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夢幻水滸伝

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第百三十一話 琉球を出てその一

               第百三十一話  琉球を出て
 中里はこの時琉球の海に出ていた、ヨットを出してそこで仲間達と共に海や空を観たりして楽しんでいる。
 その中でだった、彼は共にいる室生に言った。
「今は誰も泳がへんか」
「泳いでもいいだろうが」
 それでもとだ、室生は応えた。見ればどの者も生地の薄い和服である。
「しかし今はな」
「それをするよりか」
「この様にな」
「海や空を観て楽しんでか」
「そしてだ、食べるか」
 室生はクーラーボックス、ドライアイスを入れたそこからアイスクリームを出して中里に食べる様に勧めた。
「他にも色々あるが」
「貰えるか?」
「ああ、幾つだ」
「今は一個でええわ」
 それだけでだとだ、中里は答えた。
「バニラをな」
「わかった、ではな」
 室生は丁度手にしていたそのバニラを中里に手渡した、中里は早速そのコーンタイプのアイスクリームを食べはじめた。
 そうしつつだった、中里は室生にあらためて話した。
「それでやが」
「今はだな」
「この船におる奴は泳がんな」
「そう言う君もな」
「何か沖合で泳いだら」
 それはとだ、中里は室生に答えた。
「結構危ないやろ」
「鮫や恐竜やモンスターが出るか」
「そやからな」
「それだ、私達なら素手でも大抵のモンスターに勝てるが」
 それでもというのだ。
「軽率に戦闘に入ることはな」
「避けるべきやしな」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「今は避けている」
「そういうことやな」
「ここにいる全員がな」
「それで僕もやな」
「そういうことだ」
「景色を楽しんで」
 坂口が言ってきた、見れば彼はソーメンチャンプルを食べている。
「食えばええだがや」
「それがええな、しかし自分は」
「どうしたぎゃ」
「ソーメンに味噌かけるか」
 見れば赤味噌をかけている、そのうえでの言葉だ。
「そうするか」
「やっぱり味はだがや」
「味噌か」
「それも八丁味噌だがや」
 こう言ってその味噌をたっぷりとかけたソーメンチャンプルを食べるのだった、他にはフランクフルトやタコライスがある。
「これが実に美味いだがや」
「ここでも名古屋か」
「そうだがや、味噌命だがや」
「何処まで味噌好きやねん」
「とことんまでだがや」
 これが坂口の返事だった。
「あとういろうにきし麺、そして海老だがや」
「まさにセットやな」
「それで野球はドラゴンズだがや」
「最近調子悪いな」
「そのうち調子戻るわ」
「何かですね」
 安楽椅子にいる喜久子が言ってきた。
「それを言いましたら」
「阪神だがや」
「はい、こちらの愛すべきチームは」
「ドラゴンズの次にだがや」
 これが坂口の返事だった。
「頑張るとええだがや」
「そうですか」
「というか阪神はまずだがや」
「まずといいますと」
「魔物とケンタッキーのおっさんをだがや」
 甲子園にいるという彼等をというのだ。 
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