麗しのヴァンパイア
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第二百一話
第二百一話 最後のお風呂
最後に入るつもりの露天風呂について華奈子は美奈子に言った。
「最後は露天風呂になったけれど」
「それがどうかしたの?」
「いや、最後に入るにはね」
それにはというのだ。
「やっぱりいいかもね」
「最後はお外でっていうのね」
「そう、岩場のお風呂で終わるっていうのが」
華奈子は今は普通の大きな湯舟の中で一緒にいる美奈子に話した。
「有終の美よね」
「そういうことね」
「そう、今思うと」
「そうね、言われてみればね」
美奈子もこう華奈子に返した。
「そうね」
「ええ、それで露天風呂で終わりだけれど」
華奈子はさらに話した。
「お風呂から出たらね」
「その時はどうするの?」
「お水飲みましょう」
そうしようというのだ。
「服を着てね」
「水分は摂らないと」
「そう、よくないから」
こう言うのだった。
「身体にもね」
「そうよね、だからね」
「水分摂るのね」
「お風呂を出たらね」
最後の露天風呂の後はというのだ。
「そうしましょう」
「そこまでがお風呂ね」
「あたし最近お風呂から出たらね」
「絶対にお水飲んでるわね」
美奈子もそのことを指摘した。
「それもかなり」
「あっ、気付いてたの」
「だっていつも一緒にいるのよ」
それならとだ、美奈子は華奈子に微笑んで話した。
「双子だし」
「それでなのね」
「ええ、ただ華奈子が飲んだ後で」
「美奈子も飲んでるのね」
「やっぱり水分は必要だから」
摂らないといけないからだというのだ。
「そうしてるわ」
「あたし飲んだ後すぐにお部屋に戻るから」
「私少し後で戻ってたでしょ」
「その時に飲んでたのね」
華奈子はそのことがわかった、そうした話をしながら今は大きな湯舟の中で身体を休めるのだった。
第二百一話 完
2019・10・10
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