レーヴァティン
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第百六十話 伊勢の神託その十二
「そうなっている」
「そういうことだね、じゃあね」
「これからも頼む」
「わかってるさ、やらせてもらうよ」
「あと言うが十二人全員そちらの仕事も出来ている」
文章の採決もというのだ。
「しっかりとな」
「あたしもだね」
「決して遅くはないし間違えてもいない」
「だといいけれどね」
「苦手と思っていてもだ」
桜子自身がそう思っていてもというのだ。
「しかしだ」
「悪くはないんだね」
「そうだ」
そうなっているというのだ、英雄は桜子に話菅その目には世辞の色はなかった。実際に彼はそうしたことは言わない人間だ。
「充分以上にだ」
「だといいけれどね」
「それでだ」
「これからもだね」
「そちらの仕事も励んでもらう」
「そして国を豊かにする」
「そうしてもらう、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「強くなってな」
「その力で浮島の統一も進めるね」
「鉄砲もいいものにする」
軍勢の主な武器であるこれもというのだ。
「よりな」
「火縄銃からなのね」
「西の浮島からな」
久志達のいるそこからというのだ。
「マスケット銃を買ってだ」
「そのうえで」
「その銃を大量に製造したい、大砲や軍艦もな」
「あちらのものを取り入れて」
「そして造ってだ」
「戦に使うのね」
「そうした兵器はあちらの方がいいからな」
それだけにというのだ。
「そうしていきたい」
「それじゃあ」
「そのこともしてな」
「強くなるのね」
「そうしていく、ではうどんを食ったらだ」
見れば全員もうすぐ食べ終えようとしている、それは英雄も同じである。
「その次はな」
「すき焼きね」
「それを食う」
「勿論飲むこともよね」
「それもする」
酒も忘れていなかった。
「今日は晩飯までこちらにいる」
「そうするね」
「晩飯を食ったら大坂に帰るが」
移動の術を使ってだ。
「しかしだ」
「それでもよね」
「それまでは飲み食いを楽しむ」
こう言ってだった、英雄は自分の丼のうどんを食べ終えた、そうして酒の残りも飲んで仲間達と共にすき焼きを食べに向かった。
第百六十話 完
2020・5・1
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