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オズのハンク

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第七幕その二

「そしてトトとはである」
「仲がいいんだね」
「親友と言っていいである」
 ここまでの存在だというのです。
「共に偉大なるラーを守護しているであるからな」
「そのラー神がこのピラミッドの主かな」
 ボタンはセト神にこのことを尋ねました。
「そうなのかな」
「そうである、ホルス神も重要であるが」
「ラー神がだね」
「このピラミッドの偉大なる主神であられる方はな」
 まさにというのです。
「あの方だけなのだ」
「セト神はラー神がお好きなのね」
 ポリクロームはここでセト神に言いました。
「そう思ったけれど」
「敬愛している」
「そうなのね」
「心からな、そして我が友トト神も同じだ」
「ラー神を敬愛しているのね」
「そうだ」
 その通りだというのです。
「我等はな」
「そうなのね」
「だからお守りしているのだ」
「貴方とホルス神は」
「そうだ、だが」
「だが?」
「君達のことは聞いていると言ったな」
「ええ、トト神からね」
「メジェド神を探しているそうだな」
「そうなの」
 その通りだとです、ポリクロームはセト神に答えました。
「実はね」
「そうだな、あの神は祭壇を持たないでだ」
「ピラミッドの中を動き回っているのよね」
「そうだ、しかも実は姿を消すことも出来る」
「そうなの」
「自分がそうしたいと思えばな」
 その時はというのです。
「それが出来るが普段はだ」
「姿を消さないの」
「だからこのピラミッドの中を歩いているとな」
 そうすればというのです。
「会える」
「そうなのね」
「あくまで運がよければだが」
「運がよくじゃなくて」
 トロットはセト神にどうかと返しました。
「実際にね」
「会いたいのだな」
「そう、今回の冒険で確実に」
「そうか、だがその為の手掛かりはな」
「貴方は持っているの?」
「残念だが持っていない」
 セト神はこうトロットに答えました。
「わしも暫く会っていない」
「そうなの」
「どうもな、だが」
「それでもなのね」
「そうだ、だから君達の力にはなれない」
 こうトロット達に言うのでした。
「まことに申し訳ないが」
「申し訳なくはないわ」
「いいのか」
「ええ、私達は面白いと思ってね」
「探しているからか」
「いいわ、それに貴方が悪いんじゃないから」
 このことはしっかりと断りました。 
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