ロックマンZXO~破壊神のロックマン~
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第十二話 遭難者の捜索
ガーディアンベースで待機していたヴァンとエールは突如、呼び出され、司令室のブリッジに入った。
「プレリー、来たぞ」
「だからヴァン、タメ口は止めろって…」
「良いんです、ジルウェさん。実はあなた達に頼みたいことがあるの」
「頼みたいこと?」
プレリーの言葉に首を傾げるエール。
「イレギュラーか?」
「それもあるんだけど、エリアFで何者かの救難信号をキャッチしたの。そして付近にライブメタルの反応も…恐らくイレギュラーに囲まれて身動きが取れなくなった民間の遭難者だと思うの、だからあなた達にはエリアFに向かってもらって遭難者の救助をして欲しいの。ライブメタルはもし可能なら回収してもらえる?」
「エリアFって確か、雪山だったよな。氷属性のイレギュラーが沢山いる場所だな」
「ええ、二人なら大丈夫だと思うけど…それから湖の中に入ることになるかもしれないから、小型の酸素ボンベと…後は……ヴァン、後ろを向いて」
「?ああ」
後ろを向くとプレリーが髪ゴムを取り出して背中に伸びる髪の毛先を纏めてくれた。
「これで泳ぐ時の邪魔にはならないはず…気をつけて…行ってらっしゃいヴァン」
「ああ、行ってくる」
プレリーの言葉に頷きながら、ヴァンはトランスサーバーのある部屋に向かった。
「ジルウェ…何かプレリー、変わったかもしれない」
「何が変わったんだ?いつも通りだと思うけどな…」
「何て言うか…ヴァンを見る目が前と少し違う気がするんだ。何となくだけど…それじゃ、ジルウェ。アタシも行ってくるよ」
「ああ、気を付けろよ」
エールもジルウェに出撃を伝えると、ジルウェもまた頷いて送り出した。
トランスサーバーを使ってエリアFへの最短ルートを辿っていき、しばらくしてエリアFの雪山に到着した。
「さ、寒い…!」
「雪山だしな…」
ロックマンの状態でなければとても耐えられそうにないくらいに寒い。
現にヴァンもあまりの寒さに表情が引き攣っている。
「寒いならモデルFをロックオンしろよ。炎属性なんだから今よりマシになるんじゃないか?」
「そ、そうね…ダブルロックオン!!モデルFX!!」
エールはヴァンの提案を受け入れてモデルFXに変身すると、何となく寒さがマシになったような気がする。
「プレリー、エリアFに着いたぞ」
通信を繋いで、これからどうすればいいのかの指示を聞く。
『救難信号は確かにこのエリアからだわ。でも、電波が弱いから信号の発信場所が特定出来ないの』
「こっちも何も受信出来ない…もっと奥に進んでみる」
「…もしかして湖に飛び込むなんてことないよね……?」
『可能性はあるかも…だから湖に飛び込む時はしっかりと小型の酸素ボンベを口に含んでおくこと。あなた達はレプリロイドじゃないから水中での活動時間が限られてるもの』
「やっぱりー…どうせ飛び込むならもっと暖かい場所の海がいい…」
「文句言うなよエール、行くぞ!」
ボンベを口に含んでヴァンは先に進み、エールも慌ててボンベを口に含んだ。
「ちょ、ちょっと待ってよ!!」
二人はダッシュで雪山を駆け抜けていき、下に向かって飛び降りると、イレギュラーと化したメカニロイドが行く手を阻む。
「はああっ!!」
ヴァンはホルスターからアルティメットセイバーを抜いて、メカニロイドをチャージセイバーの一撃で粉砕し、エールも後方からモデルFXの装備であるナックルバスターを構えてショットを連射して破壊する。
途中で氷のブロックとジャンクのブロックが積み重なって道を塞いでいたが、ヴァンはオメガナックルのエネルギーを拳に纏わせて殴り砕き、エールもエネルギーを纏わせたナックルバスターによるパンチで殴り砕いて道を作った。
