魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者
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第61話 体育祭が終わって………
さて、体育祭も一段落し、しばらくはのんびり出来ると思ったが、1つ問題が発生した。
「あっ、次期会長おはようございます」
「おはよう、それと会長じゃないから」
「おはようございます次期会長」
「会長じゃないからな」
とこんな感じで、学校を歩けば先輩後輩問わず、次期会長と呼ばれるようになってしまった…………
恐らくはやての実況が原因だと思われる。
「何て事してくれたんだ…………」
「何を悩んでるん?このはやてさんに話してみ?」
「取り敢えず殴っていい?」
「落ち着けや、女の子に使っていい言葉じゃないで?」
「いや、タブーを犯してでもやらなくちゃいけないと思う」
「何だか頭にきてるみたいやね」
「ああ。誰かさんのせいで次期会長と呼ばれるようになったんだが…………」
「いいやないか、もう諦めるべきやで」
そう言ってポンポン肩を叩くはやて。
その対応に俺の我慢は解かれた。
「はやてーーー!!!」
「いやあああ、犯されるーーー!!」
おい、それは止めてくれ!!!
「…………………」
「ごめんってば…………」
あの後、はやてを追いかけていた俺は、アリサにマジで痴漢だと思われぼこされた…………
リバーブロー、ガゼルパンチ、デンプシーロールの必勝パターンを食らっても倒れなかった俺は、千Oを超えたと思った。
まあすぐ倒れたけど…………
「許してあげなよ…………」
「大人げないな…………」
「「零治君…………」」
ライ、フェリア、すずか、なのはとそれぞれ冷たい目で俺を見てくる。
あれ?いつの間にか俺がアリサをいじめてるみたいじゃね?
こんな状況なので、取り敢えず近くにいたフェイトに聞いてみた。
「フェイト、取り敢えずどうすればいい…………?」
「謝れば良いと思うよ」
「って事があったんだ…………」
「相変わらずだな」
「そうね………」
「そうっスね…………」
「…………って何でウェンディが2組にいるんだ!?」
俺はさっきの愚痴を桐谷と加奈に言いに来たのだが、いつの間にかウェンディも混ざっていた。
「細かいことは気にしない方が身のためっス…………」
「身のため?何?首突っ込みすぎると暗殺でもされるのか?」
「魔王のオハナシっス」
何という鬼畜…………
「んなわけ無いでしょ…………ほら、自分のクラスに戻りなさい…………」
「え〜、今日はぐるぐるドリルが居ないからつまらないっス…………」
「誰………?」
「アイドルの菊地カナタ」
「ああ…………」
そう言えば、生徒会室の時もいたな…………
「ウェンディ、良かったじゃないか!!友達が出来て!!」
「「「お前(兄さん)(レイ兄)が言うの!?」」」
「OK、お前らの気持ちは分かった。一発殴ってもいいよな?」
何でそんなに友達いないように思われるかな…………
「でもさ、兄さんっていつも星達と話してるし、桐谷以外の男子は小林と中島しか喋らないしね………」
「こっちにもよく来るからクラスでも省かれているのかと…………」
「そんな事…………」
あれ?俺って、クラスの男子だと、圭と良介以外の男子から滅多に話しかけられたことが無い…………
むしろ、『死ねリア充!』とか、『男子の敵!!』とか、『FUCK!FUCK!』とかしか言われてない……………
「俺って、クラスの男子で孤立してる……………?」
「今更っスね」
衝撃の事実を知ってしまった…………
1年生や3年生、他のクラスの2年生からは声をかけられているけど、自分のクラスからは…………
「…………レイ兄」
「止めろ、そんな目で俺を見るなーー!!」
俺に新事実が発覚した瞬間だった。
「元気出してください…………」
あの後、圭と良介の2人にも聞いてみたが、2人にも今更って顔をされた…………
それを星に慰めてもらってる。
「別に友達が少なくたって問題ないじゃないですか。その少ない友達はレイの一生大事な親友になるのですから」
「星……………」
何て優しい奴なんだ。
もうこのまま抱きつきたい気分だぜ。
「よし、これからは何を言われても気にしないぜ!!」
そうだ!俺は友達が少ない、大いに結構じゃないか!!
「やってやるぜ!!」
「特に気合いを入れる必要もないのですがね………」
気合いを入れる零治に星が冷静に突っ込んだのだった。
「さて、授業終わったな」
そんなこんなで授業も終わった。
さて、後は帰ってキャロを愛で………
『2ーAの有栖零治君、八神はやてさん、2ーB組の加藤桐谷君、至急生徒会に来てください』
「悪い!先に帰る!!」
俺は近くにいた夜美に言い残して、先に帰ろうとした。
「レイ、今呼ばれたじゃないか?」
「生徒会室に行って良かった覚えは無い!!」
「しかし、放送なのだから行かなくてはいけないのではないのか?」
「いいんだ!」
夜美は意外と真面目だからな…………
はっちゃける所ははっちゃけるけど、真面目の時は星より厳しいと思う。
星は何だかんだ甘やかせてくれるから…………
「ともかく!俺は早くこの場から消えないと………「零治君、生徒会室に行くで!!」じゃあ、また明日!」
俺は声をかけてきたはやてを無視し、疾風のごとく廊下へ走った。
「行かさへん!」
へん、もう遅いわ!
