ドリトル先生の競馬
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第十一幕その九
「よかったね」
「今回はね」
「ホフマン君も一位だったし」
「応援団の応援も素敵だったし」
「何かとね」
「よかったね」
「そうだね、今日もいい日だったよ」
先生は皆に笑顔で答えました。
「何もかもがね」
「先生にとって悪い日ってあまりないね」
このことはジップが言いました。
「というか記憶にないね」
「先生っていつもいい日だね」
ダブダブも言いました。
「どうもね」
「僕達もそうだけれど」
チーチーはそれでもという口調でした。
「先生は僕達以上かな」
「先生にとって悪い日って何時?」
ホワイティは首を傾げさせました。
「一体」
「何しろいつもいい日だから」
老馬もそこを先生に尋ねます。
「逆に悪い日は何時か」
「そう思うね」
「そうだよね」
オシツオサレツも思いことでした。
「悪い日ってないんじゃ」
「それこそね」
「確かに先生は幸運にも恵まれているけれど」
トートーはそれでもと思いました。
「悪い日もあるのが当然じゃないかな」
「人生晴れの日ばかりじゃないって言うわ」
ガブガブはこの言葉を出しました。
「だったら悪い日もあるでしょ」
「雨の日も雪の日も大風の日もあるわよ」
ポリネシアはガブガブの言葉からお天気に例えました。
「それこそ」
「だったらね」
「先生だってそうした日がある筈よ」
最後にチープサイドの家族が言います。
「だからね」
「先生だって」
「僕は美味しいものが食べられて」
先生はその皆に答えました。
「学問が出来て皆がいたらね」
「それでなんだ」
「先生は幸せだから」
「それでなんだ」
「毎日幸せなんだ」
「そうなのね」
「何かとても好きなものがあって」
それでというのです。
「毎日それに打ち込めたら」
「そんな幸せなことはない」
「そうだっていうの」
「先生は」
「僕はそうした考えなんだろうね、だからね」
それでというのです。
「毎日幸せなんだ」
「そうなんだ」
「何時だって」
「幸せで」
「それでなんだ」
「毎日幸せだよ、大好きな学問を毎日出来て」
そしてとです、先生はまた皆にお話しました。
「美味しいものも食べられて」
「そして僕達がいる」
「お友達と家族が」
「それでなんだ」
「先生は毎日幸せなのね」
「最高に幸せだよ」
心から満足している言葉でした。
「しかもちゃんとしたお家にお仕事もあるんだから」
「尚更っていうのね」
「先生は幸せで」
「それもこれ以上はないまでに」
「それで満足しているのね」
「そうだよ、悪い日なんて」
先生にとってはというのです。
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