そして奥のシャッターを潜った先には湖が広がっており、ヴァンとエールは一瞬硬直した。
「仕方ない、潜るぞエール」
「ええ!?そんなぁ…」
湖に飛び込んだヴァンの後をエールも泣く泣く湖に飛び込んだ。
「つ、冷たい…!」
「雪山の湖だからなぁ…」
さっさと抜け出して体を温めたいと言うヴァンとエールの共通した気持ちである。
湖を地上と全く変わらない速度で移動するヴァンだが、エールは水の抵抗をまともに受けており、地上と比べて明らかに鈍くなっている。
「遅いぞエール」
「ヴァンが速すぎるだけでしょ!」
しばらく泳いでいると、光が差す場所を見つけて一気に浮上すると、シャッターを発見する。
「あそこだ…行くぞエール!」
「う、うん…寒…寒い…」
寒さにガタガタと震えながら、エールは先を行くヴァンを追い掛ける。
シャッターを潜り抜けると、発信源の近くまで辿り着いた。
「ねえ!助けにきたよ!誰かいるんでしょ?位置を教えて!」
エールがどこかにいるらしい遭難者に向かって叫ぶものの、遭難者からの返事はない。
「…おかしいな…返事がない…」
警戒しているにしても何の反応がないのはおかしいとヴァンは思ったのだが、直後にプレリーからの通信が来た。
『でも確かに発信源はその辺りだわ。救難信号を出している機械が近くにあるはずよ。探してみて』
「分かった……上が怪しいな。行ってみるかエール?」
「うん!」
壊れた道を伝って上を目指す二人だったが、途中でメカニロイド達の妨害を受ける。
「邪魔だ!!」
炎属性のエレメントチップを使ってチャージ攻撃に属性を付加させると、メカニロイド達の大半は一撃で沈んでいく。
エールも上空の動きを阻害してくるメカニロイドにショットを放って撃墜していき、二人は順調に頂上へと登っていくと、氷とジャンクのブロックによって塞がっている場所を見つけた。
「反応が近いな…もしかしたらここの奥か?」
「もしかしたら、閉じ込められて出られなくなったのかも!」
ヴァンとエールがブロックを殴り砕いていくと、思った通りに扉があった。
扉が開いたので、部屋に入ると発電所で見たメカニロイドが道を塞いでいた。
「こいつはあの発電所でも見たな。」
「ヴァンが倒したんだっけ?どういう敵なの?」
「下のビーム砲と突進にさえ気を付ければ大丈夫…」
メカニロイドがキャタピラを動かした瞬間、ベルトコンベアの床も同時に動く。
「「っ!?」」
突然のことに二人は体勢を崩してそのままメカニロイドの元まで運ばれる形となり、ローラーの真下まで行った直後に振り下ろしてきたので、咄嗟にダッシュジャンプで回避して、壁に張り付いた。
「あ、危なかった…」
「今のは少しヒヤッとしたぞ…ここから攻撃だ!」
壁に張り付きながらヴァンはバスターショットを、エールはナックルバスターを構えてショットを連射した。
二人の同時攻撃によってメカニロイドはあっさりと破壊され、沈黙した。
「はあ、びっくりした…」
「向こうに扉があるな…行こうエール」
扉を潜ると、部屋の中には誰もいない。
強いて言うなら大型の端末があるくらいで、この機械が救難信号を発信していたようだ。
取り敢えずプレリーに通信を繋ぐヴァン。
「…プレリー、救難信号を出している古い端末を見つけた。だけど、周りには誰もいないみたいだ。」
『誰もいないなんて…一体どういうことなのかしら…』
「あっ!でも、端末にデータディスクが入ったままになってる」
端末を調べていたエールが端末を操作してデータディスクの内容を見る。
