恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第八十三話 呂布、あえて騙されるのことその七
「そうする」
「わかりました。それではです」
「我等はこれで」
「関を開けます」
「そうします」
「うん、そうする」
こう話してであった。実際にだ。
呂布は関を開放してだ。そのうえでだ。
陳宮を介してだ。関の一室で劉備達と話すのだった。劉備は五虎将軍と二枚看板の軍師を連れてだ。呂布と話をするのだった。
それを聞いてだ。本陣の袁紹は面白くない顔をしていた。
「総大将はわたくしですわよ」
「それはそうだけれどね」
曹操がその彼女に応える。
「ただ。今回はね」
「仕方がないといいますの?」
「だって。呂布が知っているのは劉備達なのよ」
「それで、なのですね」
「そうよ。私達のことは知らないから」
それでだと話す曹操だった。
「だったら。降伏の話もね」
「劉備さん達となのですね」
「私達は報告を待っていればいいのよ」
曹操は袁紹に話した。
「ゆっくりとね」
「ううむ、何か腑に落ちませんわ」
袁紹はそれも気に入らないというのだ。
「こうした話は是非わたくしが」
「だから。本当に何でもかんでもでしゃばらないの」
曹操が言いたいことはそのことだった。
「そういうところ子供の頃から変わらないじゃない」
「確かに。そうですね」
「麗羽殿は昔からですね」
曹操の言葉に曹仁と曹洪も応えて話す。
「そうしたところは」
「何といいますか」
「悪いのでして?」
「思いきり悪いわよ」
曹操は袁紹に思い切り突っ込みを入れた。
「だから。自重しなさい」
「自重?聞き慣れない言葉ですわね」
「そういうことだから駄目なんでしょ、全く」
というようなことを言ってもだ。実は呆れていない曹操である。
それでだ。袁紹にこうも話した。
「まあいいわ」
「いい?何がでして?」
「こうしてただ待っているのも何だから」
「それでは一体」
「お茶にしましょう」
曹操は割り切った感じで提案した。
「いいわね、それで」
「ええ、それでしたら」
袁紹もだ。納得する顔で応えた。
「お茶ですわね」
「とりあえず最初の関は無事越えられるし」
「いい結果になりましたわね」
「だからよ。そのお祝いの意味でもね」
「お茶ですわね」
「飲むわよ。いいわね」
「わかりましたわ」
こんな話をしてであった。袁紹達は今は茶を飲んで話の結果を待つのだった。そうしてだ。
その一室でだ。呂布は自身の向かい側に座る劉備に言った。
「恋は劉備達とは戦わない」
「そうしてくれるんですね」
「戦う理由がないから」
それでだと話すのである。
「だからもういい」
「有り難う、呂布さん」
呂布のその言葉を受けてだ。劉備はだ。
明るい笑顔になってだ。呂布に話した。
「それならもうこれで」
「関もいい」
そこの守りもだ。放棄するというのだ。
「先に行っていい。ただ」
「ただ?」
「月には手を出さないでいて欲しい」
董卓にはだというのだ。
「月は。詠が大事にしてる娘だからな」
「それでなのだな」
「そう」
関羽の言葉にもだ。こくりと頷いて返す。
「だから」
「うむ、わかった」
関羽は呂布のその言葉にも応えて話した。
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