ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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消えたドラえもん
ブリキンホテル前
「皆さ~ん!ちょっと遠いので乗り物を用意しました。」
タップの指示に従い、四人はホテル前にまで出てくると象をモチーフにした乗り物がやってきた。
「おぉ・・・・これはこれは珍しいもんじゃのう。」
「これもブリキなんだ。」
マイマインは、ジロジロと像を見ながら言う。彼が知っている象と言えば精々、最初のシグマの反乱で死亡したナウマンダーぐらいだろう(彼の場合はナウマンゾウだが)。象は鼻のバキュームで一人ずつ上に乗せていく。
「うわぁ~!!高い高い!!」
「面白い仕掛けだね。」
「じゃあ、皆様、ごゆっくり行ってらっしゃいませ~!」
タップが見送る中、四人を乗せた象はゆっくり雪山を目指して進み始めた。乗り心地もよく、四人は景色を満喫しながら雪山へ向かう。
「あれ?よく見るとこの島の風景のほとんどがブリキでできていますね。」
マイマインは見ている内に周囲の木々や草も作り物だという事に気がつく。
「うむ、まあ、最近純粋な自然が残っているところも限られておるから仕方ないじゃろう。・・・・・しかし、ブリキ製のレプリロイドは作った覚えがないから一体どこの物なんじゃろうな?」
「わあ!トンネルだ!」
トンネルを潜り抜けるとそこはもう雪景色が広がっていた。しかし、かつてバッファリオやレプリフォース大戦のような惨状な光景ではなくただ白く綺麗な絶景となっている。
「ドラえもん、寒がりなのにちっとも寒くないね!」
「う、うん。そうだね。」
ドラえもんは、試しに雪を掴んでみる。感触は本物の雪そっくりだが全く冷たくなく、何か特殊な素材でできた人工雪だった。
「よくできてるねぇ・・・・・・・・」
「では、今度は儂のスキーのすばらしさを・・・・・あっ。」
「どうしました博士?」
「うおぉ~ん!!スキーを持ってきておらんかった!!」
「・・・・・そうですか。」
今更のように嘆くケインにマイマインはどういえばいいのか困る。
「ねえ、ドラえもん。スキーの道具出して!早く、早く!!」
「えっ?でも、僕は普通のスキーの道具なんて・・・・・・・あっ、普通のじゃないけどあるにはある。」
玉美に頼まれたドラえもんは、ポケットに手を突っ込んでブーツと一体化したスキー板とストックを取り出す。
「ウルトラバランススキー!!これはヤジロベーの原理を応用して前にかがめばかがむほどスピードを上げることができて、危ないと判断した場合は反対に傾けばスピードを落とすことができる。さっ、履いてみて。」
玉美は、ドラえもんから受け取ると足に履いてみる。
「儂にもくれんかのう?」
「ハイハイ・・・・・使い方には気を付けてくださいね。」
二人はスキーを履き終えるとゆっくりと滑り始める。
「わ、わ、わぁ!?」
「ゆっくりだよ。少しずつスピードを上げて・・・・・・・・」
「怖いよ~!!」
玉美はスピードが出たのに怖がり転びそうになる。しかし前向けに傾いたためスピードは一気に上がってしまう。
「きゃああぁぁぁあぁああ!?」
「た、玉美ちゃん!?」
「いかん!」
ケインは追うべくわざと前向きに傾きスピードを上げる。
「あっ!?ちょっと博士!無理しちゃダメですよ!?」
「うぉおおおおっ!?」
しかし、ケインもコントロールできずそのままスピードを上げて走り去ってしまった。
「うぃいいいいいいい!?か、顔がちぎれるぅううぅううう・・・・・・・・・・・」
「お~い~!玉美ちゃ~ん!!どこ行ったんだ~い?」
「博士~!いい加減に出てきてください。」
しばらく経ち、ドラえもんとマイマインはタケコプターを付けて上空から二人を探していた。
「一体どこ行っちゃったんだろ?」
