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レーヴァティン

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第百五十話 北進その六

 久志はここはどうするか考えた、何度も仲間達と共にビザンチウムとその周りの地図を見た。そうしてだった。
 順一は街の北、湖峡の部分を見て言った。
「ここですか」
「そこか」
「はい、街の北の」
 その場所を指差して久志に話した。
「こちらです」
「そこに出城があるな」
「湖峡の向こう側にも」
「この出城、要塞を攻め落としてか」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「この湖峡を進み」
「湖峡の方にも城壁はありますが」
「そこはか」
「他の場所に比べて旧式の城壁で」
 それでというのだ。
「大砲や術への防御がです」
「弱いか」
「はい、ですから」
「要塞を攻略してか」
「湖峡の湖側は閉鎖されていますが」
 それでもというのだ。
「閉鎖している鎖や機雷を除去し」
「艦隊が通れる様にしてか」
「そして艦隊の砲撃で湖峡側の城壁を破壊し」
「そこから上陸するか」
「一旦街に入れば」 
 そうしてしまえばとだ、順一は久志に確かな顔で話した。
「どの様な堅固な城も街も」
「容易いな」
「そうです、城壁を破壊すれば」
「もう中に入られるからな」
「中に入れば」
 それでというのだ。
「陥落させたも同然ですから」
「そうだよな」
「では」
「ああ、攻めるな」 
「まずはですね」
「要塞からな、この要塞も堅固だがな」
 それでもとだ、久志は地図を見つつ言った。そのうえで仲間達に話した。
「術と大砲、空船に艦隊をな」
「総動員してだな」
 正が応えた。
「そのうえでだな」
「総攻撃仕掛けるな」
「数で押すな」
「ビザンチウム自体が数で押しても無理にしても」
「要塞は違うな」
「ああ、流石にビザンチウムより防御力は低い」
 それでというのだ。
「だからな」
「ここはだな」
「要塞への総攻撃だ」
「そうするな」
「ああ、いいな」 
 まさにというのだ。
「そうするな」
「そしてな」
「要塞を攻略し」
「湖峡を抑えてな」
「攻めていくな」
「ああ、知略っていうか攻め方だな」
 久志はここでこうも言った。
「街をいきなり攻めるよりもな」
「他の場所からだな」
「それが要塞でな」
 それでというのだ。
「そこからな」
「攻めていくな、今回は」
「ああ、じゃあすぐにな」
「要塞の方にだな」
「攻撃を仕掛けるな」
 大砲や術、空船、艦隊を総動員してというのだ。 
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