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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第七十九話 呂蒙、陣を組むのことその八

「僕達が刹那を封じるから。だから」
「私は、というのね」
「命を捨てる必要はないんだ、絶対に」
「けれど。常世はそうしなければ」
「いや、方法はある」
 また守矢が妹に言う。
「御前が命を捨てなくて済む方法がだ」
「あるというのね」
「そうだ、必ずある」
「それならそれは」
「誰も命を捨てる必要はない」
 守矢はまずそのことから話した。
「そう、誰もだ」
「勿論僕達もさ」
 楓達もだというのだ。
「命を捨てる必要はないんだ」
「ではどうするというの?」
「刹那を、そして常世の門をだ」
 その二つをだというのだ。
「完全に叩き壊す」
「そうすれば。姉さんも命を捨てる必要はない筈だよ」
「それができるのかしら」
「できる」
 守矢の言葉は強く短い。
「必ずだ」
「だから姉さんはね」
 命を捨てる必要はない、楓も言うのだった。
「そんなことをしなくていいんだ」
「だから馬鹿な考えは捨てろ」
 妹にだ。心からの言葉を告げる。
「わかったな」
「兄さん、楓・・・・・・」
「戦いは辛いものになるだろう」 
 守矢の話が変わった。
「しかしだ。それでもだ」
「姉さんは命を捨てることはないんだ」
「私の命は」
「己を大切にしろ」
 守矢がここで最も言いたいことだった。
「いいな、何があってもだ」
「そしてこの世界で」
「戦うことだ。私達が何故この世界に来たか」
 それはだ。どうしてかというと。
「おそらく刹那を倒す為だ」
「僕達以外の大勢の人達もね」
 覇王丸や草薙達のことだ。
「多分。それぞれの世界での災厄がこの世界に来たからね」
「その彼等と戦う為に来ている」
「それは戦って封じる為なんだ」
 それで来ているとだ。二人は雪に話す。
「決して死ぬ為ではない」
「それはわかって欲しいんだ」
「それなら」
 ここまで聞いてだった。楓は。
 ようやく頷いたのだった。彼女は命を粗末にはするなと頷いたのだった。
 そしてだった。その三人のところにだ。
 玄武の翁が来てだ。そうしてこう言ってきた。
「ふむ。そこにおったか」
「翁か」
「こちらに来られたんですか」
「そうじゃ。今休憩になった」 
 そのことを三人に伝えに来たというのだ。
「それでじゃが」
「それで?」
「それでといいますと」
「どうじゃ。茶でも」
 翁は笑顔で三人に話した。
「それを飲むか」
「そうですね」
 微笑んでだ。雪が応えた。
「それでは。お茶を」
「茶はいいのう」
 翁は楽しげに笑ってもみせた。
 
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