ドリトル先生の林檎園
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第十幕その九
「楽しんで下さいよ」
「私は娘を連れて来ただけよ」
女の人は優花里さんに笑って答えました。
「それでもなの」
「ですから遠慮は無用ですから」
それでというのです。
「楽しんで下さい」
「そうしていいのね」
「はい、皆食べて下さい」
こう言ってでした、優花里さんはお友達だけでなく先生や他の人達、動物の皆にも自分が造ったアップルティーや林檎のお菓子だけでなくです。
林檎園にある他の林檎のお菓子も出して振る舞いました、そして先生はそうしたお茶やお菓子を食べてすぐにこう言いました。
「美味しいね」
「うん、これはね」
ホワイティもアップルパイを食べてから先生に応えます。
「かなり味だね」
「紅玉だね」
老馬は使っている林檎が何かすぐにわかりました。
「これは」
「やっぱりお料理には紅玉なんだね」
ガブガブも食べつつ思いました。
「林檎だと」
「日本だとそれで決まりね」
ダブダブもこう言いました。
「何といっても」
「他の林檎も悪くないけれど」
それでもとです、チーチーも言いました。
「やっぱり紅玉が一番かな」
「その味が合ってるんだね」
ジップはその紅玉の味を指摘しました。
「アップルパイとかに」
「こうした林檎は日本では種類が少ないけれど」
このことをです、トートーは少し残念そうに言いました。
「紅玉があるね」
「そのまま食べる林檎もいいけれど」
それでもと言うポリネシアでした。
「紅玉みたいな林檎も必要ね」
「全くだよ」
「お陰で今美味しいアップルティーが飲めてるわ」
チープサイドの家族は家族全員でアップルティーを飲んでいます。
「こうしてね」
「素敵な味を楽しめているね」
「いいね、本当に」
「素敵な味だよ」
最後にオシツオサレツが二つの頭で言います。
「長野県に来て色々美味しいものを食べてるけれど」
「この林檎もいいね」
「そうだね、美味しいものを食べられると」
先生も笑顔で言います。
「それだけで幸せになれるよ」
「はい、私もです」
由佳さんは先生の今の言葉に応えました。
「今凄く幸せです」
「そうなんだね」
「美味しいししかも」
それに加えてというのです。
「優花里ちゃんの気持ちが伝わって」
「お友達の貴女を想う気持ちがね」
「それで、です」
今はというのです」
「とても幸せです」
「そうなんだね」
「本当に嬉しいです」
「何でもないことでしょ」
優花里さんは由佳さんのそのお話を聞いて笑って述べました。
「それは」
「そうなの」
「だってお友達だから」
それならというのです。
「これ位は」
「いや、それはね」
どうかとです、由佳さんは優花里さんにすぐに言葉を返しました。
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