レーヴァティン
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第百二十九話 博多から福岡へその九
「そして最後はな」
「本丸もですね」
「攻め落とす」
そうするというのだった。
「そうしてだ」
「城を自分達のものとして」
「使わせてもらう、降った兵や捕虜達はな」
「いつも通りですね」
「戦の後でな」
城を攻め落とした後でというのだ。
「あらためてだ」
「こちらに迎え入れますね」
「そうする、死んだ者は生き返らせて」
そうしてというのだ。
「やはりな」
「兵にしていきますね」
「名のある者もな」
彼等もというのだ。
「そうしていく」
「左様ですね」
「優れた者は重く用い」
例え元敵であってもというのだ。
「そしてだ」
「そのうえで」
「城主もな」
「降るならですね」
「用いる、降らないならな」
「その時はですね」
「逃がしてやる、どちらにしろ九州は俺が手中に収める」
その考えだからだというのだ。
「何度も捕まえてな」
「何度も解き放ち」
「そうしてだ」
そのうえでというのだ。
「最後は降らせる」
「そのお考えは」
「三国志演義だ」
「そちらですね」
「諸葛亮孔明は孟獲をそうした」
南蛮の王だったこの者もというのだ。
「七度破り捕え」
「そして七度目で、でしたね」
「心から降した」
「そして南蛮自体も」
「そうした、俺はこの世界が復活出来ることもあるが」
例え死ぬ、殺しても術等でそれが出来るからだというのだ。
「逃がしてな」
「何度も捕え」
「そうしてだ」
「最後はですね」
「降す、どうしても降らないなら」
英雄はこの時のことも話した。
「俺は諦めるが」
「それでもですね」
「その相手はその時はもうだ」
既にというのだ。
「兵も土地も失っていることになる」
「拠るべきものはですね」
「全て俺が手に入れている」
そうなっているというのだ。
「そうなれば身一つだ」
「身一つでは」
「この浮島を統一した時はな」
「もう何の力もないですね」
「だからいい、俺の首を狙うなら」
「その時はですね」
「退けるだけだ」
英雄は謙二に自信を以て答えた。
「まさか海の魔神につくことはない」
「それはないですね」
「ある筈がない」
絶対にとだ、英雄は断言した。
「だからだ」
「どうしても降らない相手も」
「それならそれでいい」
「そういうことですか」
「俺の考えではな、ではな」
「これよりですね」
「二の丸に入りだ」
「そのうえで」
「本丸も攻め取る」
本拠地のそこをとだ、こう話してだった。
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