戦姫絶唱シンフォギア~響き交わる伴装者~
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第5楽章~交わる想い、繋がるとき~
第48節「君色に染まる空の下で……」
前書き
読者の皆さんが、この作品のあらすじを見て読み始めて以来、待ちに待って望んでいたものです。
大さじで測った砂糖マシマシ、錬成しまくった糖文モリモリ。
さあ、胸焼けとブラック珈琲が激甘に変わる覚悟を決めて刮目せよ!
「では、先手は私達が打たせてもらう!」
翼が選んだのは、自らの持ち歌とも言える一曲。『逆光のフリューゲル』だった。
「あの、翼さん……いいんですか、わたしなんかが奏さんのパートを歌ってしまって……」
あまりのプレッシャーに萎縮してしまう未来。
しかし、翼は未来の肩をポンと叩いて微笑む。
「私と奏の歌を、この世界の多くの人達が口ずさんでくれている事が、私にはとても嬉しいんだ。だから気にする事はない、小日向は小日向らしく歌ってくれればいい。私が其方に合わせよう」
「はっ……はいっ!」
翼から励まされ、未来は気合を入れる。
やがて曲が始まり、2人はマイクを握って歌い始めた。
「遥か~」
「彼方~」
「星が~」
「「音楽となった彼の日……」」
自分なりに精一杯歌う未来と、未来をリードしながらもポテンシャルを損なうことなく歌う翼。
2人によるデュエットに、響と翔は聞き惚れていた。
「「Yes,Just Believe……神様も知らない~ヒカリで歴史を創ろう~」」
部屋のライトで作られた逆光のシャワーが、未来と翼を照らす。
2人の奏でる旋律は、確かなシンフォニーとなって響き渡る。
この時、未来は片翼の翼に導かれて、まるで飛んでいるような気持ちだったと語っていたという……。
『88点』
表示された点数を見て、未来は翼に頭を下げる。
「すみません翼さん……」
「謝らなくてもいいわよ。あなたと2人で取った点数だもの。胸を張りなさい」
「翼さん……」
未来を励ます翼。その点数を見て、翔は苦笑いしていた。
「姉さん、普段から90点台バンバン出すから……。点数そこまで落ちてないから……」
「おおー!緊張するけど、これは燃えてきた!」
そう言って響は勢いよく立ち上がる。
「トップアーティストの翼さんと、親友の未来が相手でも!わたしには翔くんがいる!」
「ほう。翔1人で、戦局を覆せるとでも?」
不敵に笑う翼。しかし、響は自信満々に答える。
「戦う時、わたしの傍にはいつも翔くんがいてくれる……。その翔くんが一緒に歌ってくれるんだもん!負けるはずがありません!」
「立花……」
響の言葉に胸を打たれ、翔も立ち上がる。
「そうだな……。伴装者になって以来、俺の隣には常に立花がいた。装者としての立花の歌は、誰よりも近くで聴いてきた!一番上手く合わせる事が出来るのは、俺以外にいるものか!」
「翔くん……!」
「やるぞ立花!俺達の歌、姉さんに見せてやろう!」
「うん!未来、わたしも負けないからね!」
そう言って曲を選び始める2人を、翼と未来は微笑ましく見守っていた。
なお、翼がさりげなくレコーダーのスイッチを入れていた事には、誰も気付いていなかった。
「立花、歌えるよな?」
「翔くんに勧められて、テレビ版と劇場版は全部見たからバッチリだよ!」
「じゃあ俺が右側だな」
「え?翔くん左側じゃないの?」
「頭脳労働担当は俺向きだろ。立花に中折れ帽が似合うのかはともかく」
「あー……。うーん、麦わら帽子なら!」
「うっ……それは間違いなく似合う……」
そんな会話を繰り広げながら2人が選んだのは、特訓の間に翔が響に勧めて見せた特撮作品の曲だった。
『W-B-X~W-Boiled-Extreme~』
2人で左右横に並び、歌い始める。
「「君と」」
「なら叶えられるHalf×Half~」
「ダブルボイルドエクストリーム!」
「「W-B-X!」」
それぞれのパートからハモリまで、響の元気な歌声と対象的に、クールな翔の歌声。
その対比がまさに、その作品らしさを醸し出していた。
「「Wを探せ~」」
そして最後は2人で背中を合わせ、『街を泣かせる悪党達へと投げかけ続ける言葉』のポーズを取る。
