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鴉も家族に

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第二章

「だからオリバーと一緒にね」
「楽しんでるのね」
「そうしているわ」
 実際にというのだ。
「毎日ね」
「そうなのね」
「確かに虫は苦手だけれど少しずつ慣れてきたし」
 それにというのだ。
「それに頭の上にうんちをされても」
「それでもなのね」
「また洗えばいいから」
 そうすればというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「いいからね」
「別になのね」
「ええ、それ位はね」
「心が大きいわね」
「大きいというか」
 むしろというのだ。
「生きものと一緒に暮らしていたらね」
「それ位はなのね」
「普通でしょ、犬だって色々あるし」
 つまりオリバーにしてもというのだ。
「だからね」
「いいのね」
「これ位はね」
「そうなのね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「一緒に暮らしていくわ」
「これからも」
「そう、飛び立つまでね」
 この時までと言って実際にだった。
 ソフィーは鴉との生活をあれこれされながらも楽しんでいた、だが鴉が飛び立つ様になるまでという期限はわかっていたので。
 それでだ、メアリーが自分の家に来た時に彼女に話した。
「成長して巣立つ時までね」
「あんたが飼ってなのね」
「それでよ」
 お茶を飲みながら話した、イギリスなのでミルクティーだ。
「巣立つ時が来れば」
「送り出すのね」
「笑顔でね」
「そうするのね、この子」
「カア」
 見れば鴉はというと。
 今は籠の中にいる、それで一声鳴いていてメアリーはその鴉を見てまた言った。
「何か親になった気分ね」
「実際その気分よ」
「そうよね」
「ちなみに雄よ、その子」
 ソフィーはメアリーにこのことも話した。
「性別はね」
「雄なの」
「そう、大分大きくなったし」
 ソフィーは拾った時のことを思い出しながらメアリーに話した。
「あと少しでこの子はね」
「巣立ってなのね」
「旅立っていくわ、その時までね」
「一緒にいるのね」
「そうするわ」
「ワン」
 ここでオリバーも鳴いた、まるでソフィーに同意するかの様に。そしてだった。
 メアリーはそんな彼女を見てそれで言った。
「覚悟というか運命は受け入れているのね」
「予定説じゃないけれどね」
 カルヴァン派のそれではないというのだ。
「けれどね」
「それでもなのね」
「そうしたものだってね」
 その様にというのだ。
「わかっているつもりだから」
「そのまま育てていくのね」
「そうするわ、それでその時は窓を開いて」
「送り出すのね」
「そうするわ」
「そうなのね」
「ええ、じゃあ餌の方が」
「もうすっかり慣れて」
 それでというのだ。 
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