ドリトル先生の競馬
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第十一幕その一
第十一幕 競技
ホフマン君が出る競技の日になりました、先生はこの日になると皆と一緒に競技が行われる競馬場に来ました。
すると王子は観客席で先生にお話しました。
「イギリスの競馬場と似ている感じで」
「また独特だね」
「うん、何処かね」
こう言うのでした。
「庶民的というか」
「猥雑な感じもするね」
「そうだね」
「イギリスの競馬は貴族の嗜みだね」
「優雅に楽しむものだよね」
「余裕を以てね、けれどね」
それがというのです。
「日本の競馬はね」
「一般大衆のものだね」
「今の日本には貴族もいないし」
「戦前は華族だったね」
「その人達もいないから」
だからだというのです。
「それでなんだ」
「こうした雰囲気なんだね」
「今は賭けごとはしていないけれど」
「流石に高校生の大会ではないよね」
「あれはあくまでプロの人達のものだから」
それでというのです。
「今はしていないよ」
「そうなんだね」
「だからそれはないけれど」
「それでもだね」
「日本の競馬もね」
「賭けていてだね」
「そしてその賭ける人達が」
まさにその人達がというのです。
「一般大衆それも中年以上のおじさんが多くて」
「その雰囲気があるんだね」
「そうなんだ」
実際にというのです。
「これがね」
「そういうことなんだ」
「そしてね」
先生は王子にさらにお話しました。
「そのおじさん達の服装にもね」
「独特のものがあるんだ」
「決まってはいないけれど」
それでもというのです。
「ある程度ね」
「決まっていてだね」
「そちらもね」
「独特のものなんだ」
「そうなんだ、日本の競馬場はね」
「独特の雰囲気があるんだ」
「こうしたね」
まさにというのです、そしてです。
先生達はホフマン君が競技の場に出ることを待ちました、その中で皆は競馬場にいる先生がさっき言ったおじさん達を見て言いました。
「確かにね」
「独特だよね」
「帽子といいペンの持ち方といい」
「ズボンと上着の着こなしも」
「何処かね」
「独特だね」
「日本の競馬場の雰囲気を作る重要な要素だね」
先生は皆に微笑んでお話しました。
「まさに」
「今は賭けなくても」
「それでもだね」
「雰囲気はそのままで」
「おじさん達もいるんだ」
「賭けごとはしなくても」
「競馬自体が好きなんだろうね」
今競馬場にいるおじさん達はというのです。
「観ること自体がね」
「そういうことなんだ」
「それじゃあだね」
「今からもだね」
「あの人達も楽しむんだ」
「そうしようね」
是非にと言ってでした、そうしてです。
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