瞬間、翼は素早くシャッターを切った。
「ちょっ!姉さん!?」
「あまりにもノリノリだったのでな。つい撮ってしまった」
「も~、いきなり撮るなんてひどいじゃないですか~!」
「後で送ってやる。気にするな」
悪びれる様子もなくそう言う翼の顔は、どこか楽しげだった。
「それで、2人の得点は?」
未来が特典を確認すると……そこに表示されていた点数は、予想外のものであった。
『93点』
「私達を追い越した……だとぉ!?」
「うそ!?」
「やったー!勝ったよ翔くん!」
驚く翼と未来。響は飛び上がって喜んだ。
「初めて姉さんに勝てた……やった!」
翔も驚きながら、響と2人でハイタッチする。
歌で勝負する以上、手は抜いていない。翼は素直に自身の敗北を認めた。
「不覚……!いや、翔と立花の呼吸が私と小日向を凌駕していた、というわけね。認めるわ……」
「未来~、勝ったよ~!イエーイ!」
「おめでとう、響」
響は未来ともハイタッチを交わす。
その様子を見守りながら、翼は翔を指さす。
「今回は負けたけど、次はシングルで私に勝ってみなさい!」
「勿論だ!今度は立花の力を借りず、自分の歌唱力で姉さんに勝つ!」
大人気ない姉の言葉に、呆れもせず素直に応じる翔。
やっぱり姉弟なのだと、響と未来はそれを見て笑った。
∮
「さて、ここまで一緒の時間を過ごしたんだし……もうそろそろなんじゃない?」
会計をしながら、翼は未来にそう話しかける。
「そうですね。そろそろ時間ですし、最後のポイントまで向かいましょう」
「最後は何処に行くつもりなの?」
翼の質問に、未来は自信ありげに笑って答える。
「とっておきの場所に。きっと翼さんも気に入ると思いますよ」
「それは……ちょっと楽しみね」
2人は会計を終えると、店の外で待っている恋人未満なカップル2人の元へと向かう。
その様子を、影で忍びながら見守る人物がいる事を、街行く人々は誰も知らない。
その人物が嬉しげに微笑んでいた事も、誰も知ることは出来なかった。
∮
「遅いぞ、姉さん」
「はぁ、はぁ……。3人とも、どうしてそんなに元気なんだ?」
俺達4人は街を見下ろす高台の上にある公園にやって来ていた。
公園までの長い階段をどんどん駆け上がる響、未来、そして俺。姉さんは少し疲れた様子で遅れて登っていた。
「姉さんがへばりすぎなんじゃないか?」
「翼さん、今日は慣れないことばかりだったからじゃない?」
「なるほど。はしゃぎ疲れる姉さんは、確かに殆ど見たことないな」
「防人であるこの身は、常に戦場にあったからな……」
小日向の言葉に納得しつつ、姉さんの言葉に俺は少し複雑な気分になった。
姉さんがこうなってしまったのは、俺がこの世で一番嫌悪しておると言っていい程の存在であるジジイ……風鳴家当主、風鳴訃堂の存在が根底にある。とはいえ、姉さんの防人化が加速したのは親友であり、最高のパートナーだった奏さんの死による部分が大きい。
奏さんという、姉さんを普通の女の子に戻してくれる数少ない存在がこの世を去って以来、姉さんは剣から人に戻れなくなっていたと言える。
それが最近になって、ようやく良い笑顔を見せてくれるようになった。
姉さんを変えてくれたのは、言うまでもなく立花だ。姉さんだけじゃなくて、立花は俺も変えてくれた。俺はその事に深く感謝している。
だから……姉さんがはしゃぎ疲れているこの状況を、俺は心の底から嬉しく思った。
「ほら、響……」
「で、でも……」
「もう、今逃したらチャンスはないわよ?」
「うう……」
未来が頑張れ、ってわたしの背中を押す。
正直、未来と翼さんがお膳立てしてくれたのに、私はまだ緊張していた。
夕陽に照らされた街を見下ろすこの場所で、翔くんに告白する。それが未来の立てた作戦の最後の仕上げだった。
とってもロマンチックだし、素敵だと思う。でもやっぱり、いざ本番となると緊張が……うう……。
「ほら、響。いつもの魔法の言葉、思い出して」
「へいき、へっちゃら……へいき、へっちゃら……。……最速で、最短で、真っ直ぐに、一直線に!胸の響きを、この思いを、伝えるために!」
頑張れ、わたし!頑張れ!
