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ドリトル先生の林檎園

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第四幕その二

「日本の農業は世界屈指だったんだ」
「その実は」
「何か凄いお話だね」
「日本の農業は技術は最新で収穫高もよくて」
「質もいいんだね」
「そう、素晴しいから」
 だからだというのです。
「その素晴らしいものを伸ばしていくべきだよ」
「もっともっとよくする」
「そのことがいいのね」
「いいものをもっとよくしていく」
「そうしていくべきね」
「そう思うよ、例えば林檎にしても」
 先生達が今いる長野県のそれはというのです。
「決して質は悪くないね」
「そうだよね」
「何処が悪いのってお話でね」
「食べて凄く美味しいし」
「スーパーや八百屋さんに行ったら一杯あるし」
「それじゃあね」
「林檎も駄目じゃないよ」
 先生は松本市に来た時に食べた林檎のティーセットの味を思い出していました、そしてまた食べようとも思いました。
 そしてです、こうも言ったのでした。
「あんなに美味しくて一杯あるから」
「そうだよね」
「それじゃあね」
「決して悪くないわね」
「日本の農業は」
「林檎を見てもわかるね」
「そう、ただ白を黒と言って」
 事実を違うと主張してというのです。
「それを周りに言い回ればね」
「周りは信じるよね」
「本当のことを知らないで」
「何度も何度も聞いてるとね」
「自然とね」
「言う人の声が大きくてしかもその数が多いと」
 ただ言い回るだけでなくというのです。
「もうね」
「それでだよね」
「皆信じちゃうよね」
「それが本当のことだって聞いて」
「それでね」
「それがテレビや本や新聞からだと」
 目にして聴いて、そうしたものならというのです。
「最近まで自給率が低いとね」
「言ってばかりで」
「それで皆思い込んでいたのね」
「事実は違っていても」
「それでも」
「確かに殆ど輸入している農作物はあるよ」
 先生もこのことは否定しません。
「けれどね」
「沢山の農作物はだね」
「ちゃんと日本でも沢山作っていて」
「それで売られてるから」
「実は違う」
「そういうことね」
「そうだよ、日本は世界屈指の農業国であることはね」 
 このことはというのです。
「本当のことだからね」
「ううん、凄いね」
「日本は工業だけじゃないんだね」
「農業もいい」
「そうした国なのね」
「そのことは覚えておかないとね、そういえば」
 ここでまた言った先生でした。
「一つ面白いことがあってね」
「面白いこと?」
「っていうと何?」
「面白いことって」
「何があるの?」
「うん、日本は緯度がかなりあるから」
 それでというのです。
「北海道では寒冷地の作物が採れるね」
「ああ、ジャガイモとかね」
「魚介類だってそうだね」
「寒い場所のものが獲れるね」
「北海道で美味しかったわ」
「楽しめたよ」
「そして沖縄ではね」
 今度はこの県のお話をするのでした。 
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