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ラブドライブ!〜女神の守り人〜

作者:希ー
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転生した彼らは何の為に生きるのか?
  count,9 Determination

 
前書き
まずはドライブに変身するタカユキ編です!
 

 








 俺は江本タカユキです。なんやかんやで久瑠間学園の1年生になりました。男だっけていう事もあってか結構楽に過ごせそうです。

「これさえ無ければなぁ〜…」

 そう言って俺が見るのは左手首に巻かれたシフトブレス

《なかなか酷い事を言ってくれるじゃないか》

 俺の元にやって来た赤いスポーツカーの様なミニカー。これはシフトカーの一台・シフトスピード。ドライブに変身する為に必要なアイテム。そして、ベルトさんの遠隔端末としても機能する。だからこのシフトスピードからはベルトさんの声が聞こえてくるんだ。

「だって戦いだなんて俺には……」
《何時迄も尻込みしてどうするんだ?少なくとも後8ヶ月以内にはこの学園に潜伏する14体のロイミュードを倒さなければならないんだぞ》
「わかってる…わかってるけど……」

 俺は何度か変身をしてドライブ能力を実際に使い調べたりはした。だがどうしても戦いには踏み切れなかった……。相手が怪人とはいえ傷つけるのはどうしても……。

 今は校舎裏に来ている。ベルトさんがここにロイミュードの反応を見つけたからだ。

《何にせよ、君が戦わなければ守れない人がいる。それだけは確かな事だ》
「俺が…戦う…」
《そうだ。ここでは誰でもない君が戦うんだ。タケシとユウキも戦っている》
「みんな戦っている……」

 確かにそうだ。タケシとユウキは戦っている。μ'sのメンバーの近くで、彼女達を守る為に…。
 だから俺は遊撃班としていずれ彼女達に害を為すであろうロイミュード達を倒す為に戦わなければならない…。
 それが2人の頑張りに応える唯一の方法だから…。
 
 でも………。
 
 それでも俺は、戦う勇気が湧いて来ない……。

《来たぞ、タカユキ!》
「えっ!?」

 ベルトさんに言われ俺が見た先には、2人の生徒と、それを襲うロイミュードがいた…。

「せっかくラブライブの世界に転生したってのに何で男子校なんかに通わされなきゃなんないんだよ!?ムカつくぜ…テメェで憂さ晴らししてやるよ!」
 
 ロイミュードは2人の生徒を左右の手で1人づつ掴み上げた。
 
 因みに、このロイミュードはコブラ型の下級ロイミュード。下級ロイミュードにはコブラ型、バット型、スパイダー型の3種類が存在する。コブラ型は特殊能力は無いが力が強いのが特徴だ。その為、作中では他の下級ロイミュードのリーダー格となる事が多かった。
 
 コブラ型下級ロイミュードは2人の生徒を投げた。2人は校舎の壁にぶつかり気絶してしまった様だ…。

《タカユキ、早く変身するんだ!》

 ベルトさんに促された俺はコブラ型下級ロイミュード……長いな…ナンバーで呼ぼう。下級ロイミュードの胸元にはナンバーがある。名前の無い下級ロイミュードにとってはそれが名前の様な物になる。コイツのナンバーは”084”か…。

「何だテメェは?潰されてぇか?」

 084が俺にガンを飛ばしてくる。正直怖い。なんせこうやってロイミュードと対峙するのは初めてなんだ。でも、逃げる訳にもいかない……早く変身を………。



 あれ……?




 ドライブドライバー……忘れた……?




「あ…あははは…」
「笑ってんじゃねぇぞコラァ!」

 やばい!?ドライバー、トライドロンの中に置きっ放しだった!?てか飛んでくるとか出来ないのかよベルトさん!?

《目立ってしまうから出来ないんだよ》

 だから心読むなよ!?
 
 とりあえず俺は校門を飛び越え必死で逃げてる。どうにか逃げ……。

「止まれェェェッ!!」

 やっぱ速いね!ロイミュード!
 ドンドン距離を詰められている。そろそろやばい…そう思った時だった。

「ッ!?何だ!?れ

 何かが084を襲撃した。……シフトカー達だ!
 
 オレンジ色のスポーツカー型のシフトカー・マックスフレアが炎を纏って084に体当たり、紫色のスポーツカー型のシフトカー・ミッドナイトシャドーが次々と手裏剣を投げ、黄緑色のスポーツカー型のシフトカー・ファンキースパイクが車体の棘を伸ばした状態で084に体当たりをした。

「ぐおっ!?何なんだコレは!?!

 シフトカー達の攻撃にタジタジになる084。奴は踵を返して走り逃げ去っていった。
 てかシフトカー…俺の100倍役に立ってるな…。

「ありがとうみんな……って痛ッ!?」

 尻に何かが噛み付いた!?…ってコイツは紫の車体に緑のタイヤを持つSUV型のシフトカー・マッシブモンスター!?

