レーヴァティン
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第百四十八話 連合王国降伏その十一
「攻め込んだけれどな」
「マラトンの戦いで敗れ」
「そしてサラミスの海戦でもな」
「敗れたでござるな」
「それで失敗したな」
「そうだったでござるな」
「ああ、そのペルシャ思い出したな」
「そうでござるか、しかしでござる」
進太はペルシャを話に出す久志にこう返した。
「それはあちらから攻めたうえであって」
「ローマから攻めるとか」
「そしてドナウ川南岸からも攻めるでござるな」
「湖からも攻めるけれどな」
「では違うでござる」
「ローマがギリシア攻めた時か」
久志もこのことを思い出した、この時からローマのギリシア文化への傾倒がはじまり大カトー等保守派の反発を招いてもいる。
「言うなら」
「その時と同じでござる」
「そうなるか」
「マケドニア等も手に入れた」
「そっちの方か」
「そうかと」
こう久志に話した。
「言うなら」
「そう考えればいいか」
「拙者が思うには」
「そうなんだな」
「だからでござるよ」
「ペルシャって思うよりもか」
「ローマでござる」
この国の方だというのだ。
「今の拙者達は」
「そうなんだな」
「はい、そして」
進太はさらに話した。
「大事なことは」
「ああ、それは」
「退かない敵も難攻不落の街も」
スパルタもビザンチウムもというのだ。
「絶対に敗れない、陥落しないといことは」
「ないよな」
「それは有り得ないでござる」
「むしろそうした国や街がないことがな」
「絶対でござる」
こちらの方がというのだ。
「そうでござるよ」
「その通りだよな」
「だからでござる」
「この度もな」
「攻めるてござるよ」
「そうしていけばいいな」
「左様でござる」
こう久志に話した、それも笑顔で。
「拙者達は」
「戦うからにはな」
「そうでござる」
「絶対に負けない国も陥ちない城もない」
「これまでもそう考えていたでござるな」
「ああ、けれどあららめてな」
そうしてとだ、久志は進太に応えた。
「その考えでな」
「戦っていくでござるな」
「そうするな」
こう進太に答えた。
「その時が来れば」
「それでは」
「ああ、ただな」
久志はこうも話した。
「出来るだけな」
「出来るだけとは」
「カルタゴはビザンチウムは後にするな」
「最後に戦うでござるか」
「ああ、いきなりはな」
出陣してすぐに攻めることはというのだ。
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