてやる。ヌフッフッフッフッフッフッフッ・・・・・・・ガッハッハッハッハッハッハッ!!」
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