ヘタリア大帝国
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TURN29 開戦前夜その四
「どうしたものだよ。本当に」
「そして今回もですね」
「何とかマダガスカルだけは守らないとな。セーシェルとな」
切実になっていた。それもかなり。
「ここに日本なりドクツなりが来てもな」
「はい、それではですね」
「何とか守り抜こうね」
「さて、それじゃあな」
妹達と話してだ。そのうえでだった。
フランスはここで話を変えてきた。その話はというと。
「摂政殿下になってたよな、今は」
「はい、代王です」
「そうなってるよ」
「あの人に会って来るな」
こう言いだしたのだった。
「今うちにはあの人しかいないからな」
「そうですね。王族の方でオフランスに残っているのは」
「あの人だけだよ」
「他の人は全員ドクツの捕虜になって軟禁させらてるからな」
身の安全は保障されている、だがだったのだ。
「あの人がたまたまセーシェルのところにいてよかったぜ」
「はい。全くです」
「運がよかったね」
「とはいってもな」
フランスはまたぼやいた。ここで再び。
「あの人は悪い人じゃないんだけれどな」
「政治や軍事のことはですね」
「何も知らなかったからね」
「ああ。今俺がどっちも教えてるよ」
国家としてだ。そうしているというのだ。
「飲み込みは早いけれどそれでもな」
「はじめに何も知らなかったというのは」
「そのことはまずいよね」
「結構以上にな」
フランスは首を傾げさせながら話す。
「不安なんだよな」
「あの方はおっとりとされていますし」
「戦争にも不向きだよね」
「ああ、本当に大丈夫かよ」
こんなことを言いながらだった。フランスはその自分の今の上司のところに向かった。
そこには白い欧州のドレスと帽子、それにパラソルで着飾った青い髪の女性がいた。
青い髪は長くさらりとしている。髪と同じ色の目は楚々としており白い肌はきめ細かい。鼻立ちはよく細長い顔は極めて整っている。全体的に無邪気でおっとりとした感じだ。
その彼女がオフランス軍の軍人達と共にいた。その彼女のところに来てだ。
フランスは陽気な顔になってだ。こう告げたのだった。
「よお、元気かい?」
「あっ、祖国さん」
「どうだい、調子は」
「はい、私は元気です」
スカートの両側をそれぞれ摘まんでだ。美女は彼に礼をしてきた。
「祖国さんもですね」
「ああ、俺はいつもと同じだぜ」
フランスは右目をウィンクさせてこの美女シャルロット=バルトネーに答えた。オフランス王国先王の第四王女に生まれている。おっとりと育てられた箱入り娘だ。
しかし今は摂政としてフランスに軍事や政治の教育を受けている。筋はいいがまだまだ素人である。
その彼女にだ。フランスはこう言ったのだった。
「もうすぐ勉強の時間だけれどな」
「はい、今日は法学でしたね」
「ちゃんと予習復習はしてるよな」
「私なりに」
そうしているとだ。シャルロットは微笑んで答える。
「努力しているつもりです」
「ならいいがな。じゃあな」
「はい、今からお願いします」
「それじゃあな」
こう話してだ。フランスはシャルロットと共に彼女の部屋に入る。だが。
ここで軍人達がだ。こう自分達の祖国に言ってきた。
「ところで祖国殿」
「一つお話したいことがあるのですが」
「んっ、何だよ」
「はい、どうも近頃です」
「原住民の者達が」
「何だよ、パルコ族がどうかしたのかよ」
フランスは彼等の言葉から政治、しかも厄介なものを感じ取った。そうしてだ。
そのうえでだ。こう言ったのだった。
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