俺は既に廊下へ到達している。後はダッシュで下駄箱に走るだけ…………
「トリモチランチャー!」
トリモチ?
そう思った瞬間、
「ぐわっ!?」
何かが降りかかった。
「何だ?動けねえ……………」
俺に白いモチみたいなものが壁ごとへばりつき、その場から動けなくなった。
「どうや?私の作った対泥棒確保武器、トリモチランチャーの威力は!!」
「お前は学校に何持ってきてるんだ!?」
俺はもがくが、びくともしない。
「すごいやろ〜。くっつかれたら最後、この液体をかけないと取れないんやで。しかもこの液体をかければ綺麗に取れて汚れも全く無しという、最高の性能!」
「知らないし…………」
「お値段破格の10000円、しかも今ならトリモチ弾5発をセットで送るで!!」
「いいから助けてくれ…………」
クラスメイトに自分の作った商品を説明し始めたはやてが、俺を解放してくれるまで15分程かかった………………
「ご苦労さま、はやてちゃん」
「おおきに」
結局、生徒会室に連れてこられた俺。
悔しかったので、俺と同じ様に逃げようとしていた桐谷にも試してみた。使ってみると結構面白かったのは意外だったな。
…………マジで買おうと思ったのは秘密だ。
「で、話ってなんすか?もう文化祭はノータッチにして欲しいんですけど………」
「俺もこのバカと同じです」
「誰がウェンディだ!!」
「何で私がバカの代名詞なんスか!?」
ウェンディいたんだ…………
「あら?私、ノータッチでもいいなんて言ってたかしら?」
「はぁ!?体育祭の時、約束を………」
「私は、クリア出来たらって言ったのよ」
「うぐっ…………」
確かに俺はクリア出来なかった……………
「ならば俺はどうなんです?」
「私は、余り迷惑をかけないように配慮すると言ったはずだけど…………」
「………………」
ざまぁ、桐谷。
「それじゃあ、本題に入るけど、文化祭の企画を考えたの、見てもらえる?」
そう言って俺達3人に書類を見せてきた。
見出しには……………
『ビバッ!!男女逆転祭り、開幕!!』
「「待て待て待て〜!!!」」
「面白そうやん!」
はやての反応は俺達と違かったが、冗談じゃない!!
「絶対に反対です!!女子が男装するのはまだいいけど、男が女装なんてただ気持ち悪いだけです!!」
「もっとマシなものを考えろよ!!後半のクラスにいた、あのデブやらデカイのやらが女装したら吐き気モンだぞ!?」
「あら、面白いじゃない」
「そうや、そういうのも悪くないと思うで」
「そうっスよ〜私もレイ兄と桐谷兄の女装姿見てみたいっス〜」
話聞いていたか、コイツら。
絶対にヤバイって…………
「桐谷………」
「ああ、分かってる………」
「ちなみに、サボろうとしても、ここにいる2人に連れてきてもらうから。それでもダメだったら次の学校の日に2人だけ一日中………」
「「やらせていただきます!!」」
なんてこった………………
「おかえりなさい」
ウーノが帰ってきた私の娘達を迎える。
「はぁ…………疲れたわ………」
クアットロはいつも以上にバテていた。
「今回は結構手こずったな」
「私、お風呂入ってくるね………」
トーレもディエチも疲れているみたいだ。
それほど過酷だったのだろう…………
「みんな、済まないね…………」
「い、いいんですよ、ドクター!!私達も大変なのは分かってて協力してるんですし………」
「そうだな。だからドクターが気に病むことはないです」
「私も同じです」
気を使ってくれる娘達は本当に良い子だと思う。
本当なら、トーレ達もチンク達の様に……………
「ありがとう、取り敢えずゆっくりしていてくれ」
そう言って、彼女達はそれぞれ部屋に戻っていった。
「ウーノ」
「何ですか、ドクター?」
「ここの所チェックが厳しくなっている」
「……………確かにそうですね、流石に簡単にいかなくなってきました。どんどん警戒されて厳しくなってきています」
「そうだね…………」
レジアス中将当たりかな?
戦闘機人計画を一時白紙にしたことはあの脳みそに言われいる筈だからせめて自分達で研究をって所だと思われる……………
それともあの脳みそが直接?
どっちにしても……………
「このままじゃキツイね…………」
「チンクを呼びますか?」
「そうだね、実戦経験があるのはチンクだけだからね。しかし、チンクだけでも………」
「やはり厳しいですか…………」
そうだね、出来ればセインのディープダイバーがあれば随分楽なんだが………
「ドクター、やはり彼らにも協力してもらうべきです」
「でもそれは…………」
「彼らなら絶対に協力してもらえると思うのですが………」
「だが、犯罪の片棒を担がせるのは…………」
「ですけど……………」
「キツイのは覚悟の上だった筈さ。私たちで頑張ろう。私も何か考えてみる」
だが、その後も結局いい案が浮かばなかった…………
「ドクター……………」
疲れた背中を見て、私も思うことはある。
自分の尻拭いを妹達にやらせることに残悪感があるんでしょう…………
いつになったらドクターの顔が真に晴れることがあるのでしょうか?
そんなドクターだからトーレ達も心から協力してくれているけど……………
「ですけどトーレ達だけでは………」
どんどん厳しくなっているこの現状ではやはり……………
そう思った私はドクターに内緒である場所に連絡した……………
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