翔くんに今日こそ、絶対に!胸の想いを届けてみせるんだ!
そう自分に言い聞かせて、深く深呼吸すると……わたしは、翔くんを呼んだ。
「翔くん!」
「ん?どうした、立花?」
「その……こっち、来てくれないかな……?」
そう言ってわたしは翔くんの腕を引く。
翔くんは目を大きく開いて、少しだけ沈黙すると、やがて答えた。
「わかった……」
立花と2人で街を見下ろす。眼下に広がる街並みも、広がる海も、見上げる空も。全て一面のオレンジに染まっていて……その色はやっぱり、あの日の放課後を思い出す。
そのオレンジの中で、俺は再び立花と向き合っている。夕陽に照らされたその顔は、あの日よりも少しだけ幼さが消えていた。
「……翔くん、あのね……」
緊張した様子で、立花が切り出す。
ああ、分かっている。立花の様子を見れば、分かってしまう。どんな鈍感でも、ここまでされて分からない筈がない。いたらぶん殴られても文句が言えないはずだ。
もう既に、迷いはなかった。姉さんと、多分小日向も背中を押してくれたんだ。覚悟はとっくに決まっている。
本当なら俺から先に仕掛けたかったけど、立花に先を越されてしまった以上、先に聞いてやらないのは無粋だろう。
俺は息を呑んで、次の言葉を待った。
「わたし……翔くんのことが好き。……ううん、大好き!」
「ッ!……お、俺の事が!?」
「うん……。優しくて、強くて、かっこよくて……わたしにとって、世界で一番の男の子。それが、わたしにとっての翔くんなんだ……」
自分で言って、自分で赤くなりながら、立花は俺への愛を真っ直ぐにぶつけて来る。
その一言一言に、俺の心は何度も打たれていった。
「だから……その……」
両手を後ろで組みながら、もじもじと揺れる立花。その愛らしい姿に、俺の視線は釘付けになる。
そして立花は、しばらく溜めた後、遂にその言葉を解き放った。
「わっ、わたし、立花響とお付き合いしてくださいッ!!」
……ああ、そうか。
俺はようやく……君のその手を取って、共に歩んで行くに相応しい男になれたんだな……。
強く、深く、それを実感する。その言葉だけで、俺は満たされていった。
だが、これで満足するにはまだ早い。今度は俺の番だ。
両目を瞑って右手を差し伸べている立花の手を取ると、俺はその手を引っ張り、立花の身体をこちらへと引き寄せた。
強く引っ張られる感触と、身体を包む温かさ。
その、覚えのある温かさに目を開くと……わたしは、翔くんに抱き締められているのだと理解した。
全身が熱くなる。心臓が早鐘を打つようにバクバクと高鳴り、顔が真っ赤になるのを感じた。
「……俺も、立花の事が大好きだ。……ああ、あの頃からずっと、君の事が好きだったとも!」
「えッ!?……あの頃って、もしかして……」
2年前……。そんなに前から、翔くんはわたしの事を……!?
困惑するわたしを他所に、翔くんは続ける。
「あの時の俺は、心に余裕がなかったし、何より弱虫だったから、自分の本当の気持ちに気付けなかった……。でも、今はハッキリと分かる!俺は君が……誰よりも強くて、誰よりも優しい心を持っている立花響が大好きだ!その優しさで周りを照らして、笑顔と元気をくれる立花響を……花が咲くような愛らしい笑顔で、どんな辛い事でも吹き飛ばしてくれる勇気をくれる立花響を、俺は愛している!!」
「ッ……!!」
翔くんは、矢継ぎ早にどんどんわたしへの想いを語り続ける。
もう既にわたしのキャパシティーは限界だ。容量がオーバーして爆発寸前、これ以上何か言われたら、わたし……もう、抑えられないッ!
「だから……響、ありがとう。こんな俺の事を好きでいてくれて」
「ッ!?はううううう……」
なっ、名前……!今、翔くんわたしの事、下の名前で……。
「もし、響さえよければ……俺は、響と一緒に同じ空を見ていたい……」
「ッ!!??そっ、それって……」
待って翔くん!それ告白どころじゃない!
