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ラブドライブ!〜女神の守り人〜

作者:希ー
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転生した彼らは何の為に生きるのか?
  count,3 Both Mach

 
前書き
仮面ライダーマッハ

身長:197cm
重量:92kg
パンチ力:10t
キック力:17t
ジャンプ力:約40m
走力:100mを2.5秒(加速時0.18秒)

久米野タケシがマッハドライバー炎とシグナルマッハを使用して変身する戦士。高出力を誇り、平均的能力は3戦士中トップとなっている。その分、変身者に掛かる負担は大きく、長時間の戦闘には向かない。タケシ以外の人物でも、高い身体能力が有れば変身はできる。素早い動きを利用したアクロバティックな戦法を得意とし、武器であるゼンリンシューターを使って遠近両距離をカバーすることができる。重加速という特殊な状況下でも行動する事ができ、マッハ自身も重加速を発生させる事が可能。シグナルバイクと言われるアイテムを使ってシグナル交換をして、自身やゼンリンシューターから放つ光弾に特殊な効果を与える事ができる。シフトカーやチェイサーバイラルコアも使用可能。必殺技にキック技・キックマッハー、ゼンリンシューターから必殺光弾を放つヒットマッハー、ゼンリンシューターのタイヤ部分を叩きつけるビートマッハー。これらの技は使用するシグナルバイクによって属性、効果が変わってくる。又、変身者によって身長、重量、パンチ力等の、データは変わり、上記はタケシが変身した時の物となっている

※上記はこの小説内での設定
 

 









《シグナルバイク!》
《ライダー!マッハ!》

「レッツ!変身!!」





 季節は12月の冬。俺は今、ドリル・ロイミュードと戦っている。因みに今回で6戦目だ。


「ヒャハァァァァッ!!」


 ドリル・ロイミュードのドリルが俺の左肩アーマを削る。俺はその衝撃で地面に転がった。
 強ぇ……でも、敗ける訳にはいかねぇ……!
 タカユキの正体を知っているコイツらを倒さなきゃ、アイツの命が危ねぇ……。アイツは俺の大事なダチの1人だ。絶対力になって見せる……!


「今日こそ潰す……!必ず!

《シグナルバイク!》
《シグナルコウカーン!カクサーン!》

「殺ってみろよ雑魚がァァァッ!!」
「上等だコラァァァァァッ!!」



 俺は焦っていた。タカユキの事、そして花陽の事で……。早く蹴りをつけないとヤバい……。そんな思いが俺の不安を掻き立て、更に焦らせる。











 そんな状態で勝てる程、ドリル・ロイミュードは甘く無かった……。








 ___________________________









「かーよーちんっ!」


 昼休み、花陽がUTX学院の受験の為に勉強をしていると凛ちゃんがやってきました。


「受験勉強は進んでいるかにゃ?」
「うんっ!何とかなりそうだよ。凛ちゃんは音ノ木、大丈夫そう?」


 花陽が凛ちゃんにそう聞くと、凛ちゃんはこの世の終わりが来たような顔をしました。凛ちゃん……危ないのか……?


「そ、そういえばタケシ君はどうしたの?」


 私は話題を変える為にタケシ君のことを尋ねてみました。


「んー、知らないにゃ。授業が終わって直ぐに教室出て行っちゃったし」
「なんか、UTXの文化祭が終わった後くらいから、タケシ君元気無いね……」
「凛もそう思う。だからこの前「どうしたの」って聞いてみたんだけど、「何でもない」って言われたにゃ」
「私達にも、相談できないような事なのかな?」


 だとしたら……何かちょっと、寂しいなぁ……。



「大丈夫にゃ。あのタケシ君のことだから、本当に大変になったら凛達に泣き付いてくるにゃ!」


 そう言って凛ちゃんが胸を張りました


「そうだね……。その時は助けて上げなくちゃね!」
「そうだにゃ!だからぁ……」
「だから?」


 凛ちゃんは涙目になって私に抱き付いてきました。


「かよち〜んっ!凛のことも助けてにゃ〜っ!?」
「え、ええぇっ!?」


 凛ちゃん……そんなに受験危ないんだ……あはは……。

 それから私は、凛ちゃんと一緒に受験勉強を始めました。










 ___________________________









「はぁ……」


 俺は昼休みに図書室にあるテーブルに顔を伏せていた。




 クッソォ……あのドリル野郎……どうすりゃいい勝てんだよ……?