《私も、もう長くはない…このデータが心正しき者の手に渡ることを祈る…我々ガーディアン調査隊はこのエリアで不思議な金属の欠片を発掘した。まるで生きているかのように意志を持ち、我々の意識に語りかけてきたそれを、司令官は“ライブメタル・モデルV”と名付けた。司令官の指示の下、ライブメタルの研究は続けられたが…調査隊のほとんどの者が体の痺れや、頭痛などの異常を訴え始め、それを知った司令官は我々をライブメタルから遠ざけ、一人調査を続けた。》
「ヴァン…これって…レポート?」
「そのようだな、でもまだ続きがある…見てみよう」
レポートの続きを読んでいく二人。
恐らくプレリーもモニターから内容を読んでいるはずだ。
《研究も終わろうかというある日…仲間の一人が暴走し、彼によって我ら調査隊は全滅させられた。彼は調査隊のデータを全て消去した後、モデルVと共に姿を消した。彼の名はセルパン、最も研究熱心で、最もモデルVの欠片に興味を示していた男だ。一体彼に何が起きたのか…残された僅かなデータから分かったことを、ここに残そう。》
レポートを読み終えた二人の目は驚愕で見開かれていた。
「データはこれで終わってるな…」
『これは、お姉ちゃんが…初代司令官がいた調査隊のレポートだわ…!…救難信号はこのデータを誰かに発見させるために出され続けていたのね。でも…お姉ちゃんの調査隊が全滅してたなんて…』
「…しっかりしろ、プレリー。敵のライブメタルの反応がどこにあるか教えてくれ」
動揺しているプレリーを落ち着かせるように言うと、ヴァンはライブメタルの位置を尋ねる。
『…ヴァン…?』
「セルパン・カンパニーの奴らがこのデータの続きを持っているかもしれないだろ…プレリーのお姉さんのことだってまだ駄目だと決まったわけじゃない…プレリー、最後まで諦めるな」
『……そうよね…ありがとう…ヴァン(“最後まで諦めるな”…か、お兄ちゃんも、お姉ちゃんが諦めかけた時、そう言ってたっけ…そうだよね、諦めちゃ駄目だよね…お兄ちゃん…お姉ちゃん…)』
通信越しのプレリーの声は少し掠れていた。
蚊帳の外にされていたエールが咳払いを一つする。
「コホンッ、それにしてもセルパンがガーディアンのメンバーだったなんて…」
「プレリーも知らなかったようだしな」
『ええ、私も知らなかったわ。そんなデータはベースには残されていなかったもの…』
何故、セルパンは暴走してしまったのか?
その答えは恐らくこのレポートのデータの続きに残されているはずだ。
「取り敢えず、ライブメタルの反応を追ってみよう。もしこのエリアのフォルスロイドが持ってるなら奪えばいいしな」
『そうね、ライブメタルの反応はロックのかかった扉の先よ。扉のロックはガーディアンベースからハッキングして、開けておくわ』
「分かった、エール。ミッションを続行するぞ!データの続きを取り戻す!」
「うん!」
二人は部屋を飛び出し、ロックがかかっていた扉へ向かう。
場所はオペレーター達が教えてくれたので、すぐに到着出来た。
扉を潜ると再び湖が広がっているが、ヴァンもエールも躊躇することなく飛び込み、ヴァンが先行してもらいながらエールも追い掛けた。
しばらく泳ぐと、奥の方にシャッターが見えた。
『待って、二人共…ライブメタルの反応の他にもエネルギー反応…きっと復活したレプリロイドだわ!気を付けて!!』
「「了解」」
復活した過去のレプリロイドもいると言うことは、今回も激しい戦いになるだろうと判断した二人はシャッターを潜り抜けた。
「ヒャッハアアアアッ!!」
「てめえ!待ちやがれ!!」
狼のようなレプリロイドと、小さなレプリロイドが既に交戦している。
小さい方のレプリロイドが攻撃を飛ばすものの、狼のレプリロイドの機動力はそれを容易く回避してしまう。
恐らく狼のレプリロイドも水の抵抗を全く受けないのだろう。
「おいおい、そんな攻撃なんざ遅すぎて欠伸が出ちまうぜ。もっと速く攻撃を…っと、わりぃわりぃ。あんたそれで速く攻撃してるんだったな?」
「てんめえっ!このルアール様を何度も馬鹿にしやがってぇ!!」
