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魔転語(魔王転職物語)

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2話~勇者の後継~





「私の名前はシャルル。マオ様に仕えるスライムであります」

青いスライム、シャルル。

彼はマオが魔王として仕える前から執事として仕えるモンスター

得意魔法は【変身】

様々な物や人に変身ができマオを献身的に支える側近である。

「私の紹介は置いといて少しマオ様の紹介をしたいと思います」

マオ・テンペスト

魔王として魔族を率いて人間と戦う魔族の魔王。

異名を、【天災の魔王】

あらゆる、魔法また天候を操る歴代最強の魔王。

銀色の髪をなびかせ端正な顔立ちのイケメンである。

年齢は300歳、100年前に前魔王の父から魔王の座を受け継ぐ。

ちなみにとても美人の嫁がいるが今は別居中である。

嫁は恐妻家であり、マオは頭が上がらないらしい。

「ここまでが、マオ様の簡単な紹介であります。マオ様の奥様はとても美人な方ですが性格に難ありとマオ様が仰っていました。」

勇者王、アレクセイ・ペングラムとは、好敵手でありながら友のような存在らしい。

とても家臣思いで魔族のモンスターからも、評判が良かったが幹部の1人サタンの策に填まり人間となってしまった。

「ムムム……サタンの奴めあれほどマオ様に良くしてもらっていたのに……それにしても嘆かわしいマオ様、人間となり魔力も力もほとんど失われてしまった。」

さて、マオ様の紹介はこの辺で終わりにしましょう。

「進行はマオ様の執事シャルルが務めさせていただきました。マオ様、バンザーイ!」






第2話~勇者の後継~

「私、もう、勇者じゃないもん」

アレクセイからの衝撃の一言に俺は唖然となる。

勇者を辞めた?

なぜ?なんで?

確かに歳を取ったとはいえ、その鍛え上げられた肉体は現役そのもの

「アレクセイ、なんで?なんで、勇者辞めたの?」

「まぁ、アレだよ。肉体は現役時代と変わらないがそろそろ世代交代かなと思って」

世代交代だと?では、新たな勇者が居るということか?

「私の後継は我が娘レイナ・ペングラム次期王としてこの国を背負うものだ」

レイナ・ペングラム、そうかアレクセイの後ろによく居たあの娘か

俺は戦争の時に何度か見た娘を思い出した。

「では、その後継の勇者にお願いするしかないのですね。時に勇者王アレクセイいつ頃勇者の座を?」

シャルルがアレクセイに質問をする。

「一月ほど前じゃスライムよ」

「一月前、私達が魔王城から逃げ出した時ですね」

なるほど、逃げるのに必死で知らないわけだ。

「ちなみに新たな勇者は強いのか?」

「正直言うと駆け出し勇者と言ったところか。しかし、駆け出しとは言ってもその辺の冒険者や兵士達とは実力は違うがの」

「マジか……聖剣エクスディアも」

【聖剣エクスディア】勇者に代々継がれる、最強の魔剣である。

俺も何度も苦しめられた聖剣である。

「で、今新たな勇者は?」

「今はギルドの仲間と共に修行しておる」

どうしたものか、冒険者や兵士達より強いとはいえ、今の魔王サタンには到底勝てるとは思えない。

勇者を辞めたアレクセイと共にサタンに立ち向かっても聖剣なしでは正直キツイ。

「はぁー、どうすっかな」

落胆をする、俺をみて

「力になれずすまない。しかし、時間はかかるだろうがレイナは必ず強くなるだろう。それだけの潜在能力を持っている」

「なるほど……まぁ、俺もなんとか頑張ってみるよ」

人間になり、レベルも1、正直サタンに勝てる気はしない。

地道にレベルアップして、サタンを倒せるのはいつになるかわからない。

最悪、人としての寿命を迎えジ・エンド。

だが、置いてきてしまった魔族の仲間や家臣を思うと諦めるわけにもいかない。

「魔王よ、気持ちは察するが今は解決できん問題だ」

「そうだな、やれることやるよ。まずは、レベルアップだな」

少しでも強くならないと

「ならば、こういうのはどうだ」

アレクセイが提案する。

「これからは、人間として生きて魔王サタンを討伐するため【ギルド】に入るのは?」

【ギルド】人間達が協力してクエストをこなし、レベルアップや報酬を受けとる場所だ。

「ギルドか確かにギルドの連中には手を焼いたな」

アレクセイと共に魔族と戦ってきたきた連中だ。

人間となった今、それが一番強くなる方法かもしれない。

「そうだな、そうしてみるよ。いろいろ迷惑かけてすまなかったなアレクセイ」

俺はアレクセイに頭を下げる。

アレクセイ元勇者「構わん。あまり役に立てなかったからな。」

「それで、良いギルドはあるか?」

俺はアレクセイにギルドについて聞く。

「ならば、【蒼天の義勇】が良いだろう。この町を本拠点としてエルディア最強のギルドだ。我が娘レイナもそこに所属している」

【蒼天の義勇】聞いたことはある。ギルドメンバー全員が強く、ギルドマスター【小覇王リンファ】には、我が魔王軍幹部を一人討たれたことがある。

確かに、そこならば強くなれそうだ。また、アレクセイの話しでは、新たな勇者レイナが居るらしいからな。

「わかった。そこに行ってみるよ」

俺はギルド、蒼天の義勇に向かうことを決めた。

「それでは、マオ様、今日はもう夜遅いですし、明日行くとしましょう」

シャルルが俺に言う。

「あぁ。悪いがアレクセイ一晩泊めてもらえるか?無一文でね」

何もないアピールをする。

「あぁ。構わん。まさか、魔王とひとつ屋根の下過ごすとはな。がーはっはっはっ!」

アレクセイは笑って了承してくれた。

「それと、ギルドには私が紹介状を書いておこう。今日はゆっくりするとよい。」

「すまないな。」

アレクセイ、敵としては恐ろしい勇者であったが、人間として素晴らしい男だ。

敵である俺……魔王であった、マオ・テンペストを懐にいれてしまうのだから。

もっと、早く打ち解けていれば魔族と人間仲良くできたかもしれないな。

「おやすみ、元勇者」

「あぁ、おやすみ。元魔王よ」

こうして、俺は新たな道を見つけマオ・テンペストの物語が始まるのだった。






時は変わって

ギルド

蒼天の義勇

「風が変わった」

ギルドの窓から夜空を見ていた一人の美少女。

レイナ・ペングラム

新たな勇者にして

エクシリアの人達の

新たな希望

「レイナ、風が冷たくなってきたわ。身体を壊す前に早く寝なさい」

レイナ「うん。ありがとう、リンファ」

レイナは再び夜空を見上げ

「嵐になりそう」




時は変わって魔王城

また、一人動き出すもの。

「マオはまだ見つからないのか。」

堕天の王にして

マオ・テンペストが最も

恐れるもの。

「我が最愛の夫にして、最愛の下僕は」

【堕天の王ルシファー】






次回第3話~蒼天の義勇~
 
 

 
後書き

次回第3話~蒼天の義勇~

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