「ねぇ?」


 コッチの手は完全に読まれちまってるし、やり様がねぇっつうの……。


「ちょっと」


 それに花陽だ事もだよ……。もう願書は出しちまったらしいし……。


「聞いてる……?」


 このままじゃ花陽がUTX学院に入学して、μ'sが……ラブライブの物語が滅茶苦茶になっちまう……。


「ねぇ……」



 ああああああああああ!!どうすりゃいいんだよおおおおおおおおお!?



「聞きなさいよ!?」
「おわっ!?」


 な、何だ!?
 俺は驚いて顔を上げた。そこには俺のことを鋭く睨む少女・西木野真姫がいた……。


「この席、何時も私が使ってるんだけど」
「んだよ……別にいいだろ、何処でも?早い者勝ちだよ」
「良くない!私はこの席が一番集中できるの!!」




 知るかよおおおおおおおおおおおお!!

 何なのこの娘!?どんだけ我が儘なんだよ!?俺はこんなに辛いのに!?悲しくなっちまうよ!?何コレ虐め!?


「知らねぇよぉ……イミワカンナイ……」


 俺はテーブルにぐったりと伏せた。


「私の台詞取らないで!」











 その後、俺は結局席を譲ったよ。だってコレ以上クダクダなったら俺の許容範囲オーバーしちまうからな……。

 んで、俺は今スター西木野氏の前の席に座ってるって訳ですよ……。


「何か今、凄い失礼な事言われた気がするんだけど」


 うん、サラッと心読んだねこの娘。てか、失礼じゃないよ。スター西木野は凄い人だよ。


「何の話よ!?」


 ……すんません。



「てか貴方、勉強しなくていいの?見た所頭はあんまり良くなさそうだけど」
「な、な、ななな、な何を失礼な!?おおお俺はコレでも頭脳派なんだぞ!?」
「なら、三平方の定理解るの?」
「あ、理科は専門外なんで」
「……数学よ……」
「」


 スター西木……じゃなくて真姫は呆れたように溜息をつく。何だよ……。数学なんて解んなくても生きていけるんだよ!世の中ある程度の足し算、引き算、掛け算、割り算が出来ればやってけるんだよ!


「屁理屈」

 ……あの……マジで心読むの辞めてくれないかな……。



「全く、貴方相当ね……」
「うるせぇ……だったら勉強教えてくれよ」
「はぁ?何で私がそんな事しなきゃいけないのよ!?」
「いいだろ別に!散々馬鹿にしたんだし!それに俺達もう友達だろ?」
「ゔぇ!?と、友達!?」


 俺の言葉に、真姫は顔を赤くした。


「だって、こんだけあーだこーだ話したんだ。友達で良いよな?」
「な、何よそれ!?イミワカンナイ!?」


 そう言って真姫は立ち上がって荷物をまとめ、その場を去ろうとしたが、直ぐに立ち止まって俺の方を向いた。その顔は少し赤い。


「……本当……?」
「え?」
「本当に私の事、友達だって思ってくれるの?」
「ま、まぁな」
「どうして?お互い名前だって知らないのよ。そんな相手に友達に成ろうとか、普通言わないでしょ?意味わかんないわよ……」


 いや、俺は君の名前どころか、趣味も好物も誕生日もスリーサイズも知ってんだけどね。
 あれ?俺、ただの変態じゃね?ま、いいか。


「そんな事言って尻込みしてたら、何時まで経っても友達なんか出来やしないだろ?」
「それは……そうだけど……」
「話してみて、互いに良い奴だなって感じたらもう友達。そういうもんじゃねぇか?俺はお前の事、良い奴だなって感じたぜ」
「ゔぇえ!?」


 真姫はまた顔を真っ赤にしている。反応が一々可愛いなぁ。そして、どっか出してんだその声?


