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ヘタリア大帝国

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TURN41 雨と盾その九

「奴等はまだ余力がある」
「それに対してですね」
「我々は」
「ああ、もう限界だ」
 継戦能力自体が残っていないというのだ。
「撤退するぞ。いいな」
「インドカレーまでですね」
「そうしますね」
「そこれで艦隊を修復する」
 ネルソンに言ったのと同じくだというのだ。
「それでいいな」
「はい、わかりました」
「無念ですが」
 将兵達もこう言ってだった。
 エイリス軍は撤退に入った。戦いはこれで終わった。だが、だった。
 秋山は東郷にだ。こう言ったのだった。
「残念ですが今回は」
「追撃はだな」
「はい、殆どの艦隊がダメージを受けています」
 それでだというのだ。
「追撃はとても」
「できないな」
「ベトナムは占領できます。しかし」
「艦艇の修復が急務だ」
 そうだというのだ。東郷も。
「いいな。、それではだ」
「はい、今からですね」
「ダメージを受けている艦隊はマレーに戻れ」
 その中には東郷の艦隊も入っている。彼が直接率いる第一艦隊も尋常ではないダメージを受けているのだ。
「そしてそのうえでだ」
「修復した艦隊からですね」
「インドの諸星域の占領にあたろう」
「それでは」
「まずはベトナムを占領する」 
 それからだというのだ。
「そしてだ」
「はい、修復ですね」
「やはりエイリス軍は強いな」
 これが東郷の感想だった。
「尋常なダメージではない」
「暫く戦局に影響するでしょうか」
「そうかもな。しかしだ」
「そうですね。これで太平洋は全て解放しました」
「ベトナムも太平洋に加わる」
 このことは確かだった。ベトナムでの戦いに勝ったからこそ。
「その目的は達した」
「では」
「ああ、まずは艦隊の修復だ」
 何につけてもだった。
「それからだ。いいな」
「わかりました」
 こうしてだった。東郷はベトナムを占領させた。しかしだった。
 太平洋軍のダメージは大きかった。その修復には時間がかかることが危惧される状況だった。だがここでだった。
 平良が東郷にだ。こう言ってきたのだった。
「私に考えがあるのですが」
「考え?」
「はい、我が同志達の協力を仰いではどうでしょうか」
「獅子団か」
「獅子団の中には技術者も多くいます」
「その彼等の助けを借りてか」
 東郷は平良に対して述べた。
「そのうえで」
「そうです。艦隊を修理してはどうでしょうか」
「そうだな。多少のダメージの艦隊ならな」
「今すぐにでもダメージを回復できます」
「正直今のままだとな」
 どうなるかとだ。東郷は言うのだった。
「インドの占領は予定通りにはいかない」
「ですから。ここはです」
「わかった。では頼む」
「すぐに同志達に招集をかけます」
 平良の動きは速かった。そうしてだった。
 ベトナムを占領したところで全艦隊に応急処置が施されていった。それで多少のダメージの艦隊達が回復して。 
 すぐにインドの諸星域へ向かった。そしてマレーに戻った艦隊も。
 
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