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宇宙海賊は世界最強

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2話

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 何度目かは分からねぇけど、魔法陣による浮遊感。

 数秒後にはしっかりとした地面に足を付ける。

 隣ではへたり込み状況が理解できず、呆けてる雫を守るようあたりを警戒する。

 中は教会らしき建物なのは確かだ。

 大理石に近いなこの石質からして・・・。

 まあ、極めつけは俺たちを囲むように祈ってる連中だ。

 此奴らが俺たちを転移させたに違いないな。

 此奴は明らかに拉致だ。

 しかも、この星はおそらく、『魔霊界』の何処かだ。

 だとしたら、カズの縄張り区域かもしれない。

 皇帝同士の話し合いは原則論外だ。

 覇権争い中に新たに生まれた皇帝は俺を含めて化物揃いだ。

 おっと、話を戻さないとな。

 とにかく、今は、見極めなければならない。

「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」

 この爺さんが俺たちを拉致って来た野郎の一人だろうな。

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 雫サイド

 一体何がどうなってるの? ついさっきまで教室にいたのに・・・。

 確か、光輝の足元に光り輝く紋様が広がっていって、そしたら、見知らぬ場所にいる。

 皆、この状況に頭が追いついていないけど、銀華は警戒してる表情をして、周囲を見渡してる。

 教室でもすぐに私の手を握ってくれたし、今でも私を守るような立ち振る舞いをしてる。

 やっぱり、銀華は私の王子様ね。

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 銀華サイド

 あの爺さんに連れてこられたあと、俺たちはこの世界の事情を知る。

 この世界では人族と魔人族との戦争が続いてるそうだ。

 ここ最近、魔人族側が勢力が増してきたので、人族側の神が俺たちを拉致ってきたというわけだな。

 明らかに馬鹿げてる。

 俺はいいが、雫を含めた此奴らには無理だ。

 戦争ということは略奪行為だって推奨される。

 そうなれば、此奴らの命よりも身体的に、精神的の問題が来る。

 そこが一番の問題だ。

 ここで、愛子先生が反発するも無意味だ。

 この星のレベルからしたら、無理だろうな。

 おや、南雲の奴。なにかと冷静だな。

 周りの皆は帰れないという事実に動揺が広がってるのに――。

 大方、ラノベとか、このような展開を想像できたんだろうな。

 此奴は仲間たちに頼まないと出来ないな。

 俺のビブルカードを利用して迎えに来てもらおう。

 まあ、無線通信インカムがあるから通信電話が出来るけど・・・今は使用しないでおこう。

 とりあえず、この状況の打破を考える。

 だが、状況は最悪な方に進んでいく。

 何しろ、あのバカが

「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ・・・俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない・・・イシュタルさん? どうですか?」

「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」

「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」

「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」

「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」

 餓鬼が喚いてるな。

 だが、戦争に参加するとして、此奴らは此をゲームとか遊び感覚で考えてるのか。もしくは現実逃避をしてるかもな。

 覚悟のない奴らが喚いたところで無意味だろうな。

 この世界にハッピーエンドなんてものはない。

 全てが救われるなんてものはない。

 ガイルドとか海軍の奴らが聞いたら、甘ったれるとか言いそうだな。

 ユーヤもユーヤで立派な男だもんな。

 勝利と敗北を知り、時には逃げ回って、男というのは一人前になる。

 現実は残酷だ。平和と戦争とは青天の霹靂。

 互いに理解できない。

 俺は今でも、《《亡き親友》》のことを忘れないのだからな。

「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな・・・俺もやるぜ?」

「龍太郎・・・」

「今のところ、それしかないわよね・・・気に食わないけど・・・私もやるわ」

「雫・・・」

「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」

「香織・・・」

 もう無理だな。

 勝手に死にたい奴は死ねばいい。

 俺が言っても無理だろうから。

 こうして、俺たちはあのバカの言う通りに戦争に参加することになった。

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 戦争に参加することが決まったが、いきなり、前線に出ても無理なので、戦う術を身につけるそうだ。

