麗しのヴァンパイア
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第二百話
第二百話 こちらにした
華奈子は美奈子に今の自分の決断を話した。
「普通のお風呂にしましょう」
「次はそちらね」
「ええ、そっちに入って」
そうしてというのだ。
「楽しみましょう」
「わかったわ、それじゃあね」
「それでね」
華奈子は笑みを浮かべてこうも言った。
「最後にね」
「露天風呂ね」
「それに入りましょう」
「最後はそちらね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「考えてみたら一番入ってるのは」
その風呂はというと。
「この水風呂よね」
「身体を冷やす為にね」
「そうよね」
「そうね、実際にね」
どうかとだ、美奈子も答えた。
「私達がここで一番入っているのは」
「水風呂よね」
「だって身体が熱くなる度に」
その都度とだ、美奈子も話した。
「入ってるから」
「サウナの後でもね」
「ワイン風呂、炭酸風呂に」
「スチームサウナの後でもだったし」
つまり今もというのだ。
「だからね」
「もう一番入っているのは」
「やっぱり水風呂よね」
「そうね、考えてもたら」
「そうよね、それでね」
笑顔でだ、華奈子は美奈子にこうも話した。
「これから普通のお風呂にも入るけれど」
「その後でもね」
「露天風呂に入る前に」
最後のそちらに入る前にもというのだ。
「また水風呂に入りましょう」
「身体冷やす為に」
「そうしましょう」
「そのことも決めたのね」
「ええ、じゃあね」
「今からね」
「普通のお風呂に入りましょう」
こう言ってだった。
二人で一緒に水風呂を出てそのうえで一番大きな浴槽である普通の湯舟に入った。その湯も実にいい湯だった。
第二百話 完
2019・10・3
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