その言葉はっ、そ、その……ッ!
「2人で同じ幸せを抱いて、同じ未来へと翔んで、同じ音を奏でていきたい……」
「……翔くん」
「うん?」
翔くんの背中に手を回す。わたしはそのまま両腕に力を込めて、思いっきりぎゅ~っと、翔くんを抱き締めた。
「その、今の言葉は……プロポーズとして受け取って、いいのかな……?」
プロポーズ。その一言で気が付いたのか、翔くんも顔を真っ赤にする。
「そっ、そそそ、そそそそれはだな……っ!?……あ~……うん……。そう捉えてもらっても、構わない……ぞ?」
翔くんの両腕にも力が込められる。自然と密着した翔くんの胸から、わたしと同じくらい激しくなった鼓動が聞こえてくる。
……わたし達は今、さっき翔くんが言っていた通り、"同じ音を奏でている"んだ。
夕陽の赤さで誤魔化せないくらいに真っ赤になったわたしと翔くんは、それから未来に呼ばれるまで、お互い背中に回した手を離す事が出来なかった。
ファーストキスはまだしてないけれど、これ以上はお互いに歯止めが効かなくなりそうだったから、それはまた次の機会にってことで……。
∮
「響……やったね。おめでとう……!」
未来は少し離れた所で、響と翔の様子を見守りながら、目元を拭ってそう呟いた。
「どうした小日向、泣いているのか?」
翼にそう問われ、未来は首を横に振った。
「違うんです。なんだか、思っていた以上にずっと嬉しくって……なんだか、涙が出て来ちゃいました……」
「そうか……。緒川さん、居るんでしょう?」
「え……?」
翼が言った次の瞬間、その背後にシュタッという音と共に緒川が現れた。
「いつから気付いていたんです?」
「何となく、です。仮にも『見守り隊』の副隊長であるあなたが、こんなイベント逃す筈がないでしょう?」
「部下の皆さんに送り出されましてね。僕の代わりに仕事を引き受けるから、初デートはちゃんとカメラに収めてこい……と焚き付けられちゃいました」
「緒川さんも何だかんだでノリノリですよね……。小日向にハンカチかティッシュを」
翼にそう命じられ、緒川は未来にポケットティッシュを渡す。
未来は突然のNINJAに驚きながらも、受け取ったポケットティッシュで涙を拭いた。
「それで、翼さんの方は今日一日、どうだったんですか?」
緒川にそう聞かれて、翼は今日の朝からこの瞬間までを振り返り、夕陽を見ながら呟く。
「本当に今日は……知らない世界ばかりを見てきた気分です」
「……そんな事ありませんよ。ほら、見て下さい翼さん」
翼の言葉に、緒川はふむ、と何か考えるような仕草をすると、やがて翼の方へと手を差し伸べた。
何事かと疑問に思いながらも、その手を握った翼は、緒川にエスコートされるように、そっと手を引かれながら柵の方へと近付く。
「お、緒川さん?……あ──」
翼の目の前に広がる光景。それは、夕陽に照らされ、オレンジ色に染まった街と海だった。
緒川はその光景に圧倒される翼を見て、優しく言った。
「あそこが今朝、響さん達と待ち合わせしていた公園です。あそこがリディアンで、あそこはふらわー。皆さんが一緒に遊んだ所も、今日は遊んでない所も、全部翼さんの知ってる世界です。今、目の前に広がっているのは、昨日に翼さんが戦ってくれたから、今日に皆が暮らせている世界ですよ」
「これが……私が守っている、世界……」
「……だから、知らないなんて言わないでください」
そう言って緒川は、いつもと変わらない……いや、いつもよりも少し柔和で、どこか慈しみの浮かんだ笑みを向けた。
(あ……思い出した……。奏も昔──)
その言葉に、翼はかつて、奏が夢の中でも言っていた言葉を思い出す。
『戦いの裏側とか、その向こうには、また違ったものがあるんじゃないかな?あたしはそう考えて来たし、そいつを見て来た』
「──そうか。これが、奏の見てきた世界なんだ……」
「……と、らしくない事を言ってしまいましたね。それでは、僕はこの辺で。下に車を回して来ますね」
翼は振り返ると、立ち去ろうとする緒川に声をかける。
「緒川さん……。ありがとう、ございます」