「な、何すんだよ!?」
《シフトカー達は怒ってるのだよ。何故戦わないのかと》
「えっ…?」

 モンスターが俺の尻から外れ他のシフトカー達と並んだ。シフトカー達は俺に抗議するみたいに動いている…。

「でも…相手は元々人間なんだろ?ロイミュードの力も外付けみたいな物で本当の怪物って訳じゃないし……」
《確かに奴らは肉体構造は人間と変わらない。だが1つだけ決定して違う物がある。何だか解るか?》
「……」

 俺はベルトさんの質問に答えられない……。
 
 決定して違う物?一体何なんだ?それが俺の戦いとどう関係するんだ…?

《まあ、この答えは自分で探すべきだな。今は早く学校に戻ろう。そろそろ授業が始まる時間だ》
「……分かった…」

 俺はベルトさんの質問の答えが分からず、モヤモヤした気持ちのまま学校へ戻っていった……。








 __________________________







「はぁ……」

 俺は帰宅の途についていた。気持ちはまだモヤモヤしている……。どうしても戦えない…。何で俺がドライブに?ユウキとタケシだけでも充分だった筈…。

「俺には向いてないな……仮面ライダーなんて……」







「きゃあああああああああっ!?


 な、悲鳴!?どこからか女の人の悲鳴が聞こえてきた。俺は一目散にその悲鳴が聞こえた方向に走った。そこには…。

「な、何なんですか…貴方は…!?

 084とそれを前にして腰を抜かし倒れている長い黒髪の少女………ってアレは……もしかして、園田海未ちゃん!?

「やっぱ海未ちゃんは可愛いなぁ…!たまんねぇぜ…!
「ど、どうして私の名前を…?…ッ、こ、来ないで下さい!?」

 海未ちゃんに迫っていく084。このままじゃ危ない!俺は迷わず走り出し084に体当たりをした。

「ぐっ!?テメェは…昼間の……!?」
「は、速く逃げて!?」
「へっ!…で、でも…!?」
「いいから速く!」

 084が怯んだ隙に俺は海未ちゃんに逃げる様に言った。海未ちゃんは驚いたけど俺が強めに言ったのでフラフラと立ち上がりながら逃げていった。

「あ!?……この野郎!?よくも俺の海未ちゃんを!」
「何が俺の海未ちゃんだよ!?完全に嫌がってたじゃないか!?」
「嫌よ嫌よも好きの内って言うだろうがァァ!」
「無茶苦茶な……!」

 そう言って084は俺に殴りかかってきた。俺はその腕を掻い潜って殴打を躱す。てかコイツの台詞完全にモテない男の台詞だな……。
 
 だが、そんな事より早くコイツを何とかしないと……。

「チッ…このクソ野郎……ッ!?グハッ!?」
《タカユキ!》
「ッ!?ベルトさん!」

 084がこちらを向いたその時だった。エンジン音を轟かせトライドロンが突っ込んで来て084を跳ね飛ばした

《さあ、私を装着するんだ!》

 トライドロンのドアが開いた。俺はベルトさんに促されてベルトさんを装着した……なんかややこしいな…。
 とにかく俺はベルトさんを装着してロイミュードの前に出たんだ。

「何であの子を狙ったんだ!?
「はぁ?決まってんだろ。お前はあの子の可愛さがわからねぇのか?」

 いや俺、海未ちゃん推しだったんでよくわかりやす!

「俺はあの子を愛してるんだ…だからあの子を俺の物にして……ハァハァ…」



 …………



 ……………



 …………………………



 …………………あ、コイツただの変態か。




「か、勝手な事言うなよ!あの子明らかに怖がってただろうが!」
「黙れ!?……学校でも邪魔しやがって…ぶっ殺してやるよ!…そして海未ちゃんを捕まえに行くさ!」

 ………奴の台詞を聞いたとき、心の底から怒りが湧いてきた。
 
 海未ちゃんは嫌がっていた。なのにコイツは自分の身勝手な愛情を押し付けようとしている。それに海未ちゃんのことを”物”としてしか考えていない……。奴の考えは赦されない。海未ちゃんは何時の日か、この世界に感動を与える女神の1人になる少女。それを自分の欲望で穢すことなど言語道断ってやつだ。だから俺は今……コイツを止める為に……海未ちゃんを守る為に……。

「俺が戦う…俺が変身する!もう考えるのはやめだ!ただ誰も哀しませない為に俺がやるんだ!!」
《そうだタカユキ…その熱いハートだ!それこそが君にあり奴らに無い物だ!君なら何処までも走る事が出来る!さぁ、行こう!!》
「ああ!行くぜベルトさん!!」
 
《Start Your Engine!》

 俺はドライブドライバーのキーを回し、シフトスピードを手に取ってシフトブレスに差し込む。
 そして魂を込めて叫んだ…!



