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ロックマンZXO~破壊神のロックマン~

作者:setuna
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第六十話 第四の封印

 
前書き
コントロールセンターって使い回しなんでしょうけど、この作品集では前作のラスボスステージです。 

 
弱点である氷属性を受けて弱っていたところをギガクラッシュの直撃を受けたヘリオスは息を荒くしながら二人を睨む。

「…恥ずべき誤算…この私がハンターと失敗作如きに遅れを取るとは…!何も知らぬ貴様らがロックマンであるなど、私は認めない!!愚者に死を!この世界は私が変えてみせる!」

それだけを言い残してヘリオスはモデルVと共にこの場を去った。

そしてヘリオスがいた所にモデルHのデータが残り、アッシュはロックマン・モデルAに戻ってグレイと共にデータを取り込んだ。

そして次の瞬間に二人の体を激痛が襲う。

「きゃあああああぁぁっ!」

「うわあああああぁぁっ!」

激痛と共に次に解かれたプロテクトのレポートデータが展開される。

《コードUC80からAC195までを解放、レポートデータ展開》

《ライブメタルの力は誰もが手にしていい物ではない。選ばれし者、世界を変え得る者こそが手にすべき力である。そこで私はライブメタルを作った時、あるプロテクトを施した。選ばれし者のみがライブメタルの力を引き出せるというプロテクト…すなわち、適合者を設定したのだ。全てのレプリロイド達は寿命を設定し、ヒューマノイド達は体の一部を機械へ交換する時、レギオンズのチェックを受ける。このチェックの時、私が寿命の設定、体の一部の交換に関わったレプリロイドとヒューマノイド達には、私のDNAデータを組み込んだ。それこそがプロテクトの鍵であり、適合者の証なのである。そう、このデータを見ている君もまた、私のDNAを、私の血を受け継ぐ者なのだ》

レポートの展開が終了すると、モデルAが苦虫を噛み潰したような声を出した。

「…何て奴だ…おい…アッシュ、グレイ」

「僕が…アルバートの血を継ぐ者…?」

「アタシにも…ううん、アタシ達だけじゃない…ヴァンやヘリオス達にもアルバートの血が流れてる…って事?」

思わず自分の手を見つめる二人。

このデータがもし世界中に公表されたら大混乱は確実だ。

何せ今、ロックマンになっている者以外でアルバートの介入を受けた者など分からないのだから。

「…気にすんな…ってのも無理な話だろうけどよ、アルバートの野郎が、勝手に付けたラベルみたいなもんだ。あんまり深く考えるなよ」

「「う…うん…」」

モデルAの言葉に二人は頷くが、全ての元凶であるアルバートの血が流れていると知れば穏やかではいられないだろう。

「アルバートの野郎…自分がレギオンズの三賢人ってのを良い事に、やりたい放題か」

自分の地位を利用してやりたい放題をするアルバートにモデルAは苛立ちながら呟いた。

『確かに技術的な事はアルバートが最も優れていた。だが…まさかそんなところまで奴の手が及んでいようとは…すまない、我らの責任だ』

展開されたレポートのデータはレギオンズに送られており、内容を見たトーマスが通信を繋げて謝罪してきた。

「…大丈夫、覚悟はしてたわ。でも、ロックマンになれるってだけならヘリオス達も同じよ。アルバートがアタシを特別扱いする理由がまだあるはず…」

「僕やモデルAにもまだ秘密があるはずだ。そしてそれを知っているのは…」

「全てを知ってるのはアルバートってわけだ」

取り敢えずやるべきことは今までと変わらない。

「…絶対に見つけ出して締め上げてやるわ、アルバート!!」

拳を握り締めるアッシュにグレイも頷いた。

『直にそのエリアの重力異常も収まるだろう。次の目的地へ向かってくれ』

「と、次の目的地に向かう前にモデルHの説明をするぞ。どうやらモデルHに変身するとエアダッシュが出来るようになるらしいな、後はホバーで滞空出来るから機動力は他のロックマンとは比べ物にならないぞ。チャージ攻撃はプラズマサイクロンだけどよ、アッシュとグレイだとやっぱり性質が違うな。アッシュのプラズマサイクロンは前後に横の竜巻を繰り出すプラズマサイクロンH、横の範囲に優れる反面、縦の範囲が狭いのが特徴だ。グレイは前に斜め上と斜め下に縦の竜巻を繰り出すプラズマサイクロンV。前方の攻撃範囲は広いけど後ろと竜巻の間はがら空きになるから注意しろよ。他にも敵のデータをスキャンして調べることが出来るようだ。弱点のある敵に便利そうだ…相手の弱点が分からない時はモデルHでいるのが良いかもな」

「分かったわモデルA、それじゃあ次のエリアへ行くわよ!!」

リフトに乗って奥のシャッターを抉じ開けてトランスサーバーを起動させてイレギュラーが発生している場所であるコントロールセンターへと向かうのであった。

一方、二人が目指したコントロールセンターが見える崖の上にヴァンが立っていた。

「久しぶりだな、ここに来るのも……」

この四年で自分の故郷も随分と変わったものだ。

連合政府・レギオンズの支援をようやく本格的に受けられるようになったものの、やはりセルパン・カンパニーが健在だった頃と同じとはならず、四年前と比べて故郷も随分と変わっていた。

「まあ、ジルウェ・エクスプレスは健在のようだけどな」

エールとジルウェもガーディアンに所属しながら運び屋業は続けているようだからあまり心配はしていないが。

「セルパン・カンパニー…いや、コントロールセンターで何かあったな…」

人々が避難しているところを見ると、イレギュラーの襲撃があったのかもしれないとヴァンは久しぶりにセルパン・カンパニーだった場所に足を運んだ。

そしてコントロールセンターへと足を運んだものの、テティスやヘリオスとのダメージや疲労があったためにワープポイントのある部屋で少し休憩していたアッシュとグレイ。

「ここってどういう場所なんだろう」

「ここは火力プラントのコントロールセンターよ。結構最近に出来た物らしいけど」

「最近に出来たにしちゃボロすぎないか?」

壁が無くなって外が見えるし正直こんな状態の建物を何故火力プラントにしたのだろうか?

「ここは元々セルパンって言う大悪党の会社の建物だったんだけど、四年前の騒動の際に社長のセルパンが死んだことでカンパニーは解散。レギオンズがセルパン・カンパニーのビルを接収して火力プラントとして再利用したのよ。取り壊すにしても結構な大きさだから時間が掛かるし、だから国民の生活のエネルギーのことも考えて火力プラントに再利用したのよ。まあ、アタシもどうしてこのビルがこんな有り様なのか知らないけどね」

「へえ…」

「こんなでかいビルを滅茶苦茶にするくらいなんだからきっととんでもない戦いがあったんだろうな」

モデルAが周囲を見渡しながら言う。

それは正解である、何故ならここで四年前に大きな戦いがあったのだから。

そしてその当事者の一人と既に会っていることもアッシュ達は知らないのであった。 
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