「あー、あー、うっせえうっせえ。あのオッサンも相当なもんだったが、あんたはそれ以上だなっ!!」
一瞬でルアールとの距離を詰めたかと思えば両腕の刃で斬り刻む。
「舐…めんなあーーーっ!!」
突如地面に潜んでいた巨大な本体が飛び出してレプリロイドを噛み潰そうとするが、あっさりと距離を取られてかわされる。
それどころか、本体に巨大な氷の刃を叩き込んでダメージを与える。
「わりぃな、俺のお目当ての奴が来ちまったようなんでな。お前と遊ぶのはおしまいだ。よう、初めましてだな破壊神の器様よ。あんまり遅ぇからこいつで遊んでたんだよ」
「お前が復活したレプリロイドだな?」
「ああ、俺はフェンリー・ルナエッジ。あの方に仕えていたレプリロイドだ…それにしても破壊神様ってのは英雄様に似てるんだな…いや、破壊神様が英雄様のボディを使ってたんだから当たり前なんだけどよ」
「そして、そこにいる奴がライブメタルを持ってるフォルスロイドってわけね」
「ああ、奴からライブメタルの…あいつの気配を感じる」
モデルZが姿を現し、ルアールの疑似餌部分を見ながらエールに言うと、ルナエッジがモデルZを見て笑みを浮かべた。
「何だい英雄様じゃねえか?宇宙の塵になっちまったのかと思ってたらあの方のようにライブメタルになってたのかよ?」
「モデルZ、あいつのこと知ってるの?」
「データでは知っているが、俺自身は会ったことはない…俺のオリジナルに破壊された奴なのだろう」
「なるほどね」
モデルZの言葉に納得すると、今まで放置されていたルアールが口を開いた。
「てめえら…」
「「「「ん?」」」」
この場の全員が振り返ると、怒り心頭といった様子のルアールがこちらを見下ろしていた。
「随分と楽しそうだなぁ?おい、アタシを無視して立ち話たあなぁっ!!しかもそのデータは…っ!使えねえ部下共っ!どいつもこいつもアタシを苛つかせやがってぇ!!アタシの本体の餌にしてやらぁ!!」
本体が飛び出してヴァン達に襲い掛かるルアールの本体。
三人とモデルZはそれをかわして、体勢を整える。
「あれがあいつの本体…でも喋ってるのは疑似餌の部分のようだし、本体が下半身みたいなもんなのか?」
「え?た、多分…」
ヴァンの問いにエールは肯定してしまった。
「ふーん、ルアールだっけ?あいつ滅茶苦茶下っ腹が肥えてるんだな」
ルアールの本体を見つめながら爆弾発言するヴァン。
「………~~~っ!!!てんめえ!アタシがデブだって言いてえのかあっ!!?」
怒りが臨界点を突破し、本体がヴァン達に突撃して疑似餌が氷の攻撃を繰り出してくる。
「何であいつ、あんなに怒ってるんだ?」
「当ったり前でしょ!?昔からそうだったけど、あんたデリカシーなさすぎ!!」
女の子のタブーを口にしたヴァンにエールが怒鳴る。
「ギャハハハッ!最高のギャグだぜ破壊神様よぉっ!!」
ルナエッジもまた腹を抱えて爆笑しており、更にモデルZとモデルFが追撃する。
「エール、あれは下っ腹が肥えているのではないのか?」
「だよなぁ、あれが下半身だってんなら相当太ってるぜ」
「ちょっ!?」
「殺す!てめえ殺す!!」
標的をエールにしたルアールは本体の口を大きく開けて突進してきた。
「ちょっ!?ア、アタシじゃないでしょーっ!!?」
「何故あんなに怒る?情緒不安定か?」
「おかしな野郎だな」
「あんた達のせいよっ!!」
女の子のタブーを口にしたモデルZとモデルFに怒鳴りながらも、自棄になったエールはナックルバスターを構えて迎撃するのであった。
「ギャハハハッ、いやー笑ったぜ。面白れぇギャグだったぜ破壊神様よ……さて、あんたをぶちのめして、俺達と一緒に来てもらうぜ」
ヴァンとルナエッジが睨み合い、ヴァンはセイバーを構えるとルナエッジに突撃する。
「喰らえっ!!」
