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宇宙海賊は世界最強

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9話

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 三人称サイド

 その後、ハジメが不気味な感覚を覚えたというので、ステータスプレートを視たら、技能欄もそうだが、ステータス自体も軒並みに成長していた。

 特に、技能欄に魔力操作と能力(+自然(ロギア))というのが表示されてた。

 ギンも此には疑問が生まれる。

「あれ? 南雲。お前ら魔力操作が表示されていなかったのか?」

 素朴な疑問にハジメは

「ハジメでいい。その感じだとギンは最初から魔力操作を持ってたのか」

「ああ、俺は持ってるよ。むしろ、海賊の皆は魔力操作というのは持ってる。いや、俺の国では闘気とか覇気とか流桜って呼ばれてるんだ」

「なるほどな。どうやら、住んでる場所によって呼び方違うのか・・・それよりも、お前は魔力操作ができるのか」

 ハジメの質問にギンは

「俺や仲間たち全員は使えるぞ。宇宙という広大な海で名を馳せてる海賊といった奴らは全員扱えるんだ。俺が地球に来たとき、何で、地球人は闘気操作を扱えないのか不思議に思ってたんだ」

「・・・なるほど。お前にとっては日常的だけど、俺からしたら不思議な感覚だ」

「まあ、そんなのはどうでも良いだろう。とりあえず、ここら辺を探索しますか」

「それもそうだな・・・・・・新しい力を習熟しておきたいし。なにより、この身体を制御しないとな」

 ハジメは時折、勝手に出てしまう炎の制御に専念することにした。

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 銀華(ギン)サイド

 俺たちは拠点を構えて、拠点を中心に階層を隅々まで探索する。

 俺が見つけたのは、下の階層へ降りる階段を見つけただけ、上の階層に進む階段がなかった。

 やっぱり、下の階層に進むしかないというわけか。

 だけど、下の階層はここよりも厄介な魔物がいるんだろうな。

 まあ、戦闘バリエーションが豊富だと考えれば良好かな。

 そうだ。

 ここで、俺はあることを思いついた。

「ハジメに覇気を教えるか・・・魔力操作ができるんだ。体得簡単だろう」

 よし。そうと決まったら、急いで拠点に戻るとするか。

 俺は自分が狩った魔物を引き摺って、拠点に戻る。



 俺が拠点に戻れば、ハジメも戻っていて、お互いに情報交換をする。

 ハジメが探索してるところでも上の階層に進む階段がなかったことと真新しい魔物を狩ってきたことだ。

 やはり、ハジメの方も白か。俺も自分が探索してる中で発見したことと狩ってきた魔物を見せる。

 情報交換後、俺はハジメに覇気の修業するのはどうだと話す。

 まず、覇気についてのことを話し、今のハジメだったら、基礎的な部分は体得できると話しておく。そしたら、ハジメがこんな質問してきやがった。

「稽古してもらうのは嬉しいが、そんなの役に立つのか?」

 なるほど。これからの冒険で役に立つのだな。

「役に立つ。特にお前の場合は体得しておいといた方がいい。『悪魔の実』の能力者は弱点を突く以外で覇気というのが唯一の攻撃手段となる。ハジメは自然(ロギア)系の能力者。知ってるのと知らないのでは死ぬ確率が左右される」

「どういうことだ?」

「覇気ってのは大きく分けて二つに分けられるんだが、武装色の覇気については厄介なところがある。この覇気は実態を掴むことができる。ほぼ無敵とされてる自然(ロギア)には唯一の天敵と思っていい」

「なるほどな。確かに知っておいて損はないし。体得しとけば、俺もそんな奴らに攻撃が通じるというわけか」

「そういうこと・・・しかも、武装色の覇気は武器に纏わせることができる。お前がこれから創ろうとしてる武器にも覇気を纏わせれば・・・どうなる?」

 俺の説明を聞いて、ハジメはハッと悪い笑みを浮かべる。

「ギン・・・お前・・・意外と悪だな」

 ハジメの呟きに俺もニッと笑みを零し、

「俺は海賊だぞ。悪人じゃなくてどうする?」

「それもそうだな」

 フフッと悪巧みを考える俺とハジメだった。

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 ハジメの新型武器――ドンナーという銃を創り上げ、その試し打ちとして、今いる階層に魔物たちを実験台に使用した。