「……いえ、僕は何も」
そう言って緒川は振り返り、会釈すると階段を駆け下りて行った。
未来はその様子を見て、翼にそれとなく囁く。
「翼さん……。もしかして緒川さん、翼さんのこと……」
「なっ!?ないないない!あの緒川さんに限って、そんな事あるわけが!……あるわけが、ない……はず……だが……」
後半になるにつれて、どんどん小さくなっていく翼の声。
それを見て、未来は確信した。
(あ、もしかして、翼さんの方が緒川さんの事を……)
両思いになった親友と、絶賛片想い中……というより、まだそれを認めていない先輩。
周囲の恋愛事情に、未来は少しだけ羨ましさを感じるのだった。
やがて、日が沈む頃。緒川が運転する車の前で、翼は緒川から受け取った3枚のチケットを、それぞれに配る。
「……いい一日だった。立花と小日向にはお礼をしないといけないな。こんなものでお礼になるかは分からないが──」
「え……これって……。復帰ステージのチケット!?」
「ああ。アーティストフェスが10日後に開催されるのだが、そこに急遽ねじ込んでもらったんだ。倒れて中止になったライブの代わり、という訳だな」
「なるほど……」
「翼さん、ここって……」
チケットの裏側を見て、その会場を確認した響が呟く。
それは2年前のあの日、惨劇の現場となったライブ会場。
響の運命を狂わせた場所であり、奏が命を散らした場所。そして、2年前に未来と翔が行けなかった会場でもある。
「……立花にとっても、辛い思い出のある会場だな……」
しかし、響の言葉は予想に反するものだった。
「ありがとうございます、翼さん!」
「響……?」
「いくら辛くても、過去は絶対に乗り越えていけます。そうですよね、翼さんッ!」
「……そうありたいと、私も思っている」
力強く、決意するようにそう返す翼の顔には、強い決意が浮かんでいた。
「今度は俺と小日向も一緒だ。何があっても、怪我と迷子からは守ってみせるからな?」
「響、その日は絶対に遅れちゃダメだよ?」
「もー、分かってるってば~!」
「ふふ……」
そう言って笑い合う4人を夕陽に代わり、今度は一番星と、見え始めた丸い月が照らしていた。
後書き
祝え!立花響、そして風鳴翔。繋ぐ手の装者と伸ばす手の伴装者、運命で結ばれし2人の恋が成就した瞬間である!
ハーメルンでこの回を上げた頃、選曲コメしてくれた皆さんにスペシャルサンクス!
そして、翔ひびが結ばれる瞬間を期待しながら読み続けて来た皆さん、ありがとうございます!
これがそんな皆さんへの、第1の報酬です!
次は純クリ、そしておがつば!そちらにもご期待ください!
職員A「……以上が、今回我々の入手した映像になります」
職員一同『(´つヮ⊂)ウオォォォォォォォ!!』
黒服A「無理!尊い!式場が来いッ!」
職員B「やっとか……遂にか……おめでとう!」
黒服B「生で見れてよかった……。でもあれ、全員が生で見たら死人が出てたかもしれない……」
監視員「いやそれ黒服Bさんっしょ~」
職員A「まさか思わぬ所で緒川さんと翼さんの美味しい映像まで撮れるなんてね……」
黒服B「それ!本当にそれ……!ちょっと流石に尊さメーターが振り切れて天に昇りかけたわ……」
黒服A「これは今後も見逃せないぜ!」
監視員「ところで、後書きモブ枠の筈が初登場から早々に名前もらって本編準レギュ入りしたメンバーがいるらしいッスね……。僕らも準レギュ入り、したいッスね~」
職員A「何贅沢言ってるのよ!私たちの仕事は!」
職員B「読者の代弁ッ!それが我々のお仕事ッ!」
職員A「って事でこれからも、わたし達『見守り隊』をよろしくお願いします~」
次回、ライブ回!……ではなく、カ・ディンギル編が迫る!?
クリスと司令の間に生まれる信頼。浮上する『カ・ディンギル』の謎。
街に現れるノイズの大群!そして改良型RN式に身を包んだ純を相手に、翔は、クリスはどうするのか!?
次回も目が離せないぞ!お楽しみに!
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