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夢幻水滸伝

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第百三十五話 中国軍の反撃その三

「同じ位の星ならどなたが相手でも」
「一騎打ちならですにゃ」
 弥生も二人について話した。
「もうひま先輩は無敵ですにゃ」
「ひま先輩?」
「日毬さんなので『ひま』ですにゃ」
 日毬は『ひまり』と読む、その先の二文字を取った仇名だった。
「それですにゃ」
「樋口さんはそう呼ばれていますか」
「そうですにゃ」
「そのことはわかりました、とかくです」
「ひま先輩と玲子先輩はですにゃ」
「太平洋と地下世界で同じ位の星なら」
 それこそというのだ。
「勝てる人はいません」
「だからですにゃ」
「お二人は必ず勝たれ」
 玲子はさらに話した。
「他の星の方々もです」
「勝ちますにゃ」
「相性も考えての一騎打ちですし」
 日本のそれぞれの星の者に有利な相手に一騎打ちを挑む、そうしたというのだ。
「中には天の星の方が地の星の方に挑む」
「確かにそうもしてますにゃ」
「だからです」
「一騎打ちもですにゃ」
「問題ありません、ただ」
 ここで雅はその声を難しいものにさせてこうも話した。
「神星のお二方は」
「中里さんと芥川さんは」
「果たしてどうか」
 彼等についてはというのだ。
「問題ないと思いたいですが」
「相手の方々も強いです」
 太宰も言ってきた。
「非常に」
「はい、羅さんと施さんも神星」
「しかも中里君と同じ六将星ですね」
「采配だけでなく」
 さらにというのだ。
「武芸もです」
「かなりのものなので」
「しかも神具も非常に強力です」
 彼等のそれもというのだ。
「ですから」
「断言は出来ませんか」
「お二方ならと考えていますが」
 中里と芥川が勝つ、その様にというのだ。
「ですが」
「それでもですね」
「断言は出来ません、お二方に頼みます」
 中里、そして芥川にというのだ。
「そのことは」
「そうですか、では」
「最後の一手、勝利を決定するのは」
「お二人の頑張りですね」
「そうです、最後に空は」
 雅は空を見上げた、そこには。
 中国軍の空船達、空軍が大挙して綾乃に向かっていた。空での戦いを続ける船もあるが。
 多くの船が綾乃一人に向かっていた、雅はその状況を見て言った。
「出来ればです」
「星の方がですね」
「どなたか助っ人に行ければ」
 こう太宰に言うのだった。
「いいのですが」
「ですが今は」
「その余裕がです」
「ないですね」
「陸と海で手が一杯です」
「ですがこのままでは」
「棟梁が危うくなります」
 他ならぬ綾乃がというのだ。
「そして棟梁が討ち取られますと」
「戦はそこで終わりです」
「日本の敗北で」
 総大将である棟梁が討ち取られるとだ、この世界での戦は総大将が討ち取られると勝敗が決するというのだ暗黙の了解なのだ。 
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