「まさか二人そろって木にぶつかってペチャンコとか・・・・・・」
「そ、そんなことしたら僕はのび太君になんて言えばいいんだ!?」
「とにかく一刻も早く二人を見つけないと・・・・・ん?」
マイマインはかなり離れた上空に何かが飛んできているのを確認する。
「あれはなんでしょ?」
「えっ?」
よく見るとかなり大きめのブリキの飛行船に見える。
「ブリキの飛行船?あのホテルの宣伝物ですかね?」
「さあ、でも何か手掛かりになるかも。」
二人は飛行船へと向かっていく。
「お~い~!玉美ちゃんとケイン博士を知りませんか?」
「このくらいのハゲで髭が長い・・・・・・・」
その直後、飛行船から砲弾が発射される。
「「えっ!?」」
二人はいきなりの出来事に反応しきれず直撃する。
「「うわぁぁぁぁぁああああああ!?」」
タケコプターが外れ二人は真っ逆さまに地面に向かって落下していく・・・・・。
一方
「う、うぅ・・・・・・ん・・・・・・」
雪山の森の一角で雪の中からケインが玉美を抱えて出てきた。
「やれやれ・・・・・・・とんでもない代物じゃわい。」
木にぶつかる寸前、玉美の前に来てキャッチすることには成功したのだが別の木にぶつかり、降ってきた雪に埋もれてしまったのだ。もし、これが本物の雪だったら確実に生き埋めになっていたのかもしれない。
「全く、儂はともかくこんな小さい玉美ちゃんにこんな危ないもんやらせよって。」
ケインは玉美と手を繋いで見晴らしの良い所まで歩いていく。もしかしたら二人がすでに自分たちのことを探しているのかもしれないと思ったからだ。
「ドラえも~ん!!」
「ドラえもん!マイマイン!どこなんじゃ~!!」
二人は何度か叫んでみるが二人からの返事はない。
「おかしいのう・・・・・もしかしたら別の場所を探しておるのか?」
ケインは玉美をおんぶしながら雪山を歩き続ける。その間に何度も二人のことを呼んでみるが全く返事が返ってくることはなく戻ってくるのは自分が発した声を反射したやまびこのみだ。
「ハア・・・・・ハア・・・・・・ちっちゃい子を背負っておるとは言え、こうもくたびれると年は取りたくないもんじゃ・・・・・・・」
「おじいちゃん、あれ!」
「ん?・・・・・おぉっ!?」
玉美が指をさした方を見ると自分たちのいるところから少し離れた上空に飛行船が飛んでいた。
「助かったぞ!あれに乗せてもらえばホテルに戻れる!」
ケインは先ほどまでとは大違いで猛ダッシュする。
「おぉ~い!!ホテルまで乗せてくれ~!!おぉお~いぃ!!」
「乗せて~!!」
二人は自分たちの存在を猛アピールしながら移動するが足元をよく見ていなかったため、崖から滑り転んでしまう。
「あらっ!?」
「わぁあぁあああ~!?」
二人は転げ落ちてまた雪に埋もれる。
「うぅ・・・・・もう一歩も動けん・・・・・・・・」
「ドラえもん・・・・・・お兄ちゃん・・・・・・助けて・・・・・・」
二人はその場で気を失ってしまう。
「・・・・・ん、うん・・・・・ん?」
どのくらい気を失っていたのだろうか?
ケインが意識を取り戻すと目の前にここに来たときに乗せてくれた象が迎えに来てくれていた。
「おぉ・・・・・迎えに来てくれたか。」
ケインは気を失った玉美を抱きかかえると象のバキュームに掴ませて先に乗せる。
「のう、すまぬが他の二人は・・・・・・・・」
しかし象は反応することなくケインを上にあげてホテルへと戻り始めた。
「うん・・・・・・もしかして先に帰ってエックスたちを呼びに行ったのかのう・・・・・・」
眠っている玉美を見ながらケインは二人がどこに行ったのかを考える。
「うむ・・・・だとしたらまずいのう。エックスにこんなこと聞かれたら儂にどんなことをするやら・・・・・・勘弁してもらいたいわい。」
不安になりながらも象はホテルへと戻って行く。
ブリキンホテル
「ただいま。」
