ドリトル先生の林檎園
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第十幕その十一
「鈴木さんも喜んでいるんだよ」
「ううん、あたしは本当に」
「何でもないとですね」
「思っていたけれど」
それでもというのです。
「違うってことですね」
「藤村さんのあの詩みたいにね」
「林檎を我に与えしは、ですね」
「この場合は恋愛じゃないけれど」
「大切な人にあげたから」
「鈴木さんにとってね」
「いいことをしたんですね」
「そうだよ」
本当にというのです。
「だから優花里さんが同じことをされた時は」
「嬉しいとですね」
「思うことだよ」
「それがいいですね」
「本当に」
実際にと言う先生でした、そして。
そうしたお話をしてからです、先生はふとです。
周りの風景を見てこんなことを言いました。
「千曲川は遠くだけれど」
「あそこは有名ですよ」
「長野県を代表する川なんですよ」
優花里さんも由佳さんも先生にすぐに答えました。
「あの川は私達もよく行きます」
「いい川ですね」
「あと川中島にも行きました」
「遠足とかで」
「信玄さんと謙信さんが戦った」
「有名な場所ですからね」
「僕もあそこに行って」
そしてと言う先生でした。
「楽しみたいね」
「是非そうして下さい」
「あそこも長野の名所ですから」
「日本人なら誰でも知ってる位の」
「凄くいい場所ですから」
「そうだね、諏訪大社も義仲さんも幸村さんもで」
先生はこれまでの長野県を巡って観てきたものを思うのでした。
「そしてだね」
「川中島もですよ」
「そして千曲川もです」
「全部長野県ですから」
「観ていって下さい」
「そうさせてもらうね」
先生も笑顔で答えました。
「是非ね」
「ああしたところも長野県なので」
それでというのです、さらにお話を続けます。
「行って下さい」
「それじゃあね」
こうしたお話もしました、そしてです。
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