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ヘタリア大帝国

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TURN45 サフラン=ヴェーダその八

「それでは」
「参加してくれるたいな」
「そうさせてもらいます。ただ」
「ただ?何たい?」
「まずはカレーを何時でも食べたいのですが」
 実にインド人らしい要望だった。
「それはお願いできるでしょうか」
「海軍名物はカレーだ」
 東郷が答える。
「カレーなら何時でも好きなだけ食べられる」
「そうなのですか」
「ああ。だから安心してくれ」
 こう言うのだった。
「色々なカレーを食べることができる」
「牛肉のカレーは駄目ですが」
「鶏肉も豚肉もある」
 牛肉のカレーが駄目ならばだというのだ。
「それに野菜や魚介類のものもな」
「何でもあるのですね」
「カレーには苦労していない」
 それが海軍だというのだ。
「何時でも好きなだけ食べてくれ」
「わかりました。ではカレーは」
「ああ、楽しんでくれ」
 カレーの話はそれで終わった。だが。
 サフランはこんなことも言った。今度言うことは。
「太平洋軍には多くの提督の方がおられますが」
「それが何か」
 秋山もいる。彼が問うたのだった。
「はい、南雲さんや山下さん」 
「私もか」
 山下もいたが彼女も声をあげる。
「私が一体」
「いい胸をしておられますね」
 山下のその胸を見ての言葉だ。
「全体的にスタイルがいいですが」
「その様なものはどうでもいいのではないのか」
 こう返すのが山下だった。
「大事なのは心ではないのか」
「そういうことはあるからこそ言えるのです」
「あるからだと?」
「はい、胸があるからこそです」
 サフランはまだ山下の胸を見ていた。
「他にはララーさんやリンファさん、ランファさんも」
「胸がか」
「私も胸を」
 サフランの淡々とした表情に何かが宿った。そして。
 その身体全体に燃え上がるものを宿らせてこうも言ったのだった。
「何時かは見事なものにしたいので」
「ああ、それでか」
「そうした美容法なりがあれば教えて下さい」
「それも提督になる条件なんだな」
「そうです」
 まさにその通りだというのだ。
「そうしたことでお願いします」
「わかった。じゃあそれは俺も協力しよう」
 東は確かな声で約束する。
「俺は胸が小さくてもいいんだがな」
「小さな胸には何もありませんが」
「いえ、ありません」
 また言うサフランだった。否定の言葉だ。
「それは絶対に」
「まあそう思うならいいがな」
 東郷はここでは巨乳と貧乳の論争は避けた。だが何はともあれだ。
 サフランも太平洋軍の提督に加わった。インドと共に太平洋軍にはまた新たな戦力が加わったのである。
 しかしだ。もう一人はだった。
「クリオネさんはおられないんですね」
「アラビアに逃れたたい」
 インドはこうそのアグニに答える。
「だから今はたい」
「じゃあいいです」
「太平洋軍には参加しないたいか」
「クリオネさんがおられないなら」
 それならだというのだ。
「僕に戦う意味はないですから」
「ではこれからどうするたい」
「お店をしようかなって思ってます」
 こうインドに答えるアグニだった。
「宝石商でも」
「それはそれでいいたいが」
「僕は戦うつもりはないです」
 クリオネがいなくてはというのだ。
 
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