寝ている玉美をおんぶしてケインはホテルの中へと入る。昼の時とは違い鍵はかかっておらず、中に入ると誰もいなかった。
「マイマイン、ドラえもん。戻ってきておるのか?」
無言。
「支配人、ボーイ、誰もおらんのか?」
反応なし。
「なんじゃ、無用心じゃな。」
取り敢えず眠っている玉美を部屋に寝かせるべく四階の部屋へと戻る。
「やっぱり帰ってきておらんのう。」
「・・・・・・ドラえもんは?」
その時丁度、玉美が目を覚ます。
「それがどこにもいないんじゃよ。儂が他の部屋を探してみるから玉美ちゃんはこの部屋で休んでなさい。」
「いや!玉美も一緒に探す!」
「しょうがないのう・・・・・・・儂から離れちゃダメじゃぞ?」
ケインは玉美と一緒に部屋を一つ一つ確認していく。しかし、どの部屋にも二人の姿はない。
「おやつで食堂にいるんじゃない?」
玉美の提案で食堂を覗いてみるがやはり誰もいなかった。
「あの二人どころかホテルの住人までいなくなるとは・・・・・・一瞬にして新築ホテルがゴーストホテルになってしもうたわい・・・・・・」
ケインと玉美は困った顔で階段に座る。
「・・・・・ん?そう言えばまだ地下室を覗いておらんかったな?あそこに隠れておるかもしれん。」
二人は早速地下室へと向かう。入り口は意外にあっさりと見つかり、二人は階段をゆっくり降りていく。
「全く入るなと言いおって、一体何を隠しているのやら・・・・・・」
しかし、下に降りてみるとそこには不気味な顔をした壁があった。
「・・・・・な、なんじゃこの不気味なもんは?」
かつてエックスの報告でシグマがランダ・バンダという壁に顔を書いたような防衛システムを使っていたと聞いたことがあったがそれと比べても不気味だった。
「怖い・・・・・」
玉美はケインの後ろに隠れながら言う。ケインは心臓をバクバクさせながら壁に近づいていく。
「お、おい・・・・・誰かおるのか?」
すると壁の眼が不気味に光りだした。
「ひいっ!?」
『フッハッハッハッハッハッ!ヨク来タナァ。ココハ、アノ世ヘ通ジル大迷宮ヘノ入口ダ。潜レバ二度ト生キテハ帰レナイ。ソレヲ承知ノ上ナラバ・・・・・・サア、入ルガヨイ。』
壁は、不気味に口を開き始める。その恐ろしさに玉美は泣き始め、ケインは飛び上がった。
「出たあぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」
「わああぁあぁぁああん!!」
ケインは玉美を担いで地下室から高速で出ていくとすぐさま外へと駆け出し、猛スピードで門へと戻り、潜り抜け自分の部屋へと戻ると大慌てでトランクを閉じる。
「ハア・・・・ハア・・・・ハア・・・ハア・・・・・じゅ、寿命が10年一気に縮んだかもしれん・・・・・・」
「怖いよぉ・・・・・」
ケインはトランクを厳重に縛り付けるとベッドの下へとしまい込む。
「どおりで怪しいホテルじゃと思った。こんな恐怖体験もうまっぴらじゃ。明日にでも処分しよう。」
ケインは、泣いている玉美をあやしてひと眠りするとドラえもんが帰ってきていないかどうか部屋を確認しに行く。
「やっぱり帰ってきておらんのう。タイムマシンもそのままだし・・・・・ドップラーの所にでも行ったのかそれとも・・・・・ま、まさかのう!あのホテルはくまなく探したんじゃ!いるわけがない!」
夕方になって玉美は、昼間の怖さから駄々をこねてエックスたちと共に新ハンターベースで寝泊まりすることになった。一方、帰ってきたジャイアンたちに聞いてみたがドラえもんとマイマインはハンターベースにも来ていなかったという。
その頃、二人は・・・・・・・
「うん・・・・・・・・・う・・・・・・・ん・・・・・・・うん!?」
ドラえもんは意識を取り戻す。自分は確か高い所から落ちたはず、にもかかわらずいつの間にか何かに縛り付けにされてどこかへ運ばれようとしていた。
(ここはどこだ!?僕は・・・・・なっ!?か、体が動かない!?)
