曇天に哭く修羅
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第二部
笑み
前書き
エリザ戦大幅カット。
クリスが原作より強いですからね。
_〆(。。)
日英親善試合・大将戦。
《エリザ・ネバーエンド》は冷然とした闘気を放ち、《クリス・ネバーエンド》は微笑みを浮かべている。
試合の開幕まではエリザの圧勝に終わると思われていた予想を覆し、序盤からクリスが流れを持っていった。
エリザは【魔術師】になってから初めて公式戦でのダウンを経験し、全身ズタボロで血まみれになるまで追い込まれる。
彼女が誇る『風の絶対防壁』が意味を為さないのだからそれも当然だろう。
エリザはそれでも立ち上がった。
クリスは容赦しない。
「召喚、暴虐極メシ妖精群」
青い人形と赤い人形の群れ。
その赤い人形がエリザに向かっていく。
「爆ぜろ、ファミリア」
エリザは風の絶対防壁によって自身の3メートル圏内まで来た攻撃をことごとく防いできたのだが、今回のクリスに限っては勝手が違う。
彼女の攻撃は風の防御を突き抜ける。
エリザは風の【異能】で自身を加速させつつ風によって迫り来る攻撃の軌道を歪めるが、クリスの攻撃は徐々に激しくなり勢いを増していくので処理が追い付かない。
(私の知るクリスとは別人ね……)
基本的な能力が自身を凌駕することを認めたエリザだが、クリスは異能や外装の『攻撃力』で風の絶対防壁を破られたわけではないのだ。
《永遠レイア》の『改造』で使えるようになったクリスの異能が発揮する『効果』によってクリスはエリザの天敵とも言える存在と化した。
「エリザ、あんたは強い、私は弱い。でもそれで良い。私は弱者だからこそ強者のあんたに勝てる。もうエリザの真似はしたりしないし強者になろうとしない。私は弱者で在り続ける。その運命を背負いながら強者として生まれた連中をブッ壊す!」
エリザとは真逆に有る対極の道。
それを選んだクリスは髪を纏めていた紐/ひもを解/ほどいて捨てる。
サイドアップの金髪がシンプルなロングになったことで双子に見えるほど似ていたエリザとクリスに見て解る違いが表れた。
トラウマは完全に消えたようだ。
クリスの宣言にエリザの雰囲気が変わる。
見下すような態度ではない。
倒すべき『敵』だと認めた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「光栄に思いなさいクリス……。エリザ・ネバーエンド最大の一撃を見せてあげる……。これで終わりにするわ」
左手に握る深緑色の細剣を天へ掲げた刹那、エリザを中心にして色が付いた深緑の風が渦を巻いて結集し、凝縮されたエネルギーが高まって輝きを放つ。
「正念場だもの。出し惜しみはしない。全てを出し尽くす。我が【魔晄外装/ファーストブレイク】のゼフィロスに懸ける」
ならばとクリスも鬼札を切った。
彼女が持つ【特質型】と言われる外装の特徴は外装の複数召喚である。
フィールドに出せる限り、そして自分の【魔晄】が保てるギリギリの数を呼び出して自身の周囲を埋め尽くしていく。
「災禍ノ軍勢ッ!! 大軍招来ッ!!」
外装によって構成された軍隊の様相。
彼女が出せる外装の最大数と言えた。
多種多様な武器兵器の群衆だ。
エリザが細剣を突き出し力を解放。
「ゼフィロスエクセリオンッ!! バーストオオオオオォォォォォッ!!!」
深緑の風が巨大な光柱の刃となって真っ直ぐに大気を貫きながら疾走る。
「滅べ、灼熱と輝きに包まれて……!!」
クリスの外装が放つエネルギーが集束し、一つの奔流になって最強の一撃を生む。
ぶつかる二つの威力は同等。
しかし性質が明暗を分けた。
レイアに改造されるまでクリスが使えなかった異能は【破壊】と言い、外装の攻撃によって生物以外のあらゆる物質と魔術師の異能を破壊して消滅させることが出来る。
エリザは火力に呑まれていく。
「やるようになったわねクリス……」
彼女は敗北の間際に微笑んだ。
後書き
_〆(。。)
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