「変身!!」

《DRIVE!type SPEED!》



 全身を黒いスーツと赤い装甲が包む……そしてタイヤが俺の胸に斜め向きに装着された……。

「な、何だ貴様は!?」
「俺は………仮面ライダードライブ!」

 車のヘッドライトの様な目が強く輝く…仮面ライダードライブ・タイプスピードに俺は変身した。
 俺はこの時から、仮面ライダードライブとして戦う事を誓ったんだ…。
 ま、ドライブになったら、やっぱあの台詞を言いたくなるよなぁ…。

 俺は腰を低く下ろして構える。

「初乗りだ…ひとっ走り付き合えよ!」


 俺は思いっきり走って084を殴った!奴は呻きながら下がる。今がチャンス!俺は続けてパンチを放っていく。喧嘩は苦手だけど、不思議と身体が動く。これもライダーの力ってやつか?俺は084の胸に蹴りを入れて奴をぶっ飛ばした。

「ぐおおおおっ!?………お、己れェェ…!」
「流石にしぶといな…シャドー!」

 呼ばれて飛んできたミッドナイトシャドーが俺の手に収まる。そして俺はキーを回してシフトスピードをシフトブレスから取り、新たにミッドナイトシャドーを装填しレバーを倒した!

《タイヤコウカーン!》
《Midnight SHADOW!》

 タイプスピードタイヤが外れ、新たにミッドナイトシャドータイヤが俺の胸に装着された。タイプスピードシャドーとなった俺は両手に大きな手裏剣を形成してそれを084に投げた!

「ぐおおっ!?ぬううっ!?」

 手裏剣は084の皮膚を切り裂き火花を散らしていく。

「お次はコイツだ!
 
《タイヤコウカーン!》
《Max FLARE!》

 次にタイヤ交換したのはマックスフレアタイヤ。タイプスピードフレアになった俺は自分の前方に炎のタイヤを作り出し、それを084目掛けて蹴り飛ばした!

「がああああっ!?」

 見事命中し、084は転がった。

「トドメだ!!」

 俺は再びタイプスピードタイヤを装着する。そしてキーを回してシフトブレスのボタンを押した。

《ヒッサーツ!》

 そしてレバーを思いっきり倒した!

《Full Throttle!SPEED!》

 084をタイヤ型のエネルギーで拘束し、弾き飛ばす。そして俺の周囲を旋回していたトライドロンを俺は蹴って加速し飛んできた084にキックを放った!更に反射してまたトライドロンを蹴って加速し084にキック…そしてまた反射、加速してキック……と何度も何度もキックを浴びせていく。コレがドライブの必殺技・スピードロップだ!!

「馬鹿な…!?俺はこの世界で…俺の物語を…がああああああああああッッ!?」

 連続キックに耐えられなくなった084は、断末魔を上げて爆発した…。

 爆発した所から何が出てくる……アレはロイミュードのコア。つまりは魂というべきか?とにかくロイミュードはコアが無事ならば何度でも再生の余地があるのだ。

《心配いらない。Cmon!ディメンションキャブ!》

 ベルトさんに呼ばれて来たのは黄色と黒のタクシーの様なシフトカー・ディメンションキャブだ。キャブはコアの周りを旋回している………するとコアの上に謎の穴が開き、コアはその中に吸い込まれた…。

《あの魂はあの方の元へ戻った。きっと更生してくれるだろう。君達がロイミュードを倒すと事は殺すという事ではない。誤った力を手に入れた者に更生するチャンスを与えるという事なのだ》

「そっか……死んではないんだな…」
《ああ。コアを破壊しない限り、ロイミュード…つまり転生者は死ぬことはない。必殺技の威力はコアを破壊しない様に調整してあるから安心したまえ》

 ベルトさんにそう言われて俺はほっとした。そして変身を解除した。

《NICE DRIVE!》
 
「ふぅ……つ、疲れた……」
 
 俺はどっさっと地面に尻をついた。その周りをシフトカー達が囲んでいる。

「もう大丈夫…みんな、俺に力を貸してくれるか?」

 シフトカー達は賛成と言わんばかりに跳ねたり周ったりした。

「ありがとう……でも、こっからが俺の戦いって訳か…」
《そうだな。油断は禁物だ》
「分かってる……この世界…守ってみせるさ」

 俺は決めたんだ。仮面ライダードライブとしてこの世界を、そして女神達を守る事を……。




 
 

 
後書き
誰かを守るという思いでドライブに変身。
メンタルは少々弱めなタカユキですがこれからどうなっていくのか、お楽しみに。

次回はマッハに変身するタケシ編となっています。1人1人少しずつキャラを掘り下げていこうかと思っています。


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