その時視界に何やら小さい人影が目に映る。見る限りは小柄な兵隊ロボットに見えた。よく見ると自分の体はロープで縛り付けにされてあたりにいる兵隊ロボットに気を失っているマイマイン諸共どこかへ運ばれているところだった。
「わあぁっ!?なんだ!?何がどうなっているんだ!?」
ドラえもんが目を覚ましたことに気がついたのか兵隊ロボットの中で隊長格と思われるチョビ髭の兵隊ロボットが他の兵隊に止めるよう指示を出す。
「止まれ!やい!大人しくしろ!」
「い、一体何の真似だ、これは!?」
「ネジリン将軍様の所へお連れ申すのだ!」
どうやら二人はこの兵隊ロボットの親玉と思われる人物の元へと送られている途中だったらしい。
「そんなことどうでもいいから縄を解いてよ!」
「飛行船に積めないからトレーラーで運んでるんだ。二体揃ってあまりにもデブだからな!」
「で、デブ・・・・・デブとは何なんだぁ・・・・・・・・ぬ、ぬううあぁ!!」
腹が立ちドラえもんは思いっきり引っ張ってロープをちぎる。
「「「うわあぁあ!?」」」
「いい加減にしてよ!」
「タヌキを生け捕りにしろ!」
隊長ロボットは他の兵隊ロボットたちと共にドラえもんに向かって槍を投げ始める。あまりにも体格が違いすぎて効果はほとんどないが。
「た、タヌキとはなんだ!タヌキとは!僕は完全に怒ったぞ!!わああああああ!!!」
「「「「うわぁあぁあああ!?」」」」
ドラえもんはドラミングをしながら兵隊たちに向かっていく。あまりにも不利だと思った兵隊たちは草むらの中へと逃げていく。
「・・・・なんて素早いんだ。」
「あの・・・・・・僕のロープも解いてくれません?」
マイマインも目を覚まし、ドラえもんにロープを解いてもらう。
「いやぁ・・・・・ひどい目にあいましたね。」
「うん。・・・・・でも、一体何者何なんだろう?あぁ?」
ドラえもんは森の中に何やら怪しいものを発見する。
「なんだろう、あれは?」
「さっきの連中の隠れ家ですかね?メットールよりも小さいのに。」
二人は茂みを歩きながら物体へと近づいていく。近くに行ってみると二人より大きめの宇宙船らしきものが着陸していた。
「うわぁ・・・・・宇宙船かな?それにしては何とも古めかしいデザイン。」
「ケイン博士が見たら絶対に中庭に飾るでしょうね。」
その宇宙船の中では何やら慌ただしい会話がかすかに聞こえてくる。
『ね、ネジリン将軍!あ、あれです!凶悪なキングタヌキと気味の悪い巨大カタツムリが・・・・・・』
『うろたえるな!奴らもロボットではないか!!』
「「?」」
するとロケットの入り口が開き、中からラジコンサイズの戦車が出てくる。
「また、玩具が出てきた。」
戦車はゆっくりと走り、二人の前で止まる。
「一体君たちは何者なんだ!」
「そうですよ!あまり変なことをするとイレギュラー認定・・・・・」
マイマインが言いかけたとき、戦車の砲台からビームが発射される。
「「うわぁぁあ~!?」」
二人はたちまち伸びてしまった。それを確認すると戦車から先ほどの隊長格とは違い髭をモジャモジャ生やしたロボットが顔を出す。
「フッヘッヘッヘッヘッヘッヘハッハッハッ!!見ろ!コンピューター麻痺ビーム砲でコンピュータさえ麻痺させてしまえばこの通りだ!」
すると彼の後ろから先ほど逃げていた隊長ロボットが顔を出す。
「流石ネジリン将軍!お見事です!」
更にその脇から兵隊ロボットが顔を出す。
「将軍、飛行船が戻ってきました。」
「うん?」
宇宙船の上を見ると彼らの飛行船が丁度戻ってきたところだった。
「ほう、サピオとその仲間たちを捕らえてきたかな?」
飛行船はゆっくりとネジリン将軍たちの前に着陸し、中から兵士たちが下りてきた。
「サピオは見つかったのか?」
「隠れ家は見つかったのですが・・・・・・」
「おぉ!よくやった!」
「えっ・・・・・し、しかしながら中に誰もいなかったのです・・・・・」
「何ッ!?そんなバカな!いや、きっとどこかに隠れているはずだ!もう一度隠れ家の周囲をくまなく探せ!!」
「はっ!」
「将軍、このキングタヌキと巨大カタツムリはどうします?」
「こいつらは貴重な手がかりだ。宇宙船の中へ運んどけ!」
「「「はっ!」」」
「サピオめ、あちこち逃げ回りおって今度こそは皇帝陛下のためにも捕まえてくれるぞ!!ぬっ!?」
「どうしました?将軍。」
「ね、ねじが切れてきた・・・・・・・」
ネジリン将軍はその場で止まってしまう。
「あらら・・・・・また止まっちゃったよ。」
「この人、すぐにねじ切れ起こすからな・・・・・」
部下たちはしょうがないと思いながら彼のねじを巻いてやるのだった。
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