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ドリトル先生の林檎園

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第十二幕その二

 先生はまたです、こう言ったのでした。
「うん、長野の林檎はね」
「いいよね」
「美味しいよね」
「本当にね」
「この味はね」
「素晴らしいね」
「お蕎麦の後でね」
 まさにと言った先生でした。
「デザートに最高だね」
「先生の考えが当たったね」
 ガブガブが言いました。
「お蕎麦の後はね」
「林檎だよね」
 チーチーはアップルパイを食べつつ言いました。
「これが一番いいよ」
「そうだね、じゃあね」
 ここで言ったのはジップでした。
「あと少しで長野県を後にするしね」
「しっかり食べようね」
 ホワイティは自分の言葉に素直に従っています。
「皆で」
「うん、アップルティーも飲んで」
 老馬は今はアップルティーを飲んでいます、そのうえでの言葉です。
「楽しんでいこうね」
「そうそう、長野県の思い出にね」
「最後のね」
 オシツオサレツは前の頭でアップルティーを、後の頭でアップルパイを食べています。
「まさに有終の美を飾ろうね」
「このお店でね」
「終わりよければ全てよしっていうし」
「今も肝心よね」
 チープサイドの家族も食べつつお話をしています。
「しっかりと食べて」
「それで思い出にしようね」
「今回の旅も最初からいいものだったけれど」
 ダブダブは長野県に着いた時からのことを思い出しています。
「最後もいいと最高になるから」
「今はこうして食べて」
 トートーは言いながら食べています。
「思い出にしようね」
「美味しいものを食べてそれが思い出になるなら」
 最後に言ったのはポリネシアでした。
「こんないいものはないよね」
「そう、だからね」
 それでというのです、先生もまた。
「楽しく食べようね」
「それじゃあね」
「今からそうしよう」
「そしてそのうえでね」
「キャンピングカーに乗って」
「そしてそのうえで」
「神戸に向かいましょう」
「高速道路に入りますので」
 王子のすぐ後ろから執事さんが言ってきました。
「神戸まで距離がありますが」
「それでもですね」
「今日中に着けます」
 こう先生にお話するのでした。
「ですからご安心を」
「それでは」
「それと」 
 ここで言ったのは王子でした。
「先生お土産買ったかな」
「お土産?皆の分だね」
「うん、買ったよね」
「買ったよ」
 それはしっかりと、というのです。
「一緒に遊んだ皆の分はね」
「日笠さんの分は?」
 王子はこのことを先生に尋ねて確認しました。
「どうなの?」
「買ってるよ」
 先生は王子ににこりと笑って答えました。
「どちらもね」
「それならいいよ、僕達の分はいいから」
「あれっ、いいんだ」
「先生の気持ちは嬉しいけれど」
 それでもというのです。 
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