見た目と戦い方から氷属性だと判断したヴァンはフレイムチップを起動させてチャージセイバーを繰り出す。
「遅ぇよっ!!」
ジャンプでかわし、水中であることを利用して複数の氷の分身を作り出すと、ヴァンに向かわせる。
背中のバスターを引き抜いてショットを連射するが、氷の分身はかなりの耐久力があり、いくらかは削れたものの破壊には至らなかった。
「ぐっ!?」
「そらそらぁっ!!」
巨大な氷の刃を発射してくるルナエッジ、何とかかわそうとするが、ルナエッジは体を高速回転させてバウンドしながら体当たりを仕掛けてくる。
「くそっ!!」
両手にエネルギーを纏わせてそれを受け止めると、ルナエッジの動きが止まった。
そしてそのまま殴り飛ばすが、属性は付加されていないので決定打にならない。
「へへ…やるなぁ、破壊神様よ…伊達に英雄様と同じ姿はしてねぇってことか。持ってる武器もあいつを思い出させやがる」
「……………」
「…懐かしがってる場合じゃねえな。あの嬢ちゃんもあの魚を追い詰めてるようだし、さっさとカタをつけさせてもらうぜ」
次の瞬間にはヴァンの背後に現れていた。
「何!?」
「俺の最速についてこれるかな?」
振り下ろされる氷の刃をセイバーで受け止める。
「グルオオオオオッ!!!」
雄叫びを上げながらルナエッジはヴァンの周囲を動き回り、両腕の刃と牙で傷を負わせていく。
「ぐっ!?」
何とかチャージバスターかチャージセイバーを当てたいものの、動きが速すぎて当てられない。
ルナエッジの体当たりをまともに受けたヴァンが吹き飛ばされ、地面に叩き付けられる。
「(あいつのスピードさえ、何とか出来れば…!!)」
ルナエッジは機動力に特化したレプリロイドのようなので、炎属性のチャージセイバーかチャージバスターを当てることさえ出来れば勝機は出てくる。
「とどめだぁっ!!」
右腕の氷の刃が振り下ろされ、ヴァンは意を決して利き腕ではない左腕で受け止めると、アーマーが砕けて血が溢れ出し、内部の機械が露出した。
「ぐ…おおおおおっ!!!」
激痛に顔を歪めながらも左腕を犠牲にしてルナエッジにチャージセイバーを叩き込む。
「ぐあっ!?(こいつ、左腕を盾にしやがった!?肉を切らせて骨を断つって奴か!!)」
よく聞く言葉だが、本当にやる奴など珍しい。
炎属性の攻撃をまともに受けたことで傷口から炎が発火し、炎に弱いルナエッジにダメージを与えていく。
「これでお前の自慢のスピードは出せないだろ?」
「へ、へへ!やってくれるじゃねぇか…今の時代にはヘタレな奴らばかりだと思ってたらお前みたいにイカれた奴もいるなんてな!!」
好戦的な笑みを浮かべながらルナエッジはヴァンに飛びかかるものの、以前のようなスピードがない。
「(スピードが半減…イケる!!)」
攻撃をかわしながらセイバーをチャージし、ルナエッジに当てていく。
「ぐ…おおおおお…っ!!」
体が発火して悶えるルナエッジにヴァンは大きくジャンプして空中からの回転斬りを喰らわせ、着地と同時に三連擊を叩き込むと、ダメージを受けすぎたルナエッジのボディが崩壊していく。
「ふう…っ」
勝利を確信したヴァンは左腕を庇いながら崩壊していくルナエッジを見つめる。
「へ、へへ…流石だな…破壊神様の器だけあってそれなりに強ぇ…ってわけだ…でも忘れるなよ…そいつの力は…本来はあの方の…っ」
言葉を言い切る前にルナエッジは爆散してしまい、最後まで聞くことは出来なかったが、向こうを見るとエールもルアールを倒したらしく、ルアールの本体から煙が出ている。
「畜生…畜生…何でアタシがこんな目にーーーっ!!」
納得がいかない最期にルアールは叫びながら爆散したのであった。
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