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オズのハンク

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第八幕その六

「壁の修理も絵文字も」
「ずっとやっているからだよ」
 背の高い人が答えました。
「だからね」
「慣れていてだね」
「やっぱりいつも、それもずっとやっていたら」
 それでというのです。
「上手になるよ、しかも僕達はこの仕事が好きだから」
「好きでもあるとね」 
 背の低い人も言います。
「尚更ね」
「好きこそもののだね」
「だからね」
「二人共上手なんだね」
「そういうことだよ」
「そのこともわかったよ」
 ハンクは二人のお話に笑顔で頷きました、そしてです。
 一行は二人と別れて冒険を再開しました、そうしててくてくと歩いていってです。今度は目の前に人の顔とライオンの頭をした生きものが出てきました。お顔は立派な男の人のもので顎にはお鬚を覆う様なものが付いていて頭には被りものをしています。
 その生きものを見てカルロス達五人はすぐに言いました。
「あっ、スフィンクスだね」
「そうだね」
「エジプトにあるのそのままだよ」
「あのスフィンクスは石だけれど」
「このスフィンクスは生きているわね」
「ピラミッドはエジプトだから」
 カルロスはそのスフィンクス、ライオン位の大きさの彼を見つつそのうえでこんなことも言いました。
「だからいるんだね」
「ピラミッドの傍にもいたスフィンクスとは別に」
 ジョージもスフィンクスを見ながら言います。
「生きているスフィンクスもいるんだね」
「生身のスフィンクスもいるんだね」
 神宝の口調はしみじみとしたものでした。
「オズの国には」
「いや、流石はオズの国ね」
 ナターシャもスフィンクスを見ています、そのうえでの言葉です。
「生身のスフィンクスもいるなんて」
「それで私達は今そのスフィンクスに会ったのね」
 恵梨香のお顔は微笑んでいます。
「また一つ不思議に出会えたのね」
「ああ、君達は外から来たんだね」
 そのスフィンクスが言ってきました、しっかりとした男の人の声です。
「服装からそうじゃないかって思っていたけれど」
「その通りよ」
 トロットがスフィンクスに答えました。
「私達はエメラルドの都のね」
「そう言う君はトロット王女だね」
「私のことを知ってるのね」
「オズの国で君を知らない人はいないよ」
 スフィンクスは笑顔で答えました。
「それこそね」
「それでなのね」
「初対面だけれどね」
 それでもというのだ。
「君達のことは皆知ってるよ」
「そうなのね」
「ずっと会いたいと思っていたけれど」
 スフィンクスは笑顔でこうも言いました。
「今ここで会えたね、それと」
「それと?」
「いや、君達は謎々は好きかな」
 トロットに対してこんなことも言うのでした。
「それは」
「あっ、スフィンクスだから」 
 それでとです、カルロスもすぐにわかりました。
「謎々が好きなんだね」
「そう、スフィンクスの趣味は謎々だよ」
 まさにそれだというのです。
「だから君達にも尋ねているんだ」
「謎々が好きか」
「そのことをね」
 まさにというのです。 
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