 その際、特殊な鉱石を発見する。

 触ったとき、故郷の星で採掘されたのと同じ鉱石だ。

 この鉱石・・・もしかして・・・

 俺は保険を考慮として、発見した鉱石を袋に詰めた。

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 三人称サイド

 その後、ギンとハジメは下の階層へと降りていく。

 下の階層は様々な魔物が沢山いた。

 石化させる能力を持つ魔物がいたり、気配を感じとれない魔物がいたり、毒を吹く魔物がいたり、蟲のような魔物がいたりと多種多様な魔物がいた。

 その魔物共をハジメの修業相手として使った。火気厳禁のフロアに来てもハジメの身体は炎だから効果がないのだ。

 だけど、ギンはそうではない。生身に近い彼が大火災になっても大丈夫なのかって聞いたハジメ。

「大丈夫だよ。俺は劫火の中でも火傷せずに生き残ったから」

「それはそれでヤベぇ~っと思うけどな」

 そんなことを会話しながら、先に進んでいく。

 奈落に落ちてから、どれだけの時が経過したのかわからない。

 だが、一ヶ月ほどの時が経過したのはわかる。

 それはギンが教えてくれた。

「奈落に落ちてから、ざっと一ヶ月ぐらい経過したな」

「ああ? こうも同じ景色だと時間感覚なんて狂うだろう。だが、何故、一ヶ月経過してるのは分かるんだ?」

 ハジメはそのわけを聞いてくる。

「宇宙という広大な海で宇宙航行してるんだ。星々によって、時間感覚なんてバラバラだ。時間が早いのもあれば、遅いのもある・・・」

「まあ、それもそうだな」

「だけど、そんなの体感時間だ。艦空挺いや宇宙船で体感時間を調整してるんだよ」

「なるほどな。宇宙っていうと時間の概念がないと思ってたが違うんだな」

「いや、宇宙空間に時間の概念がない。あるとしたら、あの鹿ぐらいか」

「鹿?」

「ああ、宇宙空間の中で唯一、時間の概念を持つ化物がいる・・・・・・鹿王(スカイ・ディウス)

鹿王(スカイ・ディウス)

「そう。大きさについては聞かない方が良いぞ。人間なんか米粒に等しいんだ。エネルギー量も不明。実力も不明だ。だが、能力だけは判明されてる」

「それが時間に関係するというわけだな」

 ハジメの確信のつく応えにギンは

「正解。鹿王(スカイ・ディウス)の固有能力――『裏時間』。大雑把に言うと、体感時間が数千京倍から数千京分の一らしい」

「生き物なんて死ぬだろう」

「しかも、小動物並の敏感性を持ってる。皇帝の俺でも相手したくないわ」

「俺だって、相手したくないぞ。そんな時間の化物なんかと・・・」

 ハジメのギンの説明を聞いて、相手にしたくないと豪語する。

 だけど、ギンはこんなことを内心吐露する。

ー実のところ、『裏時間』を操れる人間がいるんだよなぁ~。俺と同じで皇帝と称されてる騎士ー

 彼の脳裏に浮かんだのは、いつも本ばかりを読んでる『全宇宙の叡智』にして皇帝と呼ばれる少年。

 『蒼薔薇』――ユージ・レイロック・ラニカ。

 彼のことを思い出してた。

 それについては話さない方がいいだろう。

 それを知ったら、ハジメが頭抱えそうだから。



 そんなこんなで下の階層へ進んでいく。

 ちょうど、中間付近で異様な扉を発見する。

 扉を見上げてるギンとハジメ。

「デケェな」

「俺も同じことを考えてた。それと・・・」

 ハジメは扉の両脇にいる一つ目の巨人。

「如何にも侵入者防止というのがヒシヒシに感じとれるんだけど・・・」

「言えてるぜ・・・だが、この先に帰れる方法が見つかるかもな」

 ハジメはドンナーを手にしながら不敵に呟く。

「とりあえず、俺は左」

「じゃあ、俺は右だ」

 簡単な打ち合わせをしてから、ハジメが扉に触れ、強引に錬成でこじ開けようとするも、バチィン!! と拒まれるようにハジメの手が弾き飛ばされる。

 すると、両脇にいた一つ目の巨人が動き出す。目的は侵入者防止するため、葬り去るからだ。

 だけど、相手が悪すぎる。

 ギンは『秋水』で軽く一閃し、ハジメはドンナーで一つ目を撃ち抜いた。しかも、能力を利用した火炎弾込み。

 それを見て、ギンは

「ほぅ~、能力を扱いこなしてるようだな。使い方もオリジナルで面白みのある」

「俺としては雷とかが良かったかな」

「貫通力のことだろう」

「ああ・・・」

 ハジメが言ってることは『悪魔の実』の能力が炎ではなく雷がよかったと口にしてる。

 その理由はギンでも分かる。

「雷は性質上、貫通力があるとされてる。それが出来たら、これほど苦労しないよな」

「ギン。雷を操る能力者とかいるのか?」

「いるよ。ゴロゴロの実を食った男を知ってる。年齢は俺と同じぐらいで皇帝の座に就いた男・・・『妖髪』――ユン・ルイルック・パーフィス。現皇帝の中だったら、俺に次いでの化物だ」

「俺からみてもギンって結構な化物だよな。あの魔物を首と胴を離ればなれにさせちまった。斬撃を飛ばすって難易度高くねぇか」

「豪剣じゃないとできないからね。筋力に関係するから・・・剣士として筋力が豪剣じゃないと斬撃は飛ばせない」

「剣士っていえば、八重樫はどうなるんだ? お前、訓練前は八重樫と一緒だったじゃねぇか」

「雫も豪剣タイプだと思うけど、修業するしかねぇだろう」

 ギンの言葉でハジメもそれもそうだなと納得する。

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