「ま、自己紹介でもするか。俺は久米野タケシ。3年1組だ」
「……西木野真姫……3年4組よ……」
「よろしくな、真姫」


 俺は立ち上がって真姫に手を差し出した。真姫は一瞬躊躇ったが、直ぐに俺の手を握ってくれた。


「仕方ないから……勉強教えてやっても良いわよ……?」
「おう!助かるぜ!因みに俺、音ノ木目指してんだ」
「あら、一緒ね。私も音ノ木なの……本当は嫌だけど……」
「ん?」


 最後の方は小声だったので聴き取れなかった。だから何て言ったか聞いてみたんだが、「別に何でもない!」って言われそっぽ向かれてしまった……。











 ___________________________









 –––月日は流れ……




 今日はUTX学院の合格発表の日だ。俺と凛は花陽に付き添いとして一緒に来ている。さっきから花陽は緊張で震えている。


「大丈夫!かよちんなら合格してるよ!」
「そうだって!自分を信じろよ!」


 俺は凛と一緒に花陽に声を掛けている

 アレから何度か花陽に音ノ木坂に行かないかって言おうと思ったが言えず……。こうなったらもう応援してしまえ!ってことで今日まで来たって訳だ。
 あ、でも花陽は滑り止めとして音ノ木坂を受けて合格してるんだ。
 花陽がUTX落ちたら音ノ木坂に行くことになるけど、俺はそんな事望まねぇ。俺は花陽に夢を叶えて欲しいと思う。アイツの夢、アイドルになるっていうのが叶う可能性が高い場所はUTX学院だからだ。
 確かに音ノ木坂でμ'sが結成されればアイツはアイドルになれる。でもユウキが以前、こんな事を言っていた……。




「ラブライブの物語は俺達が存在している時点で破綻する……」




 その通りだ……。本来俺達は“ラブライブの物語”に居ない存在だ。だからこの世界にどんな影響を与えることになるか分からない。最悪、物語が破綻するかも知れない……。つまり花陽のアイドルになるっていう夢が崩されるかも知れない……。

 俺はそんなのは嫌だ。花陽は大切な友達だ。だから彼女には夢を叶えて欲しい。たとえ“ラブライブの物語”が破綻することになっても……。



 ……こんなこと言ったら、みんなに殺されるかもな。でも、それでも良い気がする……。




「俺が守りたいのは……」




「タケシ君!何やってるにゃー?早くいくよー!」
「えっ?お、おう!」


 俺は凛に促されて先を行く2人の元へ向かう。
 花陽の合格を祈りながら–––––












 ______________________













 花陽の番号は無かった……–––














 帰り道、花陽は俺と凛の少し前を歩いている。俺達は何度か花陽に声を掛けようとしたが、彼女の小さな背中を見たら話し掛けられずにいた……。

 そして暫く歩いた後、花陽は立ち止まって俺達の方を向いた。


「ごめんね、凛ちゃん、タケシ君……。せっかく着いてきてもらったのに……。恥ずかいとこ見せちゃったね」
「かよちん……」


 花陽は俺達に笑い掛ける。でもそれは無理して笑っているんだっていうのが俺には分かった。多分凛もそう思っている。


「残念だったけど、私にはああいうアイドルがいるキラキラした学校は似合わないって事だろうね……」
「…………そんな事ねぇよ」
「えっ……?」
「花陽は充分キラキラしてる‼︎UTXにも負けない……アイドルみたいに!今迄頑張って勉強だってしてきただろ!?それが証拠だ!花陽は輝いてる……!」
「タケシ君……」
「そうだよ……かよちんは炊き立て白米みたいに輝いているにゃ!」


 …………凛よ、何だその例えは……?そんな例えで花陽が感動……–––


「凛ちゃん……!?」



 ……–––しますよねー。お米大好きっ子だもんね。そりゃ感動するよね!うお!2人で抱き合ってるよ!凄いね!薄い本が厚く熱くなるね!