 俺はともかく、他の奴らは要必要だな。

 それと、今、俺たちがいる場所が雲の上にあるのも驚いたが、俺としては空の色から推測する。

 ここは間違いなく、『魔霊界』の何処かだな。

 確かに『剣霊界』と隣り合わせになってるのは『妖怪界』と『魔霊界』だ。

 此が『聖騎士界』だったら、ユージは融通が利くのか皆目見当がつかないな。

 とりあえず、あとで、カズと連絡を取り合おう。

 仲間たちにも迎えを頼むか。

 その後、俺たちはハイリヒ王国に向かい、晩餐会をして貰い、そのまま、部屋に分かれた。

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 銀華サイド

 まあ、俺としては仲間たちと連絡が取り合えるからこっちの方が都合が良い。

 とにかく、俺は部屋に入ったら、速攻で仲間たちとを取り合うことにする。

 無線通信インカムを取り出し、まず、仲間たちに連絡を取り合う。

 プルプルプルプル、プルプルプルプル、プルプルプルプル・・・ガチャ

「やっと連絡が通じた。此方、ギン」

『ギン!? どこにいるんだ!? 急にお前の反応が消えたから今から地球に向かおうかと思っていたぞ』

 この声はハクリュウだな。

「ちょうど良い。ハクリュウ・・・シュウとカキュウとショウキュウたちを連れて、俺のビブルカードを使って迎えにこい」

『それは、今、お前は地球にいないということなのか?』

「ああ、トータスという星らしいが場所は『魔霊界』だ。カズと戦争をしたくない」

『それは分かった。部下を連れて行く。艦空挺隊を四隻で向かう。地球にあるお前の艦空挺も回収しておこう』

「すまない。それと、地球にはS.A.R.Uとガル、ヴァンプらを向かわせてほしい。他の奴らに地球を譲りたくないからな」

『了解した。残りは本拠地の防衛だな』

「ああ、本拠地のアトランタ星を堕とされては困るからな」

『それはわかる。とにかく、今、お前がいる場所は『魔霊界』でカズの縄張りにいることになるのか?』

「ああ、そうだ。カズには俺が伝えておこう。頼みたいことがあるからな」

 俺はこの星に転移させた魔法陣の解析をカズたちに頼みたかった。

 こっちにも解析チームがあるが、プロにはプロに任せた方が良いだろうと思ってな。

『無茶だけはしないでくれよ船長』

「分かってるって・・・」

 俺はハクリュウと電話を終えると、盗聴防止用アイテムを着けて、ある男に電話を入れる。

 プルプルプルプル、プルプルプルプル、プルプルプルプル・・・ガチャ

「久しぶりだね、カズ」

 俺は好戦的な言い方で同じく皇帝のカズ・リレイク・レムアに電話を入れる。

『何のようだ、ギン・・・いや、言わなくて良い。俺が新しく縄張りにする星に来てることは俺の覇気で既に感知済みだ』

「ならば、話が早い。仲間たちに迎えを頼んだ。お前と戦争をしたくない」

『俺とて同じだ。お前とは喧嘩をしたくない。コッチの損害が大きすぎる。一応、お前がいる星にはカインズとダンストンがいる』

「彼らにこの星の現地調査を?」

『ああ、だが、ついさっき、カインズから余所者が来たという報告が来てな・・・誰かと思いきや、まさか・・・ギンとは思わなかった。おそらく、お前は被害者といったところだろう』

「正解。それで、お前に解析を頼みたいことがある。今、そのデータをそっちに送らせた・・・解析できる?」

 俺は地球で起きたことをそのまま、カズにデータ転送させる。

 すると、彼はすぐさま、返してきた。

『此奴は旧式の転送魔法陣だ。星同士の人的移動に特化した魔法陣だ』

「やっぱり・・・」

『お前でも気づけるほどの代物だ。大概そうだろう。しかも、見たところ、所々に不備がいっぱいある。文明レベルも低い方だな』

「ああ、俺から視ても、片田舎の星だということは分かった。此だったら、地球のほうが文明レベル高いぞ」

『良い所を眼に付けたな』

「着眼点は良いだろう」

 クッと苦悶してるカズの声が聞こえてくる。

「それじゃあ、あとのことは頼めるか」

『分かったよ』

 カズは俺の頼みを聞いてもらい、そのまま、通信を切った。

 通信を切って、窓から外を見る。

「もうすぐ、夜明けだな」

 チッ、知らない間に長話になってしまったようだ。

 まあ、一日ぐらい寝てなくても問題はない。だけど、朝から訓練があるのは良いけど・・・。

 雫がなんて言ってくるか溜まったもんじゃない。

 しょうがない。少しだけ、仮眠をとることにしよう。

 そういった感じで、俺は誰かが呼びに来るまで仮眠をとることにした。

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後書き
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