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オズのハンク

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第三幕その一

               第三幕  スフィンクス
 一行は中南米のピラミッドでの儀式と宴を楽しんでから次の日の朝に出発しました。神官さんやインディオの人達とは朝ご飯の後で笑顔で別れました。
 それから黄色い煉瓦の道をまた進んで行きますがカエルマンは軽い足取りで歩きっつつ皆に言いました。
「やはり朝に泳ぐといいね」
「日の出と一緒に泳いでいたわね」
「うん、プールでね」
 こうベッツイに答えます。
「そうしていたよ」
「それですっきりしたみたいね」
「身体を動かすことにもなったし」
 スポーツが出来てというのです。
「そしてだよ」
「お酒も抜けたのね」
「うん、お水の中にいてね」
 それでというのです。
「そのお陰もあってね」
「二日酔いだったのね」
「それが完全にね」
「すっきりして」
「今はこの通りだよ」 
 軽い足取りで歩ける位だというのです。
「有り難いことにね」
「それはいいことね」
「うん、ではね」
「これからもね」
「そう、ピラミッドに向かおうね」
「このままね」
「今日中に着くね」
「そろそろ見えてくる頃よ」
 ベッツイは地図を開いてそれを観つつカエルマンに答えます、勿論その足は止まっていません。これは他の皆も同じです。
「ピラミッドが」
「そうだね、ではね」
 カエルマンはその丸くて大きな目を動かしながら言いました。
「楽しみしているよ」
「ピラミッドが見えてくることを」
「是非ね」
「今度のピラミッドも凄いんだよね」
 ボタンはベッツイに尋ねました。
「中身が迷路になっていて」
「そうなの、昨日のピラミッドよりずっと大きくて」 
 ベッツイはボタンの問いに答えました。
「それで中にも入ることが出来て」
「中が迷路だよね」
「そうなの、しかもその迷路が」
 さらにお話します。
「何層も重なっていて」
「余計に凄いんだ」
「しかも中に色々な人が住んでいるのよ」
「そのことも凄いね」
「そうした場所だから」 
 それでというのです。
「楽しめるから」
「じゃあ是非ね」
「ボタンもその中に入ったら」
「楽しむよ」 
 こう言ってそうしてでした。
 ボタンも軽い足取りで進んでいきます、そして実際にピラミッドが見えてくると皆目を輝かせました。
 ポリクロームもです、その黄土色がかかった感じの黄色い三角形の石で出来たそれを観て目を輝かせています。
 そしてです、こうしたことを言いました。
「同じピラミッドでも」
「全く違うでしょ」
「ええ、中南米のピラミッドとは」
 昨日観たそれとはというのです。
「またね」
「あのピラミッドは完全な三角形でね」
「しかも大きさも」
「そう、あちらの方がね」
「遠くにあるのにあの大きさだと」
「どれだけ大きいかわかるでしょ」
「ええ」
 ベッツイに目と同じ感じの声で答えました。 
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