ヘタリア大帝国
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TURN40 雨の少女その十
「だが。勝つのだな」
「やり方はある。見ていてくれ」
「では任せた」
「それでベトナムさんはどうする?」
東郷はベトナム自身にも問うた。
「これからは」
「無論貴殿等に参戦する」
「国家としてか」
「そうだ。勝っても負けてもだ」
彼女の計算からのことだった。
「いいようにな」
「独立は宣言するか」
「貴殿等が勝てばそのままだ」
「負ければ?」
「そのままガメリカ、中帝国につく」
彼等にだというのだ。
「独立を宣言したことをな」
「そうするか」
「そうだ。私は必ず独立する」
それ故にだというのだ。
「そうさせてもらう」
「全ては独立の為か」
「悪いか」
「いや、悪くはない」
東郷もこう返す。
「むしろいい位だ」
「そう言ってくれるか」
「ああ。しかしベトナムさんもな」
「私が?どうした?」
「いい女だな。国家だから残念だ」
口説けないことがだというのだ。
「人間なら今頃女傑になっているな」
「私の国は昔から女が強い」
「独立の時の姉妹もか」
「あの二人が立ち上がった時に私は生まれた」
国家としてだ。自我を持ったというのだ。
「それからはじまったからな」
「それだけになんだな」
「あの娘もおどおどしているが」
フェムのこともだ。ベトナムは話す。
「強い。頼りになる娘だ」
「ベトナムさんが仰るのでしたら本物ですね」
日本もいた。彼も言うのだった。
「あの人もかなりの強さですね」
「そうだ。だがあの体質はな」
雨を降らすそれはどうかというのだ。
「思えば不思議なものだ」
「その辺り詳しい方がおられるが」
「柴神殿か」
「戦いの後で話をしてみるか?」
「そうだな。そうしよう」
ベトアムは東郷の言葉に頷いた。そうしてだった。
彼等はベトナムに向かう。ベトナムでの戦いもはじまろうとしていた。それはまた大きな戦いになろうとしていた。
TURN40 完
2012・7・16
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