恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第八十二話 周泰、都に忍び込むのことその七
「じゃあ餃子もあるな」
「よくわかったっちゃね」
「だってあんた餃子好きやしな」
それでだ。わかったというのだ。
「実際にそやろ。餃子もあるやろ」
「焼き餃子でいいっちゃね」
「まあうちそっちの餃子も好きやし」
だからだ。いいというのである。
「こっちじゃ水餃子か蒸し餃子が普通やけれどな」
「ですよね。何かそこが違いますよね」
「こちらの世界とあちらの世界じゃ」
「いや、私達の世界でもそうした餃子の方が普通でしゅよ」
チンが三人にそのことを話す。一同は話をしながら車座になって座る。その真ん中には鍋がありだ。そして鉄板も置かれていた。
「ただホンフゥはそちらの方が好きなんでしゅよ」
「焼き餃子がかいな」
「そうなのでしゅ」
こうだ。チンは李典に話す。
「日本で焼き餃子を知ったのでしゅ」
「最初見て何だと思ったっちゃ」
ホンフゥ自身もだ。焼き餃子について口を尖らせて話す。
「けれど食ってみたらこれが」
「美味かったんやな」
「最高だったっちゃ」
そうだとだ。ホンフゥは笑顔で話す。
「だからどうだっちゃ。お嬢ちゃん達も」
「はい、それじゃあ」
「御言葉に甘えまして」
「そうさせてもらうで」
こうしてだった、三人もだ。
その餃子を食べる。そしてだ。
ラーメンも食べてみる。そのラーメンも。
「あっ、このラーメンは」
「我が国のラーメンではないですね」
「スープがちゃうで」
三人は食べてみてだ。すぐにわかった。
そしてそのうえでだ。チンにそれぞれ尋ねた。
「あの、このラーメンって」
「どうしたんですか?」
「まさかこれも」
「はい、そうでしゅ」
チンもだ。そのラーメンを勢いよくすすりながら話す。麺を箸で一気に掴んでだ。そうしてそのうえで口の中に入れてから話すのだった。
「これも日本のものです」
「これはお魚のからだしを取ったんですか」
「お魚のスープ」
「それと海草も入ってるな」
「そうでしゅ。煮干と昆布でしゅ」
チンはそのスープのだしについても話した。
「そういうことでしゅ」
「ううん、凄くあっさりしてます」
「身体にもよさそうですね」
「食べてもあまり太らへんな」
「実はダイエットの為でしゅ」
チンは三人にその理由も話した。
「見ての通り私はこの身体でしゅ」
「太り過ぎっちゃ」
ホンフゥもそのチンに言った。彼は餃子を食べつつラーメンをすすっている。その日本の中華料理を食べながら話すのである。
「一体何を食ったらそこまでなるっちゃ」
「それでなのでしゅ」
あらためて話すチンだった。
「カロリーの少ないこのラーメンにしてるでしゅ」
「健康の為だったんですね」
「それはいいことですね」
「まさに医食同源やな」
三人もそのことはいいとした。だが。
ラーメンを勢いよくすすり続けるチンにはだ。少し驚いた顔でそれぞれ言うのだった。
「それでも。そこまで召し上がられると」
「あまり意味がないのでは?」
「おっさん食い過ぎやで」
見ればラーメンだけではない。餃子もだ。
次から次に口の中に放り込んでだ。貪っている。それを見ての言葉だ。
「食べることはいいですけれど」
「限度が」
「太ったままでええんかいな」
「これまでに比べてカロリーがずっと低いからいいのでしゅ」
だから大丈夫だと話すチンだった。
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