 ……と、まぁ冗談はこのくらいにして……とにかく花陽は元気を取り戻したみたいだな、良かったぜ。


 UTX程じゃないかも知れないけど、音ノ木坂だって輝いている。お前の……いや、お前達の夢はこれからだぜ……––––










 ________________________









 –––––西木野総合病院……西木野真姫の両親が経営する総合病院だ。そこに一つの影が迫っていた。


「クククッ……ここを壊せば、真姫ちゃんは俺の物に……!」


 –––––ロイミュード058……アンカー・ロイミュード。灰色をベースに青いラインが身体中に血管の様に張り巡らされ右手は錨の様な形になっている。そしてイカリ肩。


 –––––コイツの目的は西木野総合病院の破壊。そして真姫の両親の殺害だ。その理由は非常に歪んだ物。コイツはこの病院と真姫の両親を“真姫を縛る物”と勝手に判断し、それを消せば真姫は自分の物になる……そう考えているのだ。


「待っててね真姫ちゃん……直ぐに助けて……ッ!?」


 –––––だが、そんな勝手を赦さない者がアンカーの前に立ち塞がる……。


「何だ貴様……?」







 ____________________








 俺はずっと迷っていた……何を守ればいいのか分からなかったから……。この世界か、アイツらか……。でも、迷う必要なんて無い。世界もアイツらもどっちも大切なんだ。どっちも守ればいいんだ。例えどっちかしか守れない状況が来ても、そんなの糞食らえだ!俺は世界もアイツらも守る!その先にみんなの夢があるから……。






「守りたいのは……」








 –––……みんなで描く夢だ!!





《シグナルバイク!》
《ライダー!マッハ!》

「レッツ!変身!」







「追跡!撲滅!いずれもマッハァッ!!」






「仮面ライダァァァ……マッハァァァァッ!!」





 ロイミュードの前に立ち俺は叫ぶ。彼女達の夢を未来を、決してコイツらに穢させはしない!


「仮面ライダーだとォ?しゃらくせえ!!」



 右腕の錨を奴は飛ばして来た。


《ズーット!マッハ!》


 ブーストイグナイターを連打し一気に加速。飛ばされた錨を躱してロイミュードに接近。俺は想いを込めた拳をブチ込んだ。
 火花を散らして吹き飛ぶロイミュード。みんな守るって決めた俺が、負ける訳無いんだよ!!


「ぐおお……!?」
「へへっ。どうよ?」
「おのれぇ!」


 奴は立ち上がり向かって来た。俺はゼンリンシューターを取り出してスロットにシグナルマッハを装填。


《ヒッサツ!》


 そして銃口を向けて、そのトリガーを引いた!


《フルスロットル!》

「くらえぇッ!!」
「なっ……!?そ、そんな馬鹿なあああああ!?」


 放たれた必殺の弾丸はロイミュードの身体を貫き、粉々に吹き飛ばした!


《オツカーレ!》

「よっしゃあああああ!!」



 俺は戦い続ける。いや、守り続ける。仮面ライダーマッハとして、絶対にだ!!





















 闇より生まれし子よ。何も知らない黒山羊の子よ。
 何かを知るまで戦い続けるが良い。
 そして己を知った時…………。




 
 

 
後書き


これにてマッハ=タケシ編終了です!


因みにタケシ編3話の各タイトルは「追跡!撲滅!いずれもマッハ!」を英語訳したものとなっています。


ハーメルン版との違いとしてラストバトルの追加ですね。短いですが戦闘シーンを入れています。そして最後……。


さて、次回はチェイサー=ユウキ編のラストです!戦うべき敵、そしてその理由を探すユウキ。彼はそれを見つけることができるのか…?



感想、ご意見、質問等、お待ちしています!
 
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